巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
【連絡先】
cosgyshow@gmail.com

生の証明

2017-04-30 13:26:41 | 
僕の限界は思いの外近くにあるから
本当はもういっぱいいっぱいだけど
踏ん張ってみる価値はある
そう、人生の価値、生きている証

君が口ずさむその歌は
誰の何という歌だい?
時代に取り残されゆく僕は
正真正銘の爺になったようだ

記憶力が著しく弱まってきた僕は
ここまで生きてきた証を残したい
それが配偶者であり、子供達であり
友の存在だと僕は気付きつつある

夕焼け空に目を遣って
同じ世界を生きる証を残そうよ
僕達はこの世で偶然出会った最高の友
着実に老いゆく僕は少しばかり
この世への執着心を抱いてしまう

世界の中心で僕は明日の到来を切望する

我が街に吹く風

2017-04-29 23:19:15 | 
壊れた絆のように
嵐が吹き荒ぶ
戦うのは己だと気付いているけど
余計な気を回してすべてを嘘にする
再び逢える日は来ないとしても

嗚呼、あの頃の僕は帰り道も知らず
あれっきりの時間を研ぎ澄ませただけ

群れ、何の群れ、人間の群れ

集えよ、我が街へ
いつか見たあの大地を駆け抜けろ

君は負け犬じゃないから
僕と違う道を歩むと信じてる
君は人生に負けないでほしい
たとえ僕が息絶えても

明日、明日の風が吹くように
僕達の未来は見えるようで
決して見えない、だからこそ人生

空の彼方へ

2017-04-29 12:43:23 | 
すべてを失いかねない覚悟で
僕の新しい一日が始まる
何が正解か不正解か解らず
僕は少なからず狼狽するけど
決して自分を見失わない君を
心からリスペクトしよう

君は水平線の彼方からやってきた
大柄な君は殊の外繊細な心の持ち主
この国が大好きだと君は言った
そして僕は君の国が好きだ
ごく稀に訪れる彼の地は
インスピレーションの塊
またあの地で詩を綴ろう

君と並んで電車に乗っていると
背面の窓から陽が射し込むよ
僕は君と過ごす今日という日を
もっと楽しまねばと思う
なぜなら君はいつまた現れるか
僕はおろか本人すら解らないから

虹がかかるあの空を夢見たのはいつ
思えば僕は空ばかり見て一日を費やす
摩天楼が視線を遮る先は不思議だらけ
僕はビル群の狭間にある美しい水色を
少年に返った瞳で見つめる

さあ、そろそろ帰ろうか
僕が生まれた地へ
大切が何かを教えてくれた故郷
白鷺が舞い飛ぶあの大自然の中
僕はひとりぼっちの自分を堪能する

最高密度の青色が僕の帰りを待っている

吸い込まれるように僕の魂は
空の彼方へと消え去ってしまう

限りない青へ、どこまでも続く青へ

今ここにある今日

2017-04-29 11:09:55 | 
僕達に明日は来ないから
今ここにある今日を大切にしよう

地平線の彼方に美しい夕陽が見えるから
僕は君に優しい言葉で語りかけよう

大地の息吹が聞こえるから
僕のことは後回しにしていいよ

僕はどこまでもこの僕だから
僕が何者かを追及してみよう

物事にはすべて理由があって
僕はそれに抗うことはしない

幸せと不幸せは表裏一体
僕が君のことを好きでも
君は僕のことが嫌いかもしれない
あるいはその逆

僕は人間存在を憎んだりはしない
この同じ時空間に生きる奇跡
僕は偶然ではないと思っている

嗚呼、君の声が聞こえる
もう行かなければならない
明日を目指す君を救いに
優しい言葉をかけるために

今ここにある今日を共有するために

全人類のラストピース

2017-04-28 21:48:48 | 
僕はどこへ向かっているのだろう
壊れながら歩き、立ちどまっては壊れ
壊れながら立ち止まり、歩いては壊れ
これでも人間活動と呼べますか
僕はただの模造人間だから
そんな自分も案外愛おしかったりする

遠くに蜃気楼が見えます

思い切って旅に出よう
僕達の未来はそう簡単に描けないから
時には外部刺激を受けたほうがいい
同質化した人間存在に別れを告げよう

僕はゴミみたいな存在だから
周囲は何も期待していないけれど
時々とんでもない価値を発揮する
かくも脆く壊れやすく、それでも
この世に不可欠なピース

開かずの扉を僕が開こう
鍵を持っているのは実は僕
ジグソーパズルのラストピース
完成したらあの扉が開く

夢のような話が目の前に広がる
僕はこの世を少しだけ信じたい
たとえ君達から突き放されても
僕の存在理由を僕が証明してみせる

遠くに蜃気楼が見えます

摩天楼の最上階から空を眺む