「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

喧嘩両成敗 2013・11・30

2013-11-30 07:30:00 | Weblog


  今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)のコラム集から。



  「 戦争には勝敗はあるが、正邪はない。戦勝国と敗戦国はあるが、その間に正義が

   わりこむ余地はない。

    古往今来勝者は敗者を存分にした。殺すか奴隷にした。敗けた国は臥薪嘗胆(がしんしょうたん)

   して今度は反対に勝つと、同じ復讎(ふくしゅう)を復讎した。こうして何千年来戦争はある。これ

   からもある。

    清盛は頼朝を助けたばっかりに、あとで殺しておけばよかったとくやしがったが及ばなかった。

    頼朝は義仲を殺した、義経を殺した。

    戦さに始めて正義をもちこんだのはアメリカ人である。アメリカ人は報復を報復でないように

   見せたがった。東京裁判なんて前代未聞の偽善である。

                  [Ⅷ『昔は喧嘩は両成敗だった』平7・5・4/11]」

        ( 山本夏彦著「ひとことで言う-山本夏彦箴言集-」新潮社刊 所収 )


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