本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

『大学受験のための小説講義』 石原千秋 【現代国語・小説参考書】

2006年08月02日 | 大学受験【国語・社会】情報・参考書

本来は大学受験生の国語のテキストですが、多くの人に読んでいただきたい、大変有益な一冊です。以前ご紹介した『 わかったつもり 』 も良書ですが、さらに踏み込んだ、綿密な分析と豊富な題材がすばらしいです。

このブログはそもそも生徒たちに本を紹介するためのものですから、恥をしのんで、こうして駄文をさらしているわけですが、読んだり、書いたりするのはまだしも、国語の問題を解くとなるといけません。

高校時代を振り返ってみると、説明文、論説文はまだましだったのですが、現代国語の随筆や小説がどうしようもなく嫌いでした。小説の登場人物の気持ちなどを問われると、“なんで分かるんだよ!”といつも憤慨しておりました。

時々、有名作家などが、自分の作品が入試問題で使われ、その問題の正解などを見て、“ほう~!そんな気持ちだったのか”とか、“まったく読み違えている” などと、別の著作で書いたりしますよね。

高校時代の私も、解答、解説をいくら読んでも選択肢を一つにする最後の段階でまったく理解、納得できず、小説だけは勉強する気もまったく失せてしまい、“センス” および “ひねくれた性格” がわからない原因だとあきらめていました。

ですが、本書を読んでおおいに救われました。国語問題というのはどういう意図で作られているのか、最後の段階の決め手はこう考えるんだということが非常にわかりやすい言葉で、丁寧に説明されているからです。

枠からはみ出した読み方は『入試の国語』では不正解となる事情が書かれています。その枠とは何かを含め、センター試験や国公立二次試験の悪問、良問両方をじっくり解説しながら、出題した大学の良識に疑問を投げかけたり、駿台予備校のある国語教師を手厳しく非難したり、解説書の間違いを指摘したり、昔の私のあだを討ってくれた気分になって痛快でした。

大学受験生で小説が苦手な人にとっては絶好の参考書です。また、我々社会人にとってもさまざまな小説が楽しく読める本としてもお勧めできます。当教室 の国語の先生方にも非常に評判が高いようです。



http://tokkun.net/jump.htm


大学受験のための小説講義

筑摩書房

詳細を見る


『大学受験のための小説講義』 石原千秋
筑摩書房:316P:903円


■■ おもしろそうかなと思われましたら、クリックをお願いします。m(__)m ■■
  ↓        ↓       ↓
にほんブログ村 本ブログへ  ブログランキング

読書小説書籍・雑誌ニュース