国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

急にミンガスが聴きたくなったわけで

2010年02月02日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
どうも今日は眠い。
朝から何度あくびを噛みしめたことか。
しかも今朝はやんではいるものの雪模様。
交通機関の遅れが心配で通常よりも早く起きて、職場に向かったから疲れてだっている。
こういう日はジャズを聴こうという気持ちがわき上がらない。
いくら好きなものでも体調が万全でないと面白く感じられないものだ。
ブログをほったらかして、さっさと寝ようかとも思ったのだが、
やっぱり音楽なしでは何となく物足りない。
そんなわけで唐突にミンガスが聴きたくなってきた。

ミンガスといえばあの「怒り」のミンガスである。
某相撲取りのようにふてぶてしい表情でこちらを見つめ、
メンバーのみならず観客まで罵倒するあのミンガスである。
そんなイメージ先行型のミンガスであるが、実はかなりの神経質なのではないだろうか。

コロンビアの『ミンガス・アー・アム』では、
7名というビック・バンドと言うには少なめのメンバーで、
ビック・バンド以上の深みのある音楽を作り出している。
しかもどの曲もカッチリとした演奏になっていて、
ちょっと聴きでもそのメロディーの心地よさと
各楽器の混じり合うどす黒さがプンとするようなサウンドになっている。
即興的というよりもしっかりと作り込んであるのだ。
となればミンガスがどれほどメンバーに練習をさせて
録音に臨んだのかが知れてくるだろう。

名曲「グッド・バイ・ポーク・パイ・ハット」は、
マイナーで陰鬱なメロディーは哀愁漂うものであるが、
どこかユーモラスで、ただ暗さだけを残さない。
そう、ミンガスの曲はユーモアーに溢れているのだ。

おそらくぶっとい指で全体を引き締めるようにベースの弦を弾いていたのだろう。
自分の思いを託した曲を正確に残すためにメンバーを脅しながら…
そんな表情がミンガスの「怒り」の正体なのかも…