智の庭

庭の草木に季節の移ろいを感じる、日常を描きたい。

お芝居「明治一代女」を観る

2014年01月19日 | 読書、観劇、映画
昨日の土曜日、母と日本橋三越の劇場で、新春新派公演「明治一代女」を観ました。

明治時代の実際に起きた人情事件を題材にしており、

前半、花柳界の春の華々しい「起承」から、後半、冬の雪夜の暗く寒々しい「転結」へ、

明暗の展開が、ドキドキと引き込まれました。

お芝居は楽しいものですね。



久しぶりの観劇でしたが、三越劇場はコジンマリとして、

舞台と客席が近くて一体感があり、楽しめます。

観客席の中に、元NHKアナウンサーの山川静夫さんも見えました。


主役は波乃久里子、相手役は市川春猿、佐藤B作、ライバル役の水谷八重子。

皆さん、役者として職人であり、プロだなあと感心しますのは、まず発声。

言葉が良く通り、聞き取りやすく、日々の修練の賜物だな、と感じます。

また、表現についても、すっとその世界に、感情移入していけます。


幕間に食べるお弁当を、母と三越デパ地下でアレコレ品定めするのも、楽しいです。

母は、今年で79歳になりますが、衰えゆく背中を眺め、無性に悲しいです。

まだ、独りで出掛け、お友達とお芝居を楽しむ行動力がありますが、

もう少ししたら、「付き添う」必要が生じるでしょう。


幕間休憩でお弁当を広げ・・・

母「パパとね、三越にお中元やお歳暮を選んだ後、こうしてお芝居を見たのよ。」

「パパはね、高校生の頃、演劇部にいたのよ」

私「ええええーーーっ!!!」

母「パパは 新聞部と演劇部を 掛け持ちしていたのよ」


幕が閉じた後、デパート内を、食器売り場、洋服売り場とブラブラ散歩しながら、

最後は「フォートナム・メイソン」で紅茶とケーキを賞味して、

おしゃべりをしてから帰りました。

母の多幸と長寿を お守りください、空高くいます父に 祈るばかりです。