2月18日の弊ブログにて、
『毎日新聞の記事で、「社会主義体制だった旧ユーゴスラビアの解体は
最終章を迎え~云々」とありますが、本当に最終局面でしょうか。
ボスニア=ヘルツェゴビナには、いわゆる「ボスニア=ヘルツェゴビナ政
府掌握地域」以外に「セルビア人共和国」地域が大きな面積を占めてい
ますし、セルビアには、「(旧)コソボ自治州」の他に、ハンガリー系
住民が多く住む「ボイヴォディナ自治州」があります。ボイヴォディナ
では今の処それほど目立った民族主義的活動は見られぬものの、ボスニア=
ヘルツェゴビナの2勢力は10年ほど前に民族浄化する為に、モスレム・
クロアチア人連合対セルビア人で激しく内戦を繰り広げた間柄。そう易々
と恨み辛みを鎮静化させているとも思えません。いつか分離独立しちゃろー
とセルビア人たちがその気持ちを蓄積させている可能性、かなり大では...
「ユーゴスラビア分裂の最終章」と早くも結論付けてしまう記事は、ち
と時期尚早に過ぎやせんか、と思います。』
と書きました。
で、早くもその予想に沿ったボスニア=ヘルツェゴビナの動向を、よりに
よって毎日新聞が伝えています。
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<コソボ>独立宣言に反発 ボスニアのセルビア人も独立?
2月22日22時55分配信 毎日新聞
【ベルリン小谷守彦】セルビアからの報道によると、隣国ボスニア・
ヘルツェゴビナ北部のセルビア人共和国(スルプスカ共和国)議会は21
日、コソボ独立に絡み「欧州連合(EU)の多数の国が(コソボの)独
立を承認するなら、我々にも(ボスニアからの)独立の是非を問う住民
投票をする権利がある」との声明を採択した。
ボスニア・ヘルツェゴビナは「デートン合意」(95年)以来、ボス
ニア連邦とセルビア人共和国が並立している。セルビア人共和国はコソ
ボの独立宣言に強く反発しており、中心都市バニャルカでは21日、デ
モの市民らが米領事館を襲撃しようとして警官隊に阻止される騒ぎが
あった。
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民族・宗教・文字等々、平時でさえ穏便穏当に共存するに軋轢が発生し
かねない2者が、数百年間の怨讐の後に数年の内戦を経て、表面的には
ようやく争いの無い状態になっただけ、なボスニア=ヘルツェゴビナです。
近隣で、何がしかの火種が発生するならばすぐにでも再点火してしまう
「ヨーロッパの火薬庫」のさらに中心部なのですから、たかだか数年間
の平穏な時期があろうとも、そうそう簡単には民族和解などできようはず
がない、などと言うとあまりに悲観的そして対岸の火事的、でしょうか。
オスマン=トルコが占有しイスラム化したボスニアのモスレム人や幾つか
の国に分かれて住むアルバニア民族は、北はクロアチアのカソリック、東
と南は東方正教に取り巻かれ、キリスト教徒の大海に浮かぶイスラムの
小島の様相です。
クロアチアやスロヴェニアのカソリックを支援する西欧各国と米国、東方
正教に肩入れする(ポーズを取っている様に見える)ロシア、に挟まれ、
中近東のイスラム社会の肩入れこそ少々はあれど、基本的に孤立無援の
ボスニアのイスラム教徒たちです。
10年前のボスニア内戦の際は旧ソ連が解体し新生ロシアが宣言されてから
間もない、ロシア最弱の時期でしたので、ボスニアのセルビア人や当時の
ユーゴスラビアは明確なバックアップの無い中で、民族紛争で対立するイス
ラム教徒を徹底的に弾圧する処までのめり込めませんでした(と、言っても
「民族浄化」と称されるジェノサイド(地域皆殺し)行為は頻発していました
が)。
ところが、2008年前半の現時点、復興なりつつあるプーチンのロシア
は、30年前のブレジネフ政権下の旧ソ連を彷彿とさせる強気な帝国主義
的姿勢を見せ始めています。
同じスラブ系民族で成り立つ国家(ロシアは東スラブ系・セルビアは南スラブ
系)であるとは言え、人的経済的繋がりがそれほどあるとも思えないセルビ
アに対して、ロシアは過剰なまでの傾斜を見せつけています。国家としての
その動きは、この地域内で、そして国連においてもロシアの存在感を弱小国
たちに恐怖感で増幅しつつ印象付けさせることを目的としている様に思えま
す。
今、もしボスニア内戦が再発してしまうとするならば、ロシアの支援を受け
強気になったセルビア民族主義対モスレム人・クロアチア系連合が行なう
ことになるだろう争いは、10年前の内戦を凄惨さではるかに凌駕する可能
性さえ孕んでいます。
米国の論理に全世界が振り回される現在の世界情勢の中で、一定以上の
ステータスをアピールしておきたい、との意味合いでロシアはセルビアに
肩入れしているわけですが、それがボスニア=ヘルツェゴビナでの民族間
対立を助長し、(結果として)彼の国をさらに細分化することになりそうな
そんな気がしています。
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