巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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一方的に君次第

2017-08-07 17:55:43 | 
誰かを欺くような
解のない嘘
君の気配を感じるたび
奪い尽くす運命だと
傷つかずに立ち直る
君次第だね、何もかも
粉々にして

嵐の吹き荒ぶ夜に
甲斐のない抵抗
君の姿が見えなくとも
何もかも捉えそうな
真っ直ぐな君の視線
一方的だね、誰も彼も
往々にして

沸き上がる共感に
僕の意向はないさ
君を愛するカタチ
僕は自暴自棄だね
大切なものほどに脆い
すべてを失うのは思いの外容易
僕は少しずつ積み上げていくだけ

消えゆく街の色
僕の心もモノクローム
何もかも色を失っていく
希望も損なわれていくんだ

抵抗など無意味なんだ

恐怖を取り除くには
まだ頭と心の整理がついてない
あと何日、何時間かかるかな
僕の心の病巣の摘出

真夏の夜のオーケストラ

2017-08-07 00:16:41 | 
一年ぶりに訪れたんだ
あの日の約束を果たしに
男らしい、とか、義理堅いとか
そんなこと全然無関係だから

俗世間は真夏だけど
夜風は案外涼しいね
こんな風に月日が経って
季節も変わっていくよね

近頃は誰もが皆、腹に隠し事を溜めて
本音なんてどこにも転がっていない

月夜に響くサクソフォーン
虫が奏でるオーケストラは賑やか
今宵も悪くない夏の泡沫
曇るのはこの僕の心だけ

残念に思ってるんだ
せっかくの日曜日が
ぶち壊れた事実には
やはり引き金がある

どんなに許しがたい関係性も
僕が聖人なら我慢できるかな
脱力して夜闇に身を任せれば
怒りも退くだろうと思ってた

そんな単純な構図などゴミ箱直行
この不器用な僕の生き様を探そう
世の中の誰もが生き辛いこの世で
僕だけに嵌る答えがどこかにある