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避難住宅問題。いくつかの市議会意見書(案)を紹介

2016年05月08日 17時22分49秒 | 避難住宅打ち切り問題
原発事故避難者の住宅問題、いくつかの市議会意見書(案)を紹介

ここ1年ほど、住宅問題に関し、地方議会で「意見書」を提出しようという動きが出ています。先日は千代田区議会の意見書を紹介したが、6月議会も近いので、文案の参考に、打ち切り方針が発表された昨年6月以降の他の市議会の意見書をいくつか紹介したいと思います。

つくば市議会では、避難用住宅の支援(無償提供)の打ち切りを撤回するよう求める意見書を可決しています。帰還政策も批判していますし、微妙な読み方になりますが避難用住宅の複数年延長も示唆しています。避難者側の要求の根幹部分が入っている点が評価できます。

佐倉市議会も、国と福島県にあてて、「(仮設住宅の)供与期間の延長においては、2017年3月末をもって、避難指示区域外からの避難者に対する供与を打ち切る方針としないこと。」等を求める意見書を全会一致で可決しています。

新潟市議会は、借上げ住宅の打ち切り方針に対し、複数年延長の意見書を全会一致で可決しました。打ち切りではなく、「延長」なので、普通に読めば、無償住宅の延長という趣旨になります。自民・公明両党も賛成に回っています。

郡山市議会も、福島県の区域外避難者の避難元の1つですが、時期を明示しないものの、「自主避難者(区域外避難者)への避難先での住宅の無償提供を継続すること」を内容とする意見書を全会一致で可決しています。前文では、2016年度での住宅提供の打ち切りに触れており、その後の継続を意味することは文脈から明らかな内容となっています。

一方、三鷹市議会は、「収入要件、期間、補助率等も含めて福島県と協議の上、見直す」という文案で、避難用住宅の打ち切り・有償化を前提とした意見書案を提出しました。にもかかわらず、自民・公明等の反対多数で否決されました。有償化の意見書案なら可決できるというのは、甘い考えです。有償化の意見書を可決した自治体もありますが、それについても与党が否決に回ったケースがあります。有償化の妥協案だからと言って、それに自民・公明両党が乗るとは限らないし、むしろ乗らないケースが目立っています。

結局、正面から避難用住宅の打ち切り撤回・延長を求める意見書でも可決されうる。逆に、有償化を認めた意見書案で妥協しても、可決は約束されません。要は、各議会での審議、当事者団体の働きかけによって、いろいろ変わってくるのです。ですから、余計な気を回さずに、避難者の大多数の意向に沿った「打ち切り撤回・延長」の意見書を求めていくのがスジだと思います。

つくば市議会「原発事故避難者の住宅支援の継続を求める意見書」(平成27年6月30日)
http://tsukuba.gijiroku.com/voices/GikaiDoc/attach/Ik/Ik166_h2706ikensyo5gou.pdf

佐倉市議会「原発事故による自主避難者への避難先住宅の無償提供の継続を求める意見書」(平成27年7月7日)
http://sakurashigikai.gijiroku.com/g07_IkenView.asp?SrchID=371&bunrui=&kword1=&kword2=

新潟市議会「自主避難者に対する住宅支援についての意見書」(平成27年7月2日)
http://www.city.niigata.lg.jp/shigikai/index_honkaigi/gian/h27_31_honkaigi_gian.files/27_09.pdf

郡山市議会「自主避難者(区域外避難者)への避難先での住宅の無償提供の継続を求める意見書」(平成27年6月定例会で可決)
https://www.city.koriyama.fukushima.jp/683000/gikai/ikensho.html

三鷹市議会「原発事故避難者への住宅支援の継続を求める意見書」案(否決された)
http://www.gikai.city.mitaka.tokyo.jp/activity/pdf/2016ikensyo10.pdf

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