地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

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肝臓・胃由来のiPS細胞作製が成功したとの報道から思うこと

2008年02月24日 18時14分10秒 | 時事ネタ


「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」 関連の新しいニュースが入ってきてい
ましたが、コソボ情勢にばかり目を奪われており、全く気づきませんでした。

既に旧聞に属するかもしれませんが、一記事転載します。

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マウスの肝臓・胃から「万能細胞」 京大・山中教授

2月15日9時45分配信 産経新聞

 あらゆる細胞に分化する万能性を持つ「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」
を、ヒトの皮膚細胞から世界で初めて作った京都大学再生医科学研究所の山中
伸弥教授らの研究グループが、同じ手法で成体マウスの肝臓と胃の細胞から
iPS細胞を作ることに成功、マウスでの実験成果を15日発行の米国科学誌
「サイエンス」電子版に掲載した。

 iPS細胞の作製には、がんを引き起こすとされるレトロウイルスを使うが、
肝臓や胃からできたiPS細胞は皮膚由来のものより、レトロウイルスが細胞
内の染色体に入り込むことが少なく、がん化の危険が低いことが判明。iPS
細胞を使ってヒトの臓器や骨などを作る再生医療の実用化に向けて一歩前進し
た。

 これまでヒトやマウスの皮膚からiPS細胞の作製に成功した研究グループ
は今回、レトロウイルスを使って万能性に関係する4つの遺伝子をマウスの肝
臓と胃の細胞に導入。iPS細胞ができる確率は、ヒトの皮膚で作る場合と同
じ0・1%以下だったが、レトロウイルスが細胞内の染色体に混入する割合は、
ヒトの皮膚の4分の1以下に抑えられたことが分かった。

 一方、遺伝学的な解析をした結果、マウスの肝細胞そのものがiPS細胞に
変化したことも判明。これまでは細胞に混在する未知の未分化細胞がiPS細
胞の素になるとの説があったが、この解析結果でこの説の可能性はほぼゼロと
確かめられたという。

 山中教授は「さまざまな細胞からiPS細胞を作れる可能性がわかった。実
用化へのゴールは遠いが、安全な細胞の作製に向けて前進した」と話している。

                      ◇

■臨床応用へ前進

 再生医療実現に期待が集まる人工多能性幹細胞(iPS細胞)の最大の課題
は、人体への安全性だ。京都大の山中伸弥教授が、より安全に作製できる可能
性を示したことは、臨床応用に向け一歩進んだ成果といえる。

 作製に使われる「レトロウイルス」は発がんの危険があるため、海外ではこ
のウイルスを使わない手法の研究が盛んになっている。ある専門家は「米国の
製薬企業系の研究所が、化学物質を使う新たな手法を開発したとのうわさもあ
る」と競争の激しさを明かす。

 操作に必要な遺伝子の数も、当初の4種類から、がん関連遺伝子を除いた2、
3種類で十分との見方が固まりつつある。

 実際に移植医療に使えるようになるにはまだ時間がかかりそう。だが最小限
の手を加えるだけで万能細胞をつくる試みが重ねられ、安全性確保に向けた基
盤ができつつあるのは確かだ。

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ブッシュ大統領は先ごろの一般教書演説で、iPS細胞の研究促進に財政支援を
惜しまないと表明しました。7~8年前の段階では受精卵を壊して作成する
ES細胞の研究促進に対して、その倫理性の危うさから反対していたのと全く
正反対の対応となりました。

iPS細胞での再生医療の分野で、米国の医科学産業界が世界的イニシアチブを
取る、との意思を表明したのと実質的には同じことです。

重要な先端技術分野において、技術を他国より先行させ、特許&基本技術取得
権で分野全体を支配する手法は米国ビジネスのスタンダードですが、日本が
発祥の地であるこのiPS細胞応用技術についても触手を延ばしてきています。

現在、日米の研究機関や医薬プロパーがiPS細胞応用研究に躍起になっており、
僕が知っているだけでも、歯・皮膚・角膜・心筋などの再生に成功するか研究
に目途を立たせつつある段階にきています。

ただし、現段階での課題の一つに「がんを引き起こすとされるレトロウイルス
を使って皮膚由来のiPS細胞を作製せねばならぬ」点が挙げられます。

これを皮膚細胞ではなく、胃や肝臓由来の細胞を使用することで、細胞の「が
ん化」確率を低下させる試みがマウスにて成功した、との知らせでした。


日本と米国の先陣争いがこの分野の研究スピードを早めることになるのならば、
大歓迎すべきこと。願わくば、日本の研究機関が主導権を握りつつ、臨床応用
出来る時点が少しでも早く訪れます様に。

だだ、現在の臓器移植や新薬投与に関する事例から想起するに、日本が主導
権を握ってしまうと許認可のスピードが途端に鈍ってしまう可能性も残念ながら
考えられますし、そうなると、米国に主導権が移動してしまう方が良いのか、な
どとアイロニカルに思ってしまう部分が悲しかったりします。



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