無国籍、といってもエースのジョーが出てくる話ではない。
最近、行方がわからない子供の話題がニュースでもあっていた。
「所在不明な子供」と言われるのは、住民票はあるのだけど、乳幼児健診や予防接種、などを受けず、小中学校にもいっていない子供の事。
YhooNewsでは5月時点で全国で2900人だと厚生労働省の調べでわかったという。
実は去年文科省でも「所在不明な児童」という小中学校に行っていない子供の数を調べてる。
こちらは1200人くらい。
どちらにせよ、約3000人の子供の行方がわからない。必要な免疫も基本的な教育も与えられずに、生きているか死んでいるかもわからない。
平和で安全で貧富の差がさほどない、そうイメージされてきた日本国、なんだか嫌な気になる話だ。
しかも正確な数なんかたぶんわかりっこないし、本当は少ないという可能性は低いと思う。
厚労省にしろ文科省にしろ、全国の自治体や教育委員会などに調査と数の取りまとめを依頼して報告させてる。
で、そのデータをどうするのかは不明瞭なままだ。
うがった見方をすると、いないから探さなきゃならない、どうせその作業はこっちに回ってくる、それはさける人もいないから~って数をチョメチョメする人(あくまで個人)が絶対いないとは、自分は言い切れない。
しかも、これは住民票がとりあえずはある人で、表題の「無国籍」に至っては、その手がかりすらない。
手がかりがないから推定でしかないけれど、万の数はいるのではないか、といわれてる。
これは出生の時の親の状態で籍を入れなかったとか、籍を入れられなかったのに由来する。
離婚後300日以内の出産は元夫の子供になる、というところが籍をためらう要因だという。
しかも、毎年500人くらいの無国籍な子供が増えているらしい。
確実な数値が誰もわからないから、全部「らしい」としか言えないのが現状だ。
なんとも情けない話。子供に限ったことではないが、国籍がどうであれ、個人が生きていく上で、必要となる教育、伝染病を未然に防ぐ接種、避けては通れない社会性、これらが与えられないと、国という塊での話だけではなく、コミュニティーとしての社会集団にとってかなりの危険因子ともなりうる話だ。
すべての人の幸福を目指す(それが可能かどうかはおいとくとしても)そのために、個人→家族→市町村→都道府県→国とシステムレベルと必要経費が高度になっていくべきだ。
そのコミュニティーから外れるからといって、社会から疎外されることは社会そのものにとってもマイナスでしかない。
もちろん、この人々が犯罪に走るという話ではない。公共からの離脱を好んでする人もいる。
だけど、それは大人になって自分の意思で距離を置くことはなんら問題は無い。
しかし、仕方の無い事情があるとはいえ、子供、しかも乳幼児にそれを強いてしまう、しかもそれを放置するのは、先進国、文明国として恥ずかしいと思う。
さて、この「無国籍者」の調査を今度は「法務省」が行うらしい。
もしかしてこの日本はすっごい無駄な手続きでできてるのでは無いだろうか?
とにかくも、子供の数が減っているのは間違いが無い。
生まれてくる子供を大事にしない社会に少子化対策も明るい未来もありはしない。