今日の「お気に入り」は 、俳人 尾崎放哉(おざきほうさい、本名 秀雄、鳥取県 生まれ、1885 - 1926 )さんの
若ーい頃の定型俳句、いくつか 。
後年「 放哉俳句 」として知られる 独特の「自由律俳句」が生まれる前のもの 。
出典:「 尾崎放哉句集 」池内 紀編 ( 岩波文庫 ) ㈱岩波書店 刊 。
明治33年ないしは34年の作といいますから 、十五、六歳ころの定型俳句 、四つ 。
「 よき人の 机によりて 昼ねかな 」
「 刀師の 刃ためすや 朝寒み 」
「 虫送り 鎮守の太鼓 叩きけり 」
「 病いへず うつうつとして 春くるゝ 」
明治39年ないしは40年の作といいますから 、二十一、二歳ころの句 、六つ 。
「 煮凝りや 彷彿として 物の味 」
「 つめたさに 金魚痩せたる 清水哉 」
「 舟中に 雷を怖れぬ 女かな 」
「 寝て聞けば 遠き昔を 鳴く蚊かな 」
「 轡虫 籠ふるはして 鳴きにけり 」
「 鶏頭や 紺屋の庭に 紅久し 」
明治44年の作といいますから 、二十六歳ころの俳句? 、一つ 。
「 芋掘るは愚也金掘るは尚愚也 」