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エコ整備に関する調査検討会の傍聴記(番外)

2010年04月01日 | 経営・オピニオン全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、先日開催されたエコ整備に関する調査検討会の傍聴記(番外)です。

エコ整備に関する調査検討会の報告書案について、3回に分けて紹介してきた。事業場のエコに対する取り組みはともかくとして、エコに効果のある点検整備の実施については、色々考えさせられることがある。

定期点検の普及拡大を図るための一つの切り口が「エコ」という視点は、決して間違いでないし、昨今の地球環境を考えれば、より積極的に取り組む課題であるといえる。

しかし、電気自動車のように走行中のCO2排出が「0」のクルマの場合に、なにを持って「エコ整備」と定義付けるのだろうか?エンジンオイルもない、エレメントもない、強いて挙げればタイヤ空気圧調整だけだ。これとても、諸外国のように空気圧監視装置の装着が義務づけされて、新車から標準装備になれば、定期点検整備の位置づけが薄くなってしまう。

検査の高度化と言う面でいえば、クルマに搭載されているコンピュータの点検が今後の定期点検の項目になってくるのではないだろうか。とすれば、高価なスキャンツールが必要だし、テストした結果を読み解く判定能力を持ったメカニックが必要になる。

専業工場は今の現状で、こうした部分に投資する余裕がない状況と思う。資金的な能力もさることながら、意識面で今一つ希薄なことが心配である。スキャンツールの貸出の制度を振興会が設けているものの、殆ど貸出実績が無いのが現状である。入庫のチャンスが無いといえばそれまでだが、勉強のために借りてもいいはずだし、そういう動きもありましない。

低電圧取扱講習会や、ハイブリッド講習会などには、沢山の申し込みがあるが、その場限りの勉強で終わっているように見えるのは、私だけだろうか。

チョットわき道にそれたので、元に戻そう。CO2の排出が「0」のクルマが増える時代においては、定期点検でエコ、と訴えてもユーザーの意識はそこに向かない。私は、もっと本質的な啓発が必要と思っている。それは、「動くものには保安が必要」ということの意識を、もっと高める必要がある。

そのためには、整備不良で路上故障した、街灯検査で整備不良が発見されたクルマに対して、罰則規定を設けることが必要と思う。不正改造だけではなく、不良整備においてもより厳格な対応が必要だ。これが、車両法の精神でもある「自己管理責任」と言うものではないだろうか。

また、整備工場においては、カーホームドクターとしての意識をしっかりと持つべきだ。お客さまの「保安と保守管理」は、自分たちの責任で全うする役割意識が今以上に必要と思う。

定期点検が売上のための商品ではなく、保守・保安のための商品であり、結果として売上に貢献できるという意識を持って、工場経営に励んでほしいものである。その結果、本報告書案のエコ整備が達成できると確信する。


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