智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

石垣島の伝統料理「こっかーら」

2014年10月25日 | 国内旅行
石垣島の伝統的なお料理を食したい方に、是非、お勧めしますのは

「こっかーら」



「こっかーら」とは、琉球アカショウビンのさえずりから。

こちらのお店は、宮良殿内のご亭主から紹介されました。

予約して伺うと



冒頭から末尾まで、地元の素材のうまみを最大限に引き出し、彩りも美しく



器も、石垣島の陶芸家の作品で、一つ一つに趣きがあり、料理を引き立て、



室内のしつらえも、落ち着いて、なんだか親戚の家に来たような


お料理は、ご夫妻の祖先から伝わる調理方法をアレンジして、奥様が担当。

建築、内装、器の選別など美に関わることと、お給仕は旦那様が。

最高のおもてなしでした。

あまりにも美味しかったので、翌晩も続けて予約して食しました。


2日目は、ご亭主や奥様から、色々なお話も伺えました。


まず、お料理は、

石垣島に古くから伝わる、年次の行事で供されるお料理で、

オオタニワタリ、アダンの新芽など、郷土料理だそうで、沖縄本島の人も知らないそうです。

京都南禅寺前にある豆腐懐石料理店の亭主も来て、5日間連続して食し、

ついには豆腐職人も連れてきて、教わって帰っていったそうです。


ご亭主から、感想を求められ、

「私達夫婦は、南禅寺の老舗で食べましたが、「特段に」とは思えませんでした。

京料理、京の気候風土に合ったもので、宮廷もあり、洗練されている、と感じますが、

内陸で冬は寒く、保存食的な要素もあり、塩が強く感じます。

こちらのお料理のほうが、新鮮な食材の味を、活かしきって、本当に美味しく思います。」

と答えますと、ご夫妻、ニコニコしていらっしゃいます。


奥様が、「大学が東京で、子供達が、水も食べ物も口に合わない、と言っています。」

私は、各地のお水のおいしさと、料理の関係について語り、

奥様が、「島の伝統料理が廃れてきて、多くの人は、買ってきて済ませている。」

私は、機織を体験したことで、実感したこと

「元来、布は買うものではなく、作るもの。 お食事も買うものではなく、作るもの。

最近は、食事すら、買うものになりつつあります。」と憂え、

「こちらの、このお料理は、是非、代々、伝えていっていただきたい」とお伝えしました。


夫が、内装や建築美について触れると、

ご亭主が20年かけて木材を収集してから、大工に作らせた家とのこと。

使用されている器や、布の工芸作家の作品集を拝見し、

島の歴史、気候、風土の話に至り、話はつきません。