細胞分裂は銀幕で

脳が単細胞にできている
もう考えることさえ嫌になる
細胞分裂を何度も繰り返して
少しは人間らしくなろう

夜明けが明日の訪れを告げれば
大切な今日は遠のいていくばかり
僕はこの緊張を隠せないどころか
僕を待ち受ける幾多の障害を
乗り越えなきゃいけないんだ

手探りの空気が凍えてしまえば
一家離散する時も目に見えてるね
人は誰も永遠に独りきりだから
君と僕との接点は不要だと思う

君と僕は目一杯の時間を使って
混ざらない油を水に浸してきた
この縁も所縁もない相容れない
この二人の関係を清算しなくちゃ

手を振って笑顔でサヨナラ
仕方ないよね、他人なんだから
哀しみよ、こんにちは、なんて
この僕は僕だけの夢を見る
君には縁のない苦し紛れの毎日

あの古い名前だけ聞いたことがある
映画に入って登場人物になりきる
時代を感じないストーリーの中へ
憧れたシュールな役柄を演じてみたい

何も恥じることなどない
大入りの観客の前で舞台挨拶

証言者皆無

アイデアが枯渇気味
そんなこともあるさ
今後ろを振り返れば
長い道を来たもんだ

そうこう言う間に
頭でっかちになっちゃって
実社会では使い物にならない
そんな知識でも存在価値はあるかな

強者達が群れをなしていく
あの向こうに何の扉があるというの？
何も為すことなく見つめてる私
ただの弱虫でなく信心深いのです

二人でよく聴いたメロディライン
もう一度伸びやかに奏でておくれよ
決して忘れられない瞬間が続いていく
闇の狭間には幾多の星が煌めく天の川

私の笑顔も君の笑顔も
そう大きくは変わらないんだ
二人で笑い、二人で泣いて
何が大切か見極めるんです

お互い口にしないけど
きっと好き合ってるんです

油断禁物

裏切りは絶妙なんだ
そんな君に完敗、コテンパン
酔った勢いで宿敵の君とも乾杯
気を付けろ、油断は禁物
刺すか、刺されるか
この世には二者択一しかない

明日は明日の風が吹く
そんな風にうそぶいて
誰かが匿った奴を退治する
僕が敗れたのは実は君が初めて
色目も秋波もすべてが君の武器

気が付けば惨敗の入口
這い上がって天を見遣れば
救いの手が眼前に伸びる
フェイクで騙して、交わして
信じたところでその手を離すだけ

阿婆擦れって呼ばないで
この世は食うか食われるか
どんな手だって使い尽くす
百鬼夜行の後を追えば
また違う世が現れるかもしれない

嘘から出た実、棚から牡丹餅
この世の端から端まで包むように
柔らかく僕らを争いのない世界へ