巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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万物は移ろい、抗う

2017-08-20 20:53:51 | 
流れるピアノの音に
心を運ばれるかのように
音楽は進んでいく
音楽は流れていく

フォルテピアノを少し優しく弾くと
君が奏でる旋律が自然音に一致する

自然も押したり引いたりの繰り返し
灼熱の夏に梅雨風情が逆戻りするように
季節は一直線には進まない
行きつ戻りつ、僕達の四季は完成する

君は誰を追い掛けて、ここまで来たの?
僕達の夏は今にも終わるところ
木々から枯葉舞い散る秋を思おう
戸外に出ればもう透明感のある秋風だし
山々の色は緑一色からカラフルな多色に

僕達は時代を先読みしながら生きている
両親の時代は僕達に受け継がれ
僕達の時代は子供達に受け継がれる

老いに抗う僕達は時代を委ねるのを拒む
けれども随分涼んだ外の空気は
時代の変わり目を象徴してるね

僕達の人生のステージは
秋くらいまで進んだかな

寂寥感が漂う今日この頃
世界の主役は世代交代したと思うよ

僕達は人生の最後の坂道を登る
懐かしき過去にすがり
ときめく現在に居座りながら
何もしなければ無言で過ぎ去る未来を留める

仲間の大半はバリバリの現役を望む
僕はそろそろ裏方に回ってもいいよ
押し寄せる若者達に脅かされるより
若者達と共に新しい未来を創りたい

そう、新しい未来を!
古くさい価値観も
凝り固まった既成概念も
君達がすべて刷新するんだ

それが君達が受け継ぐ時代
未来を押し留める君達の抗いのはじまり

等間隔に並ぶ心と心

2017-08-20 17:59:39 | 
壊れかけの夢など捨てちまえと迫る悪魔
僕はまだ僕のままでいられると信じてる
天性の強運だけは誰にも負けないさ
それが僕の生命線

物事の善悪なんて
人によって基準が違うから
僕は僕の価値観で動くんだ
悪魔の言いなりになどならない

僕はありのままの自分を
受け容れてあげたいんだ

悲しませたくない人がいる
苦労をかけ、甘えてばかり
永遠に優しいその眼差しを
涙で濡らしたくはないんだ
それも僕を頑張らせる理由
前へ、前へ
僕達には振り返る時間などないんだ

年齢相応の人間になった自分が
過去へタイムスリップする瞬間
僕は親友との友情を再確認する

僕達は一年一年を大切に積み重ねてきた
時は過ぎ、シワや白髪が増えても
僕達の立ち位置も距離感もすべて
出会ったときと変わらないんだ
逢えなくても通じ合える親友なんだ

四年ぶりにようやく君に逢った

人生にこんな幸せはそうはない
僕達はあの頃と何も変わらない
でも君は僕の知らぬ誰かと暮らし
僕は別場所で家族を営んでいる
変化とはそういうことではなく
心の持ちようなんだ

心と心のつながり
僕達は出会いの瞬間からずっと繋がっている

君の指に絡まるのは微かな記憶
思い出をつまみ食いしながら
今日を飛び越え明日へと
君の心はワープする

僕は満ち溢れる回想を心に溜め込んで
澄み渡る青き大空に一斉に解き放つ
風は凪ぎ、雨も止んだ
まだ暑い夏空が秋の匂いを含んでいる

今年も最高の夏が終わるね
一年後に巡り来る最高の夏を待ちわびる

僕は幸せの中で立往生する
これ以上はない心の休息を
僕達は一年に一度繰り返す

そして、僕達の思いは等間隔で進んでゆく