巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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輪よ、廻れ

2017-08-26 19:32:03 | 
ああ、生きている
現世を、今日一日を、今この瞬間を

ああ、騙される
美しい最期など万人に等しくある訳がない

死が近付いてくることは
生きている以上仕方ない
抗いは人それぞれだよね
私から見ればただの無情

ああ、しがみつく
わずか一分一秒の延命の為
来世への旅立ちを遅らせる為

君の価値観は素晴らしい
現世の誰にでも義理堅い
それが役割だと信じてる

過ちは誰にでもあり得る
今まさに産まれ出づる生命が
君が塞ぐスペースに入れない

人生は地下鉄のダイヤのよう
喩えば玉突きゲームみたいに
順番に送り出し、受け入れて
人の世はグルリと廻るのさ

この世の真理に気付かずに
私達は生命の無駄遣いをする
主役の交代に駆け引きなど不要
深く知らぬ間に果てた者が幸せ
君が迎える最期などごく一瞬
永く行き過ぎた人生を回想
私は消え行く君にグッドバイ

ああ、送り出す
君の念を、煩悩を、妄想を来世へ
虚になった骸を始末して
新たな生命を受け入れる

ああ、想い出す
この果てしなく広がった世界で
狭苦しい自分を何とか生き抜いた
この長く短い無駄ばかりの人生で
私を諭す君に出逢えてよかった

誰もが自分本位

2017-08-26 16:25:03 | 
この夜のど真ん中に
太陽の塔をつくろう
夜空を晴空に変えてしまう
大胆、斬新なデザインで
すべての悪はすべての善の裏返し
全面白にして、ひっくり返せば終わり
誰もが中途半端すぎて
生きる感覚さえも無意識
君は何の為にいるの?
僕の問いに答えてほしい
厄介な人種の僕だけど
短い命を懸命に生きてる
信じられない現実
僕は僕でしかない事実
受け止めるしかないさ
ありあまるほどの愛に
包まれて育ったんだから

だから今聞きたい
あなたの愛は偽善ですか?

信じたくない解には耳を塞ぐ
意思表示するには乏しい表情
君を愛すには何か
足りないものがあるんだ

だから今聞きたい
あなたの愛は無限ですか?

芳しい季節の訪れは
むせ返る季節の移り変わり
君を愛すには何か
そぐわないものがあるんだ

ポケットの中に入れてたピース
さり気なく黒面を表にして出す
物事の善悪なんて構いやしない
僕らは道化師のように誤魔化す
愛されることにも慣れず
愛することさえ不得手
懸命に生きてるフリして
騙し騙しの日常を送る

中途半端が意図的ならば
この世を生き抜く術なんて
誰もが持ち合わせていても
僕の手持ちのピースはない
今まさに完成しようとする太陽の塔は
皆の希望を乗せ、暗を明に変えるのか

僕が仕掛けた爆発物は
ターゲットを見事に破壊した
何もかも曖昧なこの世の中は
黒白混淆してるのが相応しい
中途半端な生物が生きるには
ちょうどいいのかもしれない
誰もが期待した夜明けには
晴れれば自然光が照らす
それでいいさ

だから今聞きたい
僕の我が儘は傲慢ですか?

だから今聞きたい
ここに僕の居場所はないですか?

憂鬱日和

2017-08-26 01:35:42 | 
もしも俺がくたばったら
路面の熱気を氷点下にしよう
ちょっとツライくらいで
ネガティブになる奴、最悪
弱音は吐かない主義なんだ
でも今回は思いの外キツイな
なぜ俺が? まだあと10年必要
この痛み、誰かにくれてやる
そんな恨み節ほざいてる暇があれば
この胸の疼きに向き合ったらどうだ

押し寄せる波
迫り来る夜闇
奴らは容赦しないんだ
時代のせいにすんなよ
いい加減困り果ててるんだ
俺は独りきりで戦意喪失
許しがたいこの病魔
結構打ちのめされてる
救いなど求めても無駄だろう
丸腰の俺をいたぶる氷の視線

俺は還る場所を探してるんだ
産まれる前からの業縁と
切れることのない血縁よ
一人だけのものではない
この魂を何に委ねるか
答えは出ぬまま俺は果てるだろう
夕闇が遥か彼方まで遠ざかった日
俺は追うこともなく押し流される
無抵抗な訳じゃなく単に無力
抗う力はいつしか果てる結末
思うより長く短いこの命を託したい