なんとかしてきてなんとかなった

つれづれなるままに、つぅつぅれろれろ

少し前にコラムで読んだ「果物売り」

2014-09-18 20:31:55 | 日記

ワタミのおかげで、世の中に「ブラック企業」という言葉が認知された。
ブラック企業に共通するもの、「長時間労働」「サービス残業」「法令不遵守」基本的なのはそんなところかな。

コラムで読んだのは、駅前で果物を売り歩く若者がいるらしい。
うちは田舎だし、果物は売るほどその辺にあるから見たことはないけど、その実体がなかなか黒い。
日給1万円とかで人を集め、市場で安く仕入れた果物を若者に持たせて売り歩かせる。しかも、ほんとうは完全出来高制で、売れないとそれまでだ。
バイト達はそれぞれチームを組まされ、チームごとにリーダーを作りその売り上げ個数で,リーダー以下の待遇も上がっていく。
成績優秀ならば一地域任されるような立場になれるという触れ込みだ。
がぜん張り切るリーダー、バイトにやる気を求めてくる。
この仕事はやれば自分に返ってくる、やりがいのある仕事だ、と思わせる。

「やりがい搾取」というやつだ。
この「やりがい」というのはブラック企業を擁護するような人たちが必ず使う。
「仕事はお金のためだけじゃない」と
ある意味そうだよね・・・・などと思った人は搾取されることになるかもしれない。
「仕事はお金のためにするべきだ」「お金を得るために仕事をするべきだ」が正解。
「やりがい」や「生きがい」は仕事以外で見つけるべきだ。

自分にあった仕事を探す、とかやりがいのある仕事、とか言っている若者をよく耳にする。
世界中探してもそんなものはない。「仕事」と名がつけば、それは辛く苦しく面白くないことに変貌する。
少なくとも人様から対価を頂く、という事は自覚と責任がつきまとう。お気楽にできるようなら矜持がたりないプロではない。
だから、ネットビジネスと名前のついた詐欺まがいな事でまかり通ってる。
とまぁ、この二つが複合して「やりがい」を搾取するシステムになってしまう。
だから、やりがいと仕事は分けなければならない。

常々思ってることだけど、ワタミなんかの社訓っぽい精神論って昔のオウム真理教の手口にそっくりなんだよね。
自己変革とか自己啓発だとか、なにかプラスイメージだけを先行させて、その実、徹底的な自己否定と自己破壊、その後に都合のいいような理念をすり込んでいく。
いったん壊されてまっさらになった自己の中にはその理念だけが世界のすべてになり、その理念のトップの思想だけが価値のあるモノだということになってくる。
そのため段階的にステージを上がっていくという、足下しか見せない手法、周りの信者(笑)との競争心なんかも都合良く加味しながら、志願奴隷を作り上げる。

奴隷がいればトップは安泰だ。奴隷はそのうちに鎖自慢を始める。しかも伝染する。

失業率やら、ワーキングプアやら、生活保護やら、ニートやら。
月に10数万円で「やりがい」を人質に取られ、人生を食いつぶしてる人たち。
その上にアグラをかいて、「人生」を説く人たち。
なにか日本はどんどん悪い方向に行っている気がする。

若い人たちに言いたい。
「やりがいは仕事以外で見つけろ」
でないと人生を無駄に過ごすことになる。


あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。
クリエーター情報なし
東洋経済新報社


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