国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

たまにはこんな日があってもいいだろう

2010年11月24日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
日々の音楽鑑賞は身体の状態に応じて変わってくる。
長く、集中力を要するものはやはり身体の調子がいいときでないと聴けない。
もちろん不意に降りてくる感覚を期待することもできるが、
聴く気がなければそもそも音楽は「馬耳東風」である。

身体が疲れているときなどは、刺激の少ないものが聴きたくなる。
病気の時に胃に優しい食べ物を食べるようなものだ。
そんな1枚が今日のスティーブ・キューンの『モーストリー・バラード』である。

僕は一度スティーブ・キューンを生で聴いている。
エディ・ゴメスと一緒に来日したとき、
エディ目的で観に行ったときのピアニストがスティーブ・キューンだった。
そのころはキューンがそんなに有名なピアニストであるということでさえ知らず、
エディと白熱する演奏を繰り広げて、ジャズライブの面白さを知った。
後日、スティーブ・キューンがかなりの有名な人であると知り、
まだまだ勉強不足であると感じたものだ。

この『モーストリー・バラード』は、大半がキューンのソロ演奏である。
そのタイトルの通り有名なスタンダード曲を取り上げ、それを丹念に演奏している。
「ラウンド・ミッドナイト」「ラヴァー・マン」「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」など
ジャズを聴いたことがある人ならほとんどが名前を聞いたことがあるような曲だ。

スティーブ・キューンといえば、ビル・エヴァンスのように耽美的な演奏で知られる。
何の気無しに気張らずかけても、すっと音が空気中に消えていくかのように儚い。
だが1音、1フレーズごとにキューンの技量が発揮されている。
普通に曲を演奏するのではなく、その曲の空間に音をはめ込み、
それをさらりと聴かせるのだ。

本来疲れた身体に過激なジャズでエネルギーを蓄えたいところだが、
たまにはこんな緩やかな時間があってもいいだろう。

11月23日(火)のつぶやき

2010年11月24日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
00:26 from Samsung Mobile
ドン・チェリーの『オーガニック・ミュージック・ソサエティー』はいつも不思議な世界に僕らを連れていってくれる。
10:50 from Samsung Mobile
ジョニ・ミッチェルの『コール・アンド・スパーク』で今日の活動開始だ。
11:30 from Samsung Mobile
『ゲイリー・バートン&キース・ジャレット』意外にもファンキーな演奏もある。
13:15 from web
デューク・エリントンの『ザ・グレイト・パリズ・コンサート』。1曲目のデュークのソロピアノから「ロッキン・イン・リズム」への流れは最高! ジョニー・ホッジスもGJだ!
13:28 from web
コールマン・ホーキンスの『ザ・ハイ・アンド・マイティ・ホーク』。引き締まったテナーの音がいいねぇ。
13:29 from web
さて、コーヒーでも飲みに行くか…
14:48 from Samsung Mobile
ようやくコーヒーゲット! これって軽い中毒?
16:16 from Samsung Mobile
プルーストの『失われた時を求めて』をここ2年ぐらい読んでる。まだ六巻だ。いったいいつ読み終わるのか?
16:42 from Samsung Mobile
朝鮮半島で何か始まった!
22:51 from goo
この魅力を知ってこそのジャズなのだ。 #goo_toyokoba1030 http://blog.goo.ne.jp/toyokoba1030/e/4a2251e0c7567601a16ec1a2f65501b4
23:04 from web
マクリーンの記事だと何かスラスラと書けるなぁ~。それだけマクリーンには魅力があるって事なのか?
23:29 from Samsung Mobile
再度ジョニ・ミッチェルの『コート・アンド・スパーク』を聴く。ジョニの歌声は、まるで砂漠にこぼれ落ちる水のごとく瑞々しい。
by Cobaaco on Twitter

ジャズを長く楽しみたいのなら…

2010年11月23日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
人生何にそんなに迷うのか?
このジャケットを見ているといつもそう感じてしまう。
目をつむり、顎をグッと突き出し、左手で軽く撫でる。
右手はアルトサックスが握られている。
ジャッキー・マクリーンの『ア・ロング・ドリンク・オブ・ザ・ブルース』である。

ジャッキー・マクリーンのアルバムは、ある意味ジャズの試金石になると思う。
ジャズの名盤本には必ず欠かさず載っている人だ。
だが、その名前はジャズ聴き始めの人には決して巨匠といった感じではない。
しかも選んだアルバムによっては、
マクリーンのアルトが恐ろしく退屈で、なおかつ躓きを覚えてしまうだろう。
少なくとも僕はそうだった。

初めて買ったマクリーンのアルバムは『スイング・スワング・スインギン』だったが、
あまりの退屈さにすぐに他のアルバムに変えたものだ。
ところがいったんその魅力を覚えると、
今度はマクリーンの全てが愛おしく感じるから不思議だ。

とはいえ、すぐに感覚をつかませないのがジャズのいけずなところでもある。
神保町のジャズ喫茶『BIG BOY』で、
『ア・ロング・ドリンク・オブ・ザ・ブルース』を初めて聴いたとき、
すぐに退屈さを覚えてしまったのだ。
そこから「マクリーン聴き地獄の特訓」が始まるのだが、
そのおかげか今では「マクリーン=とにかく聴かなければいけない」と
身体が反応するまでになっている。

さて、このアルバム、実はA面よりもB面を聴くべきだ。
A面はタイトル曲のテイク違いが入っている。
ところがB面はマクリーンのワンホーンにリズムセッションがついたものだ。
マクリーンの魅力ここに極まれりといった具合にその響きを楽しめる。
しかもピアノはマル・ウォルドロンと哀愁感が十二分に漂っている。

ジャズを長く楽しみたいなら、まずマクリーンを楽しむべし。

11月22日(月)のつぶやき

2010年11月23日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
06:50 from Samsung Mobile
今朝は寒さはそんなに厳しくないけど、雨が降りそうな曇り空。
07:22 from Samsung Mobile
朝からスタンリー・タレンタインの『ブルー・アワー』。渋い!
07:38 from Samsung Mobile
ジョーヘンの『アワ・シング』。ジョーヘン節の炸裂だ。どことなく不安定な部分があるなぁ。
18:59 from Samsung Mobile
バスへとダッシュ! 滑り込みセーフ!
21:22 from Samsung Mobile
『鋼の錬金術師』がいよいよ最終巻だ。
21:59 from Samsung Mobile
佐藤泰志の『海炭市叙景』をようやく
読み終わった~
23:48 from goo
スティーブ・コールマンの音楽は何も考えずに聴くのがよい。 #goo_toyokoba1030 http://blog.goo.ne.jp/toyokoba1030/e/2c1fd2f0b1b59c9358ea11c7421cc504
by Cobaaco on Twitter

理論理屈よりも耳でしっかりと聴きましょう

2010年11月22日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
一聴するとジャズは難しいもののように思える。
ついついクラシック的な学習が必要な音楽だと思いがちで、
やはり敷居の高さを感じてしまう。

確かにジャズはそんな気遣いをさせる一面がある。
だが、何だかんだ言ったって結局は聴いたアルバムから音が
耳から身体に電気のように走り抜けなければジャズを聴いている意味はないだろう。
そしてジャズにはそういった身体中の血を沸騰させてしまうかのような
リズムを持つものが多い。
「難しい、難しい」とうなるよりもとりあえずまず聴いてみることから始まるのだ。

今日の1枚はスティーブ・コールマン・アンド・ファイブ・エレメンツの
『ハーベスティング・センブレンシス・アンド・アンフィニティーズ』である。
グループ名とアルバムタイトルで十分2行も使ってしまうから、
取っつきづらさも感じてしまうかもしれない。
ましてジャケットには占星術記号と八卦が描かれている。
何のオカルトな音楽かとも思ってしまうだろう。

スティーブ・コールマンとくると例の「M-ベース理論」というヤツが出てくる。
だが正直そんなものは気にする必要は全くない。
CDをセットしたら、まず1曲目の「アッティラ02」から聴いていってほしい。
いきなりのヴォーカル入りにこれまたびっくり。
全編を通してジェン・シューがヴォーカルを担当しているのだが、
その声とアルトやトランペット、トロンボーンの絡みが
何とも言えないほどしっくりときている。

コールマンのアルトには気負った部分もなく、
まるで自然であるかのように音を組み込んでいく。
まぁ、それが「M-ベース」なのかといわれれば、そんなものなのかもしれない。
だがそんな理論よりもとにかく声、ホーン類、ベース、ドラムに耳を向けるべきだ。
そこには表情豊かに広がる音だけの世界が待っている。