国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

メロディーの泉を見つけろ!

2010年04月11日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
音楽を聴く上でどうしても求めてしまうのはメロディーだ。
流行歌には必ず頭に残るメロディーがあり、
CMなどではそれを効果的に使って
視聴者に印象づけをしたりもしている。

ところがジャズの場合はそうはいかない。
何せ即興演奏がウリの音楽である。
まぁ、実質は練習で生み出されたメロディーや
昔の人のデッドストックを使ったりしながらアドリブをつないでいくこともある。
それこそパーカーのように毎夜毎夜
人の心にガツンとくるメロディーを生み出していくのは
そう生やさしいことではないだろう。
(パーカーにしてもある程度決まったフレーズがある)

音楽を聴く上でやっぱりメロディーというのは大切な一要素であることは否めない。
フリージャズにふれているから
メロディーがなくとも「ジャズ」と言われれば、
とりあえずは「…なるほど」と思い
何度か聴き返しては聴き所を見つける努力をする。

だが豊富なメロディーをもった人もいる。
ウェイン・ショーターなどはその最たる人であろうが、
僕はそこにもう1人、クリス・ポッターを置きたい。

最近注目を集めているクリス・ポッターは、
ショーターと同じテナー奏者だ。
その演奏はどこから湧き出ているのか豊潤なメロディーの泉である。
抑えた息づかいでありながら、そのアドリブはとてつもなくメロディーになっている。
アドリブだからすぐに音は流れていってしまうのだが、
その時に生まれるインパクトは大きく
もう一度聴きたいという思いになる。
おそらくメロディーの創作に秀でているだけではなく、
ポッター自身の卓越したリズム感にもその秘密があるような気がする。

『アンダーグラウンド』
ポッターの独壇場だ。
終いにはビートルズの「イエスタディ」まである。
こういうアルバムは見過ごしちゃいけないだろう。