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着物と流行色

「スーパーカー」「夜間飛行」「スリーランホーマー」

着物のタイトルですって、これが。斬新です。
佐野美術館で開催中の「高島屋コレクション きもの・装いの美 百選会・上品會の歴史」に行ってきました。着物好きなKちゃんといっしょです。Kちゃんは着物で。受付で着物で来場している人にだけプレゼントがあります。こういうの、いいですよね。テーマに合わせたドレスコード、東京の庭園美術館がやっていますが美術館に行く楽しさを演出してくれて素敵。

                  

「百選会」「上品會(じょうぼんかい)」とは高島屋の新作発表会の名称です。毎年テーマ(趣意)と選定色を高島屋が設定して全国の染色業者から募った作品数千点から百点を選んだのが「百選会」で、冒頭の3つも選ばれた着物のタイトルです。テーマデザインの原案にあたる「標準図案」まで作成しています。

つまりコンセプトとテーマカラー、デザイン原案を提示した全国規模のファッションコンペというわけです。更に入選作や色に名前をつける顧問に人気作家や詩人を置いています。展示されている着物は、詳しくない私が見ても斬新で、額に入れたら絵のようなものもありました。これらにファッションセレブたちが飛びついて、流行のうねりを作ったのでしょう。

これが明治からシステム化されていたことに驚きます。すごいぞ、高島屋。

私がとっても興味をひかれたのは、顧問に与謝野晶子がいて、流行色の選定とネーミングを20年あまりも担当していたことです。

 初めて手掛けた19年の春の色、淡い緑に命名したのが「平和色」。スペイン風邪が流行し、米騒動が起きた18年を振り返り、穏やかな日常への願いを込めたらしい。    
                                        読売新聞 2013年7月 より

1936年の選定メモによると、ある色のネーミングを「いなづま色」「玉簾(たますだれ)」「月の出色」「メロン」の中から迷ったようですが、どんな色だと想像しますか?

今でいうからし色、マスタード、のような渋めの黄色です。決まったのは「月の出色」。
低い空の月は濃く見えますものね。さすが歌人、晶子!

       
着物の世界を満喫した後は併設のカフェでひとやすみ。
というのは、嘘です。これは美術館の玄関前にあるお手洗いなんですよ。屋外トイレでこの内装館内のお手洗いも別の意味で驚きでしたが、それはまたの機会に。



着物つながりで。

前に書いた私の七五三の着物がKちゃんの手によって生まれ変わりました!
  
母の希望で新書サイズ。しおりの紐まで心を配ってくれてほんとに素敵な仕上がりに感激です。百選会にも上品會にも負けない母の宝物になること間違いなし!

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コメント
 
 
 
泣くよ~~ (ベラ)
2013-11-28 23:42:20
全くもう!!
お母さまへの最高の贈り物ですね!

人の手から手へ
心から心へ
引き継がれるもの

大切にしよう
 
 
 
ベラちゃんへ (りつ)
2013-11-29 18:52:24
泣いた~?

手から手へ。そうね。
物を大切に扱うとは、ただしまい込んでおくことじゃないって学びましたよ。

 
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