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定期点検を増やすー1:定期点検の利益貢献度は

2010年10月04日 | 生産・作業全般


おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、定期点検を増やすー1:定期点検の利益貢献度は、です。

全国各地で定期点検の普及拡大に対して、整備振興会などが中心に様々な取り組みがなされている。抽選で温泉旅行が当たるなど、景品を付けたりして消費者にアピールしている。

が、今一つ盛り上がりに欠ける、と感じるのは私だけだろうか?それは、消費者よりも整備業界側の盛り上がりが不足しているからだ。

特に、専業工場はどうも腰が引け気味である。それを示す数字がある。2年車検に対する1年点検の割合だ。私はこの値を「点検カバー率」と呼んでいる。

この点検カバー率を業態別に見てみると
 ・専業工場 :14.8%
 ・兼業工場 :23.0%
 ・ディーラー:87.0%
となっている。

専業工場の低さが目に付く。工場によっては「点検DM」をユーザーに送っていないケースも見受けられる。これでは、いくら消費者にアピールしても業界側が燃えない限り、普及拡大は遅々として進まない。

定期点検の全国平均の実施率は約4割程度だ。ということは、まだまだ開拓の余地があるということである。唯一残された整備需要ともいえる。

では、この定期点検は整備経営にどの程度利益貢献をしてくれるのかを、専業工場とディーラーの値から探ってみたい。

これは、専業工場がディーラー並みの点検カバー率になったら、ということである。計算すると実に点検売上は3,531千円となり、現状(H21年度自動車整備分解事業の概要)の5.9倍になる。

下記に示す通り、専業工場の2年車検の入庫台数は217台。これにディーラーの点検カバー率を乗じ、専業工場の1年点検の単価を乗じて求めたものだ。

 ・217台×0.87×15,654円=3,531千円

月間では294.3千円となる。粗利益率を80%で計算すると235.4千円となる。専業工場の整備要員の月額給与は231千円(3,469千円÷15か月)だから、賄えてお釣りが出る。

台数では、189台となり、現状の5.9倍となる。月間では15.8台、22日稼働で計算すると一日当たり0.72台。1台行かないのだ。

この程度であれば、作業量が増えて残業しなければならないほどのことはない。まして、整備要員を増員する必要もない。

いきなり点検カバー率87%にすることは、難しいことではあるが、点検カバー率を上げていけば、経営的には楽になる。

如何だろうか?これでも定期点検を増やすことは諦めますか。

明日に続く。

株式会社ティオ
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