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朗読と本屋さん

1,2か月前に出先で偶然、ラジオから流れてくる朗読を耳にしました。

ホームランで球が戻ってこないならもう1周すればもう1点、何点でも入るじゃないの、と言うほどの野球オンチの母と、それじゃマラソンだか野球だかわからないよと答える少年野球の息子との会話が面白くて、いつの間にか引き込まれていきました。

試合の日、少年の祖母が訪ねてきて意外なことにルールにも詳しい様子。さらに相手チームのピッチャーを見つめて・・・。おばあちゃんの思いがけない過去が語られます。

ちょっととぼけたユーモアのある文章です。作者は誰なんだろう。最初から聴いていないのでわかりません。おばあちゃんの過去に驚いたあたりまでで、結局最後まで聴けませんでした。

後から気になってたまりません。こういうときネットは便利。

調べてみると北村薫著短編集『1950年のバックトス』中の表題作とわかりました。北村薫!なーるほど、納得納得。わかりやすい文章の中にくすっとさせる味があって好きな作家です。

それ以来、本屋さんに行くと探してみたのですが、ない。ない。ここもない。

こういうときもネットは便利。なのですが、なぜかこの本は本屋さんで手に取ってから買いたかった。

やっと今日、セノバの丸善で発見したのです。まぁ、それほど熱心に探し回ってたというわけでもないんですけどね。でもなんでしょう、この満足感は。やっぱり本屋さんは楽しい。

さて、やっと手にした『1950年のバックトス』を読んで感じたこと。それは「朗読の力はすごい!」

確かにほのぼのするいいストーリーなんですが、朗読で伝わってきた会話の生き生きした魅力は文字を目で追うだけでは味わえないものでした。また、北村さんの文章が音声にのせたときにも自然で美しい日本語だということにも気づきました。

普段ラジオを全然聴かない私ですが、たまには聴いてみようかな。

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