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「仕事」と「センス」の関係

『社長、その服装では説得力ゼロです』 中村のん著 新潮新書

タイトルにどきーーーっとした社長さんが全国にたくさんいらっしゃるのでは?

タイトルから連想するようなビジネスにおける服装の指南書ではありません。それもありますが、スタイリストとしての経験に裏付けられた“ファッション”“似合う”“装う”ということの考察は気楽に面白く読めます。なるほどなぁと納得することもたくさん。

 現在四十代より上にいる人たちは、幼少の頃から「勉強のできる子」と「おしゃれな子」
 を別の括りとして捉えてきた世代だ。その延長として、大人になってからの「仕事がで
 きること」と「センスがいいこと」も、別物として捉えているフシがある。自分が仕事にお
 いて優秀であれば、部下は自然とついてくるものであり、経験値から語ることが確かな
 ものであれば、部下からの尊敬は得られると、信じているはずだ。(略)

 かたや、1970年代半ば以降に生まれた部下世代は、物心ついたときからすでにDC
 ブランドの服を親から着せられ、早くは小学校のときから、中学生になれば当たり前の
 ようにナイキやアディダスのスニーカーを履いていた世代だ。

 勉強ができるだけじゃ、スポーツができるだけじゃダメで、顔がいいだけでもダメ、
 おしゃれでセンスも良くなくちゃ、異性からモテないだけでなく、同性からも一目置かれ
 ないことを身を以って体験してきた者たちなのだ。(略)どんなものにおいても、そりゃ、
 内容はもちろん重要だけど、まずは見た目がダサくちゃ始まらないでしょ、と考える傾
 向にある。

引用が長くなりましたが、この部分、40代の私はハッとしました。

40代以上で、「仕事ができる」し「外見もセンス
」な人も、もちろんたくさんいます。ですが、どこかで頑張ってそのふたつを両立させている努力を感じます。あるいは社会で鍛えられる中でそのふたつは大きく連動することを学んでいったといったらいいでしょうか。つまりそのふたつを元々は別の価値観と捉えている点では「仕事ができる」けど「外見のセンスは」な人と根っこは同じではないのか?と。

それに対して現在30代半ば以下の年代は、その二つは“最初から”“当然”セットでしょ、と捉えている!「仕事ができるならもちろんセンスもいいよね」ってひと括りってことですよ。

ちなみに30代前半世代の女性にこの話をしてみたら、はい、当然ですね、というリアクションでした

 (略)見た目に無頓着な上司は一目おけないどころか、理解できない、とカテゴライズさ
 れてしまうようだ。


頑張ってください、全国の社長及び上司のみなさま。



でもさー、勉強ができてスポーツができて顔が良くておしゃれでセンスもいい人ってどの年代にもめったにいないよねぇ?

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