智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

夏日山中、李白から

2017年05月23日 | 書道、絵を描く
これは、1年前に書いた 李白 「夏日山中」



今日のような暑い時節を、唐の時代の李白先生は、

「白羽の扇を煽いでもけだるい、林の中で肌蹴て、脱いだ帽子を石壁に掛け、汗ばんだ頭頂を松風に晒そう」

と歌った。

「白羽」と「青林」が対比され、「石壁と松風」と共に、写実的な詩だと感じます。

そう、「青林」が正解で、「森林」は間違い。

この、私が書いた作品は、失敗作である。

それでも、「己への戒め」として、書院の小床の間に飾っている。


1年前まで、ある書道の先生に、2年間、師事していました。

最初は、「年賀はがきを毛筆で書きたい」という目標から、

都道府県名、県庁所在地名を小筆で練習していました。


段々、慣れるとともに飽きてきて、かな文字を百人一首、それと中国の漢詩五言絶句を、

交互に、3か月交代で学びたい、と提案しました。

「お題」は私が決めて、先生がお手本を清書されて、約三か月間で、作品として仕上げる、

そのような学習スタイルでした。


私の学生時代は、古典の授業には日本の万葉と共に、中国の唐時代の漢詩や故事も学び、

大学受験の国語の中には、漢詩も必須で含まれ、面白いと感じていました。

後年、中国で1年ほど暮らす中で、家庭教師を付けて中国語を学ぶ機会を得ました。

「レ点の返り読み」ではなく、冒頭から四声で「ラン ヨウ バイ ユー シャン」と音読しますと、

韻律を踏んで、詩の世界が深まります。


私は、作品の解釈と共に、韻律を味わい、かつ、書の美を追求したい。  それが私の書道。

しかし、当時の書道の先生は、私が「青林」を誤って「森林」と表記しても、気が付かない所を見ると、

表面的な字の美しさしか、眼中に無い、そのように見受けました。


つまり、もはや私の師ではない、と思ったからには、速やかに退会して、

しばらく、今後の行く末について、思案しました。

そこへ、近所のD協大学市民講座「かな書道」のご案内が参りました。


今、かな古典を得意とする先生についていますが、

講座修了後、1年後は、神田・栄豊斎の講師陣から探そう、と考えています。












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