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見えない痛み

空の色も雲の形もぼやぼやぼやーんと曖昧です。そのぼやぼやーんな柔らかさが今日は気持ちいい。

せっかく非日常な病人生活を送ったので、気がついたことも書いておこうと思います。

それはペインクリニックの帰りの電車でのこと。本格ラッシュの少し前でしたが学生が多いせいか充分込み合った車内で、とても空席はありません。そっとシルバーシートに視線をやってみたものの当然満席です。あー、座りたい

「すみません、こう見えても私、帯状疱疹で痛くてへとへとで立っていると他の方にぶつかりそうで、ぶつかったらものすごく痛いので席を譲っていただけませんか」
とは、言えませんよねー

でもあのとき、近くに乗り込んできた学生グループがふざけていたのがほんとに怖かった。もし肘でもバッグでも、身体にかすったら痛みでうずくまってしまったと思います。普段から鈍い反射神経がゼロに近くなっていたしね。

このとき、つくづく知りました。見えない痛みを抱えている人が公共の場には実はたくさんいるのだと。私はなんてそういう想像力や配慮が足りなかったことか。怪我とか高齢とか妊婦さんとか赤ちゃん連れとか白杖とか顔色が真っ青とかが周囲の目にも見えるハンディキャップだとしたら、見えないハンディキャップに私は鈍感だった。骨折だって、治りかけて一見それとわからなくなったら“見えない”に入るわけですよね。

そうしたら、なんというタイミングでしょう。Facebookで友達がシェアしてくれたのがこれ。
術後・治療中マーク「うさポン」 見えませんが辛いときがあります 
癌の術後のイラストレーターが作製したマークです。体力もまだ十分ではない時期にお一人で作製、受注、販売まで、頭が下がります。

まだ普及はこれからでしょうけれど、こういったマークは「知っている」人の数が増えてこそ意味を持つもの。ぜひぜひ、リンク先をご覧になってくださいね!

それから、電車やバスの中でスマホだけを見つめている現代人!1分でいいから乗り合わせた人たちを見渡してみましょ他人に関心を持たなかったらどんなマークも無意味です。

あの日感じた「怖い」を忘れないでいておくれよ~、私。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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« 帯状疱疹体験... 元気です »
 
コメント
 
 
 
Unknown (ベラ)
2013-05-23 09:35:26
貴重なお話、ありがとうございます。
実は、先日、術後・加療中の知人と行動していました。
まさに「見えないけれど」の状態。
外敵?から彼女をガードしながらの行動です。
電車の中でも、譲ってあげてほしい・・・と思いつつ、本人は「大丈夫」とけなげ。
ひとつ空いた席にやっと座って貰いましたが、それでも最初は「年功序列」と座ろうとしなかった・・・
ある部分を切除すると、身体のバランスが崩れて転びやすくなる、ということも知りました。
色々考えさせられたりつさんの記事です。
見えないけれど・・・を考えて行動しよう。
 
 
 
Unknown (くわまま)
2013-05-24 17:28:22
ブログを書かれているということは快方に向かわれているということですね、でも油断せずお大事にしてください。
病気って前触れもなくやってくるんだ「怖いこわい」と思いながら読ませていただきました。そして、病気を通じて気づかれたこと、見えない痛みのこと。

早くもっともっと元気になりますように
 
 
 
ベラさんへ (りつ)
2013-05-25 16:27:34
ありがとう。

>ある部分を切除すると、身体のバランスが崩れて転びやすくなる、ということも知りました。
そうなんですか…。

ごく普通に健康だと知らないことがあまりにも多いと気づかされました。

きっと他にもたくさん見えないことがあるのでしょうね。
 
 
 
くわままさんへ (りつ)
2013-05-25 16:33:48
はい、もう回復しています。
ありがとうございます。

特に頑丈な方ではないもののこんなに何週間も患ったことがないのでいろいろ考えました。

くわままさん、今お忙しい時期ではないですか?お身体大切に!
 
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