地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

国内の竜巻発生パターンについて考える

2012年05月08日 16時42分03秒 | 時事ネタ


一昨日、茨城県南部・栃木県南部にほぼ同時間帯に3~4本の竜巻が発生
しました。

暑くなりつつある5月の午後、地表付近は太陽に炙られて気温は上昇気味。
その上に北西からの寒気が吹きおろし、境界面付近に巨大積乱雲(スー
パーセル)が発生したことが要因として挙げられます。スーパーセル南東端
に近いあたりに3~4本の竜巻が発生したものと考えられます。

竜巻発生といえば、何といっても合衆国のプレーリーやグレートプレーンズ。
時期は4~6月が多いとのこと。今回の一連の竜巻発生と合衆国の多発事
例とを関連させつつ、発生要因について考えてみました。


(1961~2010年の竜巻発生分布図。気象庁HPより)

多発地について見てみると、

●沖縄本島:多⇔奄美大島&屋久島:少
●北日本の日本海側海岸沿い:多⇔同太平洋側海岸沿い:少
●関東より西の太平洋側海岸沿い平野部:多⇔同海岸沿い山岳部:少
●押しなべて言うとするならば平野部に発生

極く粗っぽく分別するとこんな感じか。

さらに気象庁HPの竜巻等の突風データベースを読み込むに、

●4~5月の寒気の流れ込み
●7~8月の熱気からの強い上昇気流
●夏秋の台風による強い南東風
●冬の季節風による大気の擾乱

この4つが発生原因として最も強く出ているように見受けられます。

今回の竜巻群発については、日本一の大平野である関東平野の比較的海
岸線に近い地域で、気温が上がり気味となる12~15時頃、この時期にまま
ある、冷たい気団が分水嶺を超えて来襲し地表付近の温かい空気と触れ
合って、激しい上昇気流を生んだことに拠ると思われます。竜巻・ダウン
バースト・降雹・落雷などの激しい気象現象を発生させる為の典型が揃った
ことにより起こるべくして起こったと言えるのではないでしょうか。

上に書いた合衆国での発生事例の多くについては、4~6月の温かくなりつ
つある午後の地表付近の暖気の上にロッキー山脈からの寒気がのしかか
ることによりスーパーセルが発生し、巨大竜巻出現となるとのこと。規模こそ
違え、今回の北関東の事例に通ずるものがあります。

上の竜巻発生分布図で如実に現れた北日本の日本海側と太平洋側の発
生頻度の違いについては、日本海側発生事例の多くが、冬の季節風に拠
る大気の擾乱を挙げることができますが、沖合を流れる海流の違いも多少
影響しているかもしれぬと考えます。日本海側に流れるのは対馬暖流、太
平洋側は寒流である親潮。シベリアからの冬の冷たい季節風と対馬暖流か
ら立ち昇る湿気の組み合わせが日本海側の豪雪を呼ぶことはつとに有名
ではありますが、寒気と暖流との大きな温度差が海岸沿いの竜巻発生要因
の一つとなっているのかもしれません。

沖縄本島に多く奄美に少ない、屋久島などは全く発生が確認されていないと
いうのも、また発生の偏在性を強く現わしているもの。高い山や複雑な地形
の無い、言わば「平たい」島に多く発生する傾向にあることが伺えます。

西日本の太平洋側平野部に多く発生しているのが見られますが、台風が通
過している際に進路の東側に位置する海岸沿いの平野部で竜巻が多く発
生することによります。2006年9月に九州の西側を通過した台風13号により
宮崎県延岡市で竜巻が発生し大被害となった事例がありましたが、それなど
がこの典型。
あの時は延岡市以外でも宮崎市・日南市で竜巻、臼杵市でダ
ウンバーストが発生していました。いずれも、東・南東が海に開けているもの
のそれ以外の三方は山に囲まれた小平野への、海からの強い南東風に拠
ります。

真夏午後の地表付近の熱気が強い上昇気流を生み、上空の冷気に触れて
発生する積乱雲からの竜巻については、6年前の盆休みに僕自身が確認し
ています。竜巻多発地帯の一つである筑後川河口に近い佐賀平野で発生
したもの。
北に脊振山地の冷気を持ち、南に熱され湿った空気を貯め込ん
だ有明海のある佐賀平野や、それに似た地形要素を持つ濃尾平野南東部
・浜名湖付近にこのパターンの竜巻発生が多いようです。


関東平野は我が国有数の竜巻多発地帯です。明日明後日あたりの悪天候
下で、さらに竜巻発生となる可能性があり、厳重な警戒が必要かと。



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