巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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君の瞳に映る残像

2017-08-14 14:20:20 | 
想像してみよう
この国がこの国でなくなるとき
君はその事実をどう受け止めるのだろう
重いはずの命が軽んじられて
時代の無慈悲が世界を包む
一人ひとりの大切な暮らしはどこへ

あの自由を譲り渡したとき
僕達には何が残ったのだろう
暗闇のような無と見えざる束縛
失ったものが何かすら誰もわからず
失ったこと自体にさえ誰も気付かず
皆そこに立ち尽くすほかなかった

老いも若きも無関係な文脈の中で
圧倒的な力を盲信する時代の亡者達
言葉の表面をなぞる無価値な世界
これまでの時代、これからの時代
ずいぶん遠くまで来たもんだなあ

君の瞳にあの日の残像はあるのかい?

未来とは過去を塗り潰すもの?
過去の蓄積こそ未来だと信じてる
過去を振り返る余裕さえないけど
時代を動かす権力に分断された歴史
終わらない三文芝居が僕達を狂わせる

すべて終わりだと誰が宣告する?

僕達は少し長く生き過ぎたのか?
責任も取れぬまま、路上に放置して
明日へと続く道が僕にはまだ見える
この凸凹な世を生き抜く為のバランス
蔓延る負の連鎖に立ち向かうと誓うよ

この世界中を埋め尽くす悪路を今正そう

正解なんてない

2017-08-14 11:00:08 | 
裏切り者だとか金の亡者だとか
世間はゴシップに興じて噂話
僕の人生を笑いたければ笑えばいい
僕の人生などバカにするがよい
ただひとつ、確かに言えること
どこにも正解なんて転がっていない

扇動する首領
騒ぎ立てる群衆

誰も好きでこの世に生きる訳じゃない
産まれてきた事実を肯定してるだけさ

そのとき、そのときの一生懸命を
不器用な心と身体で
騙し騙し続けてるけど
たとえ世間がこんな僕を認めなくても
そこにはきちんとした裏付けがある

成長している実感はあるし
忍耐や我慢の大切さも学んだ
僕は一番大切な僕らしさを学んだんだ
誰よりも誇らしい自分らしさを

昔より少し柔らかく
だけど計算高くなった
尖った先端が丸まるように
新しい鉛筆を補充しておくように
これが大人になるということ?
僕が世の中をリードしていく
役割が変わっていく覚悟はある

僕はこの人生を引き受けると誓うよ
最期が訪れるまで

生存確認

2017-08-14 00:14:00 | 
迫り来る旅立ちのとき
僕は150℃の視界を目一杯使って
自分が進むべき道を見定めている
そんな僕の浮かない表情を
誰かが面白おかしく冷やかしている

他人は所詮他人だと冷めた顔して
人の悩みや迷いなんて全く無関心
生きてさえいればそれでいいんだろう
君の命なんてどうだっていいんだ
死は一瞬の打ち上げ花火

そう言われた気がして僕は悪寒を覚えた
それは違うんだ
そうじゃないんだ!

胸に手を当てて誓えるかい?
誰かの幸せを念じてたあの頃
君は少年のように純粋な瞳で
海を渡る水鳥を眺め続けた
一点も塗り潰されていない
あの時の君の心の画用紙は
もう薄汚くよごれちまって
友は、流す涙も枯れ果てた

この命に価値を!

僕はもう少し生きてみようと思うんだ