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精神科医師のブログ。
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日々コウジ中(高次脳機能障害の夫と暮らす日常コミック)

2010年08月31日 | Weblog
うつ病を描いた「ツレがうつになりまして」に始まり、統合失調症を描いた「私の母はビョーキです」などなど精神障害をネタにしたコミックエッセイが注目を集めている。

??な内容な本もあるが、多くは精神障害とともにある日々の生活がリアルに描かれており病気とつき合っていかなければならない人やその家族にとってクールに役立つガイドブック的な内容となっている。

そんな流れの中で高次脳機能障害を扱ったコミックエッセイが発売された。
著者の夫はクモ膜下出血後の高次脳機能障害となり、リハビリテーションを経て、それから就労へと奮闘する(家族)の日々をかわいらしいイラストで描いている。

またこれがリアルなんです。

頭部外傷や脳血管障害(特にクモ膜下出血)の後遺症としての高次脳機能障害の方々とは何人もおつき合いさせていただいてきたがまさにこんな感じである。

高次脳機能障害をかかえての就労の現場もまさにこんな感じでした。

この著者も民間の保険会社の「高度障害状態」の解釈が保険会社と異なり闘ったが結局支払われずというエピソードが出てくるが、自分も場合も頭部外傷後の後遺症で民間保険からRBMTなどの検査結果まで詳細につけたのにかかわらず保険会社の3人の医師がみてダメだと却下された。
どう考えても「重度かつ継続」で苦労しているのにね。

こういう本がでることで今まで知られていなかった障害のことが広く知られるようになり支援が広がっていくことを期待したい。


日々コウジ中―高次脳機能障害の夫と暮らす日常コミック
柴本 礼
主婦の友社