私は事業所の人事担当部長ですが、人事の仕事の美味しいところは本社の人事部や本部の人事担当がしますので、事業所は厄介事が主な仕事になります。
美味しいところとは、人事評価、昇格、昇給、採用などですが、それにともない評価の調整、つまり誰の評価を下げるかの調整、昇格試験でも落ちた人のフォロー、降格や給与が下がった人のモチベーションアップ、契約社員や派遣社員の契約の終了などは、現場でしかできない仕事という口実に押し付けられます。
最近、特に多いのはメンタル不調者の対応です。メンタル不調者には従来とは異なる現代型が増えてきています。現在、対応しているのは、発達障害に伴うメンタル不調者(復職プログラム中)、肝炎から長期欠勤になりそれが原因でうつ状態になっている者、単に会社に来たくないとしか思えないメンタル不調者、上司との人間関係からうつ状態になっ者、もともとメンタル不調だったか勤務中に失禁しても気がつかず就業できなくなった者などあげるとどうもきりがありません。
それ以外に、不倫関係を匿名で告発してくる者、借金で首が回らず出社できなくなった者、セクハラ・パワハラをするので異動させたら今度は自分がいじめにあいメンタルになった者、酔っ払って警察に世話になっていたのに通勤途中でケガをして会社にいけないと嘘をつく者と色々なトラブルを引き起こしてくれます。本当に楽しいです。
こんな状態なのに、先日の部長研修では、部下の不始末は上司の責任、監督不行きとどきだと人事担当役員はいってましたが、私は上司というよりもこんな社員を採用した人事部に大半の責任はあると思います。上司は部下を性善説ではなく、性悪説で管理しなければならなくなります。ほとんどは、個人の性格、メンタルにしても会社に入る前から持っていた障害ともいえるもので、それを入社試験で見抜けなかった、というよりチェックできてなかった採用担当の責任でしょう。
問題を起こす社員の半分ぐらいは、縁故採用と中途採用です。縁故採用は他では採用してもらえないために、役員クラスが無理やり押し込んでくるケースが多いです。今は縁故は取らないといってますが、それは会社の景気が悪いからで、ちょっと良くなるとまた強権で無理を通してくるのではないでしょうか。
中途採用は、すぐれた人材をとれる場合もありますが、それには担当者の目利きの能力が重要です。一例ですが、借金まみれになっている者は、大学を中退視していますが、大学に7年もいったあげく、数年は就職せずにニート状態でした。ニートが悪いとはいいませんが、普通に大学に行っていて4年で卒業できないということは、精神的あるいは性格的な問題を疑う必要があります。よほどしっかりとした理由がない限り、私ならば採用はしません。
あれこれ考えると、事業所の人事担当としては、やりきれない不満を持って行き場がないという感じです。
人事部も経営者もメンタルは大きな問題だといいますが、対策は後手後手で、挙句の果てに部下の不始末は上司の責任では対策になってないじゃないですか。
文句を言い出すときりがありませんので、今回はこれで留めておきます。