特捜最前線日記

特捜最前線について語ります。
ネタバレを含んでいますので、ご注意ください。

第341話 殺人マラソンコース!

2007年08月28日 23時43分21秒 | Weblog
脚本 佐藤五月、監督 天野利彦

強引な吸収合併で名を馳せた経営者が殺害された。捜査に当たった特命課は、事件当日の来客者に容疑者を絞り込む。紅林は被害者の父親の友人であるスポーツ用品メーカーの社長を調べるが、犯行時刻には高級レストランで知人と食事をしていたというアリバイがあった。その後の調査で、犯行時刻直前に、被害者の速記者を務める女が被害者を訪問していたことが判明。女は「来客中だったので会わずに帰った」と主張。来客の姿は見ていないが、被害者が「白髪頭!」と罵る声が聞こえたため、老齢の男だと推測された。女のアリバイを確認したところ、社長と高級レストランで食事を共にしていたという。
社長は女と食事していたことを認めて「スポーツ仲間だ」と説明するが、食事するまでの行動については嘘をついた。さらに、社長の会社は傾きかけており、被害者に合併を持ちかけて断られていたことが判明する。60歳を目前にしながらスポーツ万能のベストドレッサーである社長に敬意を払いながらも、疑惑を募らせる紅林。
新宿公園をジョギングする社長を尾行した紅林は、不審な男と接触するのを目撃する。翌日も同じ場所で、同じ光景が繰り返された。社長が事件当夜にバッグを盗まれたことを知った紅林は、「男は殺人の証拠が入ったバッグを盗んで社長を脅迫しているのでは?」と推測。社長を問い質す紅林だが、社長は「トランクに入れ忘れただけだった」とバッグを見せる。別物を買い直しただけと推測する紅林だが、証拠はない。バッグが女からのプレゼントだと知った紅林は、本物かどうかの確認を女に迫る。女は「バッグには私だけに判る目印がある」とは言うものの、「犯人は白髪の老人。社長は立派な黒髪だから犯人のはずはない」と協力を拒絶する。
不審な男を尾行する特命課。男は社長が車内に残した現金を手にすると、バッグを車内に残して逃げ去った。男を捕らえつつ、社長を泳がせる特命課。自宅でバッグを処分しようとしたとき、紅林が踏み込む。バッグの中には血に染まったシャツが残されていた。「このバッグは私のじゃない」うろたえながらもシラを切る社長。紅林は女に二つのバッグを改めさせる。自らの手で社長の無実を証明しようとする女。しかし、女が社長に内緒で入れた御守りが現われたのは、社長が処分しようとしたバッグだった。
観念した社長は、すべてを自白する。あの日、社長は被害者に合併を拒絶された末に「あんたの頭、染めているんだろう」と嘲笑された。「たとえどんなに罵られようと、頭を下げ続けるつもりだった。だが、髪のことを言われて、ついカッとなって・・・」疲れ果てた社長の頭髪は、いつの間にか染める前の白髪に戻っていた。

自らの老いを認めまいとする哀しさを描いた一本。女が残した控え目な愛の証しが、男の有罪を決定づける証拠となる。皮肉な結末が印象深いだけに、そこに至るまでのグダグダした展開が余計に苛立ちます。特に、エレベータや非常階段を巡るトリック(というほどのものでもないが)は、視聴者を混乱させるだけで何の効果もないので、バッサリ省略して、代わりに社長や女の心情をじっくり描いた方が良かったのでは?と残念でなりませn。
事件解決後、「情けない男だ。若さは気持ちも問題ですよ」と社長を切り捨てる叶の言葉に共感する私ですが、おやっさんが「そう言えるうちは、まだいいんだよ」と答えたように、また橘や桜井、神代が苦笑を浮かべたように、自らの老いを自覚せざるを得ない年齢の人々にとっては感じ方が異なるのでしょうか?いつか私自身が老いを自覚した時、改めて視聴すれば、また違った感想を持つかもしれません。

4 コメント

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確かに ()
2007-08-30 23:38:54
その年齢になったら、この犯人の心情が解るかも知れませんね。  でも、この前の話のほうが展開が遅くてつまらないと思いました。
しかし、斉藤真は悪役以外やらないんですかね、特捜では。ズバットだけです、自分が知ってて悪人じゃない彼は。
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言われて気づきました (袋小路)
2007-09-02 23:48:42
悪徳社長はズバットの東条刑事だったんですね。
さすが特オタさん。
確かに、この人は気の毒なほど悪人顔ですね。
実はズバットを見ていて最終回で「黒幕はこいつだ」と思っていて、肩透かしをくらいました。
人を顔だけで判断してはいけませんね。
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Unknown (特オタ)
2007-09-03 00:45:37
うーむ。恐るべし、斉藤真。
でも、特捜は悪役らしい人がマジで悪役なのが展開解り易すぎて損してる気もします。
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全くです (袋小路)
2007-09-04 00:21:22
脚本や演出にもよりますが、出てきたとたんに「あ、こいつが悪者や」と分かると興覚めしますよね。
いい意味で視聴者の予測を裏切るような展開を期待したいものです。
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