四十肩、五十肩はどう予防する? カリスマトレーナーが教える肩こりへの正しい対処法(以下、日経Goodayから一部抜粋)
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読者のみなさんのなかには、肩こりで悩まれている方も多いのではないでしょうか。
実は肩こりには大きく分けると2つのタイプがあり、それぞれ対処法が異なります。1つは首の後ろ、頸椎(けいつい)の周辺から僧帽筋上部(そうぼうきんじょうぶ)のあたりが凝るタイプ。もう1つは、肩甲骨と肩甲骨の間、僧帽筋中部(そうぼうきんちゅうぶ)が凝るタイプです。どちらか一方のタイプに当てはまる人もいれば、両方に当てはまる人もいます。
私はクライアントに「肩がこるのでなんとかしたい」と言われた場合、首が張っているのか、肩甲骨の間が気になるのかを最初に確認しています。自分がどのタイプなのかを知ることが、肩こり解消の第一歩となるわけです。
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肩こりには、首周りが張る場合と、肩甲骨の間が気になる場合の2通りがある。
首が凝る人は「フラット頚椎」の可能性あり
まずは頸椎から肩にかけての部分が凝っている場合について話をしていきましょう。この部分が凝っている人は、首の自然なアーチが失われてしまっている「フラット頸椎」と呼ばれる症状である可能性が高いと思います。
フラット頸椎の原因となるのは普段からの姿勢不良だけでなく、パソコンを使うような長時間のデスクワーク、自動車の運転時に体が前に出るような姿勢などが挙げられます。最近では長時間におよぶスマートフォンの使用もその一因となっているようです。また、生まれつき「なで肩」の人もフラット頸椎になりやすいといわれています。
日本人は比較的多いといわれているフラット頸椎ですが、病院に行って画像診断をするとすぐに分かりますので、「首回りが凝るな」と感じたら一度診断を受けるのもよいでしょう。
枕を高くするのはフラット頚椎に逆効果!
では、フラット頸椎はどのような対処をしていくべきなのでしょうか。
フラット頸椎の方は朝起きたときに首や肩に張りを感じる場合が多いので、睡眠時の枕を気にする傾向があります(肩甲骨の間が張るタイプの方は枕を変えようという発想にはなりにくいようです)。首や肩の凝りが気になって、枕を高くしてみようとしたことがある方はけっこう多いのではないでしょうか。
しかし、枕を高くすることはフラット頸椎に対して逆効果です。フラット頸椎になる要因として先ほど挙げた、長時間のデスクワークやスマートフォンの利用シーンを思い浮かべてください。首の後ろが伸び、やや前屈みの姿勢になっていることが多いかと思います。フラット頸椎は本来あるべき自然な頸椎の彎曲が失われてしまい、真っすぐになってしまっている状態です。枕を高くして寝ると、ますますそれを助長してしまうのです。
ですので、フラット頸椎の方は寝るときに枕を高くするのではなく、外してみることをおすすめします。枕の代わりにバスタオルをくるくると巻いたものを首の下に置き、首に彎曲を作るようにする。タオルの最適な厚さは個人差がありますので、ご自身で調整してみてください。私のクライアントでこれだけで首や肩がラクになったという方は多いので、一度試していただきたいと思います。
それから、首をこまめに回したり、ストレッチをしたりすることもおすすめ。ついつい指で首を押したり肩を叩いたりしたくなると思いますが、根本的な解決にはなりません。まずはタオル枕とストレッチにトライしてみてください。
肩甲骨の間が凝る場合は、胸を伸ばす!
もう一つの肩こりのタイプが、肩甲骨と肩甲骨の間、僧帽筋中部が張るというもの。このタイプの場合は、僧帽筋中部の真下にある背骨と肩甲骨をつないでいる菱型筋(りょうけいきん)と呼ばれる筋肉が緊張してしまっていることがほとんどです。
例えば、パソコン作業でキーボードを打ち続けているような場合。肩は前に出て、菱型筋はずっと引っ張られている状態になります。一方、胸の筋肉は収縮していることになります。
ですから「肩甲骨回りが凝る」と感じたときには、胸を伸ばして肩甲骨を寄せるようなストレッチをする必要があります。肩甲骨の回りに凝りや張りを感じるとついついその部分を伸ばそうとしてしまいがちなのですが、それでは効果がありません。肩甲骨回りに凝りを感じたら、後ろで手を組んで胸を張り、肩甲骨を寄せて胸の筋肉を伸ばすストレッチを行ってください。
ちなみに、腰に張りを感じたときになんとなく腰を反っている方がいらっしゃると思うのですが、この場合、伸びているのは腰ではなく腹筋です。腰の回りの筋肉を伸ばすには、前屈をする必要があります。しかし体が硬い方が立った状態でいきなり前屈をすると腰椎の靱帯に負担がかかる場合があるので、仰向けの状態から両膝を抱えるようにして腰を丸めてあげると良いでしょう。伸ばすべき場所とその方法があべこべになってしまっている方が案外多いので、ご自身のストレッチをこの機会に一度見直してみてください。
四十肩、五十肩はどう防ぐ?
肩こりとは少し違うのですが、四十肩、五十肩といわれる症状があります。これは別名“フリーズショルダー”ともいわれ、基本的には肩を使わないことに原因があります。年をとったからではなく、長い間使わないからフリーズしてしまうのも大きな要因の一つです。
四十肩、五十肩を予防するには、肩の屈曲、伸展、回旋という動作を定期的に行うことが重要です。しかし、よく運動をしている人でも四十肩、五十肩になることがあります。それはなぜでしょうか。
原因は同じく“動かしていないから”なのです。例えばランニングを定期的に行っている方がいるとしましょう。ランニングには肩を前後に振るような動作はありますが、大きく回すような動作や、ドアノブを回すときのようなひねる動作がありません。よってランニングをしていてもフリーズショルダーになる可能性があるのです。
肩をよく使っているように見えるラケット競技をされている方でも、ラケットを握らない側の肩が動かなくなってしまうことがあります。屈曲、伸展、回旋を左右ともに意識して動かさないと、運動頻度が高い方でも、四十肩、五十肩になるおそれがありますので注意してください。
もし四十肩、五十肩になってしまった場合は、痛みがない範囲で少しずつ可動域を大きくしていく地道なリハビリが必要になります。そうならないためにも普段から肩を動かすことを心がけていただければと思います。 』
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