今日の「 お気に入り 」は 、インターネットのフリー百科事典
「 ウィキペディア 」掲載の記事「 働きアリの法則 」 。
引用はじめ 。
「 働き蟻の法則 / 働きアリの法則( はたらきあり の ほうそく )とは 、
働き蟻に関する法則 である 。パレートの法則( 80:20の法則 )の亜種
で 2-6-2の法則 ともいう 。
概 要
働き蟻のうち 、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくる 。
よく働いているアリと 、普通に働いている( 時々サボっている )アリ
と 、ずっとサボっているアリ の割合は 、2:6:2 になる 。
よく働いているアリ2割を間引くと 、残りの8割の中の2割がよく働く蟻に
なり 、全体としては また 2:6:2 の分担になる 。
よく働いているアリだけを集めても 、一部がサボり始め 、やはり 2:6:2
に分かれる 。
サボっているアリだけを集めると 、一部が働きだし 、やはり 2:6:2 に分
かれる 。
解 説
日本の生態学者・長谷川英祐( 北海道大学 )が 社会生物学( 進化生態
学 )の見地から詳しく研究し 、一般向けの解説書を出している 。それに
よると 、働く蟻と働かない蟻の差は『 腰の重さ 』、専門的に言うと『 反
応閾値 』によるという 。アリの前に仕事が現れた時 、まず最も閾値の低
い( 腰の軽い )アリが働き始め 、次の仕事が現れた時には 次に閾値の低
いアリが働く 、という形で 、仕事の分担がなされている 。仕事が増えた
り 、最初から働いていたアリが疲れて休むなどして仕事が回ってくると 、
それまで仕事をしていなかった反応閾値の高い( 腰の重い )アリが代わり
に働きだす 。
一見サボっているように見えるアリの存在が 、コロニー ( Colony ( biology )
# Social colonies ) の存続に大きな役割を果たしている 。仮に全てアリが
同じ反応閾値であると 、すべてのアリが同時に働き始め 、短期的には仕事
の能率が上がるが 、結果として 全てのアリが同時に疲れて休むため 、長期
的には 仕事が滞って コロニーが存続できなくなる ことが コンピューター
シミュレーション ( Computer simulation ) の結果から確認されている 。
閾値が低いアリは ほとんど働かないまま一生を終えることもあり得るが 、
そのようなアリがいる一見非効率なシステムが コロニーの存続には必要であ
る 。
ここで言う『 アリ 』は『 ヒト( 人間 )』に 、『 アリのコロニー 』は
『 ヒト( 人間 )の共同体 』にたとえられる 。ここで言うサボっているの
を言いかえれば 、予備部隊( 交代部隊 )や 独立要因 に当てはまる 。
ながらく経験則に過ぎなかったが 、近年は研究が進んでおり 、例えば『 働
いているアリだけを集めると一部がサボりはじめる 』という法則は長谷川ら
が証明し 、2012年に『 Journal of Ethology 』( 日本動物行動学会 )に
論文として発表された 。昆虫の社会を研究することで 、生物のシステムに
おける共同の起源に迫ることが期待されている 。
フリーライダー( チーター )問題
一方 、閾値に関係なく 本当に一生ずっと働かないアリもいる 。これを 、
『 公共財へのただ乗り 』という意味で『 フリーライダー( 英 : free
rider )』、または 、コミュニティをだまして寄生することから『 チート
する者( だます者 、あざむく者 )』という意味で『 チーター( 英 :
cheater )』と呼ぶ 。
日本の生態学者・辻和希( 琉球大学 )が 三重県紀北町で行ったアリ社会
の研究によると 、当地にいる アミメアリ( 女王蟻がおらず働き蟻が産卵
も行なう )のコロニーには 、たまに女王蟻のような大きな個体がいること
が知られていた 。辻は『 アミメアリにも 条件によっては 女王が現れるの
だろう 』などと考えていたが 、DNA の分析結果から 、これがアミメアリ
の通常個体から生まれた女王蟻ではなく 、通常個体とは別の DNA を持った 、
働かずに産卵だけ行うことが遺伝的に決まっている 、言うなれば『フリー
ライダー 』であり『 チーター 』であることが 、2009年( 平成21年 )に
判明した 。なお 、辻は 、チーターのことを『( アミメアリの )社会の
癌 』「( アミメアリの )コロニーという『 超個体 』に巣食う『 感染す
る社会の癌 』」などと呼んでいる 。
アミメアリのフリーライダーは 、働かずに産卵だけ行い 、フリーライダー
の子蟻もフリーライダーなので 、フリーライダーがいるコロニーはフリー
ライダーが増えて滅びるが 、滅びたコロニーの跡地に新たに健全なコロニ
ーが形成される 。フリーライダーは 別のコロニーに分散するので 、アリ
の社会全体ではフリーライダーの数が一定に保たれている 。フリーライダ
ーの感染力が弱すぎると フリーライダーは 1つのコロニーと一緒に滅びて
存在しなくなり 、逆にフリーライダーの感染力が強すぎると アリ世界の
すべてのコロニーにフリーライダーが進出してアリが根絶してしまうが 、
健全なコミュニティが広がるスピードと 、チーターが広がるスピードの釣
り合いがとれているので 、働くアリも フリーライダーアリも 根絶せずに
存続している 。つまり 、通常個体とチーターが『 共存 』することが可能
になっている 。
長谷川によると 、すべてのコロニーにフリーライダーが感染してしまわない
理由は 、アリの社会が複雑であること 、専門的に言うと『 構造化されて
いる 』ことが理由であるという 。
なお 、微生物以外の高等生物では ヒトだけに存在すると思われていた
『 公共財ジレンマ 』( フリーライダー問題 )が アリ社会にも存在し
たことは 、辻和希( 辻瑞樹名義 、琉球大学 )と土畑重人( 琉球大学
〈 当 時〉cf. )が率いる研究チームが解明し 、2013年( 平成25年 )
に論文として発表したものである 。論文によると 、フリーライダーを
養うために働き蟻が産卵を止めて外に出て働き 、結果として生存率が低
下し 、言うなれば『 過労死 』していたという 。フリーライダー( チ
ーター )が進化生物学的にどういう意味があるのか 、なぜフリーライ
ダーアリがいるにもかかわらず アミメアリの共同が維持されているのか
は 現在も研究中 。 」
引用おわり 。
( ついでながらの
筆者註 :・「 チーター( 英 : cheetah 、学名 : Acinonyx jubatus )は 、哺乳綱食肉目
ネコ科チーター属に分類される食肉類 。狩猟豹( しゅりょうひょう )
や猟豹( りょうひょう )とも呼ばれた 。現生種では 、本種のみで
チーター属を構成する 。約3秒 で 時速 0キロ から 96キロ まで加速
できるとされ 、世界最速の哺乳類 といわれている 。」
・「 チーター ( 英 :cheater )
チーターとは 、コンピュータゲームの分野においては『 チート行為
に手を出すユーザー( アカウント )』のことである 。
チーターは 、『 チート( cheat )を行う者 』という意味である 。
英語の cheat は『 不正行為をして欺く 』『 イカサマをする 』と
いった意味の語である 。ちなみに動物の『 チーター 』は 英語では
cheetah と綴る 。
ゲームにおけるチーターの行為( チート行為 )は 、ゲームの種類
や目的によって多種多様である 。素朴な例としては 、プログラム
を書き換えてレアアイテムを容易に入手したり 、手持ちアイテムの
性能( パラメーター )を勝手に引き上げたり 、といった行為が挙
げられる 。ゲームを有利に進めるためにゲームの制作者や提供者の
側にとって不本意な操作を行うことは 基本的にチート行為に含まれ
るといえる 。
多人数参加型のオンラインゲームなどでは 、チーターの存在はゲー
ムの存続そのものを脅かしかねない 。運営側も チート行為は明確に
禁じた上で 、チーターが確認され次第 そのユーザーアカウントを
抹消( BAN )する等の強硬措置を講じている場合が多い 。」
・「 パレートの法則( パレートのほうそく )は 、イタリアの
経済学者 ヴィルフレド・パレート が発見した冪乗則 ( べき
じょうそく ) 。( 文系の筆者は 、ついていけません )
経済において 、全体の数値の大部分は 、全体を構成する
うちの一部の要素が生み出しているとした 。80:20 の法則 、
ばらつきの法則 とも呼ばれる 。
概 要
パレートは 所得統計を分析して 、所得分布が安定的であり 、
時代によって変化しない という結論を出した 。この結論から
は 、社会の所得格差は平等にならないが 、不平等も強化され
ないことになる 。パレートの法則 は 、関数のパラメータ
( パレート指数 )によって 所得分布を時間・空間的に比較
したもので 、貧困についての最初の数学的な研究 ともいわれ
ている 。
しかし 、パレートが発表した当時から難点があった 。
パレートの法則 は 低所得層に当てはまらない という問題が
あり 、パレート自身も認めていた 。パレートが用いた統計は
イタリアやスイスのいくつかの都市と 、プロイセン王国とザク
セン王国の税務表だったが 、資料の期間は 1880年から1890年
であり 、長期的な格差の確認には向かなかった 。また 、デー
タには格差の拡大傾向も存在していたが 、パレートは 採用し
なかった 。
パレートの法則は 1900年代に批判された 。経済学者・統計
学者の コスタンチーノ・ブレシアーニ は 、都市部や人口密
集地では 所得格差は一定ではなく 拡大する と論じた 。統計
学者の コッラド・ジニ は 、所得分布の集中を計測するには
人数と所得総額のデータが必要だとして 、パレートの法則が
妥当ではない と論じた 。パレートの批判的継承者である ジニ
は 、のちに ローレンツ曲線をもとに所得分布の指標として
ジニ係数 を考案した 。
現在は 、所得分布についての パレートの法則 は局所的に
のみ有効であるとされている 。
影 響
所得分布が変化しないとした パレートの法則 は 、パレート
自身の政治理論である エリート理論 にも合致していた 。
パレートの法則 は 、少数派のエリートによる多数派の統治を
正当化する理論 として 、イタリアのファシスト党に支持され
た 。
パレートの法則 は 、働きアリの法則 と同じ意味合いで使用
されることが多く 、組織全体の2割程の要人が大部分の利益
をもたらしており 、そしてその2割の要人が間引かれると 、
残り8割の中の2割が また大部分の利益をもたらすようになる
というものである 。経済以外にも自然現象や社会現象など 、
さまざまな事例に当てはめられることが多い 。ただし 、事例
の多くは 、法則 と言うよりも 経験則の類 である 。自然現象
や社会現象は決して平均的ではなく 、ばらつきや偏りが存在し 、
それを集約すると一部が全体に大きな影響を持っていることが
多いという現象を 、パレートの法則の名を借りて補強している
場合が少なくない 。
現代でよくパレートの法則が用いられる事象
・ ビジネスにおいて 、売上の8割は 全顧客の2割が生み出して
いる 。よって 売上を伸ばすには 顧客全員を対象としたサービ
スを行うよりも 、2割の顧客に的を絞ったサービスを行うほう
が効率的である 。
・ 商品の売上の8割は 、全商品銘柄のうちの2割で生み出して
いる 。→ロングテール
・ 売上の8割は 、全従業員のうちの2割で生み出している 。
・ 仕事の成果の8割は 、費やした時間全体のうちの2割の時間
で生み出している 。
・ 故障の8割は、全部品のうち2割に原因がある。
・ 住民税の8割は 、全住民のうち2割の富裕層が担っている 。
・ プログラムの処理にかかる時間の80%は コード全体の20%
の部分が占める 。
・ 全体の20%が優れた設計ならば 実用上80%の状況で優れた
能力を発揮する 。 」
以上ウィキ情報ほか 。 興味深い記事ばかり 。 )