自動車整備業&車両販売業のCS経営をコンサルタントする TIO21ブログ

自動車整備業、車両販売業のCS経営のためのコンサルティング、現場改善指導、制度設計、社員教育、各種セミナー・講演

リース車のメンテナンス料に思う!

2011年06月08日 | 経営・オピニオン全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、リース車のメンテナンス料に思う!、です。

日刊自動車新聞で今週の月曜日から、「リース車両のメンテナンス取引実態調査」に関する連載が始まっている。
これは、日整連(坪内恊致会長)が昨年8~10月、リース取り引きのある全国の整備事業者に対し、
「リース車両のメンテナンス取引に関する実態調査」の内容を解説したものだ。

昨日の連載では、リース車両のレバレートおよび車検整備の実態が紹介されていた。
内容は、リース車両のレバレートは平均4,200円だったとしている。

一般車両の場合のレバレートは、7,400円だから、リース車両のレバレートには考えさせられてしまう。
今、床屋さんの散髪料が4,000から4,200円程度である。高いところだと4,500円を超える床屋さんもある。
足つぼマッサージなどのリラクゼーション店では、マッサージ料が10分1,000円が通り相場である。

ということは、床屋さんやリラクゼーション店以下のレートと言うことである。
散髪やマッサージも技術料だから、リース車両のレートはあまりにも低いのではないだろうか?

床屋さんで使っているハサミは一丁10万円以上するものもあるが、整備工場の設備投資の
規模などを考慮すると、床屋さんを超えるレートでないと、わりに合わない仕事になる。

車検整備代金総額を見てみると、リース車両の平均は、2万3千円(専業2万2千円、ディーラー2万4千円)。
一般車両では平均4万3千円(専業4万2千円、ディーラー4万7千円)で、リース車両は一般車両の53.4%となっている。

因みに車検基本料金は、標準的な小型乗用車を想定した場合、リース会社が指定する「車検基本料金」は
平均2万1千円(専業2万1千円、ディーラー2万2千円)。
一方、一般顧客の場合は、平均は2万5千円(専業2万4千円、ディーラー2万7千円)となっている。

基本料金では、さほど大きな開きはないが、追加整備ではリース車両が2千円に対して、一般顧客は1万8千円と
1万6千円の大きな開きがある。

これは、レートの低さによる部分もあるが、リース車両は、追加整備がほとんどないことによると思われる。
リース車両の場合は、半年点検や1年点検などを必ず実施しているので、こうしたタイミングでオイル交換など
のメンテナンスを行っていることが、追加整備が発生しないことの大きな理由ではないだろうか。

それでもメンテナンスの受託工場になる理由として、「これまでの顧客とのつながりを切りたくない」が半数以上で、
「売上高の維持」が38.8%(専業42.9%、ディーラー28.8%)、「年間を通じての工数平準化」が36.5%(専42.9%、
ディーラー21.3%)となっている。

経営者が、「メカニックを遊ばしていても給料を払わなければならないので、多少安くてもリース車両のメンテナンス
を受託している」という言葉をよく耳にする。

分からないでもないが、それでも限度があるのではないだろうか?レートが一般顧客の56.7%にしかならないのは、
経営的に考えモノではないだろうか。

それでも、受託をするのであれば、よほどコストカットをして、4,200円のレートでも利益出せる態勢つくりが
必要である。場合によっては、リース車両のメンテナンス専門会社にしてしまって、ローコスト体制が取れる
くらいの思い切りが必要だ。

部品もリース会社から支給されて、利益「0円」の部品を使って、対応が悪いなどとリース顧客から
小言を言われるぐらいなら、一般顧客の脱落を減らすことに力を入れることを、真剣に考える時ではないだろうか。



株式会社ティオ
お問い合わせ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オートサービスショー2011の見方 | トップ | 整備業の儲かる経営計画とは... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

経営・オピニオン全般」カテゴリの最新記事