ある中堅の整備工場A社経営者より、次のような相談を受けた。
「近くにあるライバル工場B社が車検料金を下げてきた。その影響と思われるが、ここ2カ月ほど前年比マイナスになっている。当社も価格を下げて対抗するべきか・・・・。」
私は、社長にライバル工場の料金表を送るように頼んだ。暫くして料金表がFAXされ、内容を確認したところ、総額でA社はB社より、軽自動車と小型車で5,250円、中型車と大型車で3,150円高い。
それぞれの差は、何のことはないB社の「8つの割引制度」全て適用した場合における差と分かった。したがって、必ずしもチラシに載っている総額になることはない。
それを踏まえて、対策として次の対抗措置があることを提案した。
1.基本料金を差額分下げる(またはそれ以上)
2.代行料を差額分下げる(またはそれ以上)
3.料金差分を、商品でサービスする
4.値下げはしない
私は、優先順位として「4」、次に「3」を提案した。理由は、料金は一旦下げると、値上げができない。実際は差額ほどの金額差がでない。また、車検台数のマイナス幅が小さいので無視してもさほど影響がないことである。
社長は「4」は、今現在はマイナス幅が小さいが、将来的に大きくなる可能性もあり、候補から外したいと言いう。では「3」で様子を見ようということになった。
「3」の具体的な内容は、差額分に相当する金額を、商品等でサービスすることである。この方式であれば、原価は差額分にはならず会社の負担も軽減される。
商品は、次の二つを候補とした。理由は、商品の金額価値が分かりやすいからだ。「ガソリン代○○円プレゼント」または「エンジンオイル無料交換サービス」とし、反応を見ながら交互に実施することになった。
さぁ、皆様であればどう判断し、どのような対抗策を講じるだろうか?
私は、安易な価格競争は避けるべきと基本的に思っている。それよりも、独自性(価格以外)による差別化を図るべきである。
例えば、車種別基本料金をやめて全車種統一とし、そのうえで、「代替え間近車検」「走行10万キロor使用10年以上車検」「輸入車専用車検」「2年間完全保証車検」「スポーツカー車検」など、お客さまのニーズに対応した新しい発想のメニューが必要だ。
株式会社ティオ
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