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タイガー時代は、終焉なのか。 1  タイガーの弱音とも思われる発言の余波  1

2015-12-03 | 危うい日本のゴルフの世界

タイガーの復活はないのか?

初めて、弱みの発言が、気になる。

 

このたびのタイガーの発言にゴルフ界は、揺れている。特に、期待をしてきたFANやジャーナリストは、わがことのように、タイガーの弱気の発言とも思われるポスチャーに、ヤキモキしている今日である。

それは、3度も背中の手術が、もたらす肉体への影響である。つまり、金属疲労のように、若い時代の肉体は、スポーツマンであれば、誰でも経験することである。彼の実績をここで述べるには、あまりにも、時機もはや過ぎるし、その必要性は、あるまい。なぜなら、ファンやジャーナリストは、彼のゴルフの軌道をすくなからず、熟知しているからだ。それほど、タイガー旋風は、現在のゴルフの生みの親と考えた方が無難だ。体を酷使してきたタイガーは、数々の名プレヤーを葬ってきた。タイガーにどの選手も、がんばって、がんばっていいゴルフをしても、必ず。自分の前にいるのは、タイガーだったとさえ、言わしめている。ジャック時代は、当然、パーマーやゲイリーやトムワトソンなどなど、5分以上の闘いをしてくるベテランがたくさんいた。つまり、メジャー18勝のジャックにさえ、勝つのは容易でない名プレヤーがいた。しかし、タイガー登場は、華々しくステージを飾り、タイガーだけが、雲の上にいたという印象が強い。なぜなら、タイガーを凌ぐのは、へヴィー級のボクシングのチャンピオンを打倒するににていたからだ。ファンは、強いプレヤーをあがめる。神様に近い人間だと決めつける。そこに、常に、信じられない奇跡的ショットを放つからだ。日本のゴルフの至宝、青木功は、解説で、いみじくも、こんな発言をした。(タイガーは、自分のできない範疇のゴルファーだから、解説できない)と。まさに、そのとうりで、難局になればなるほど、タイガーは集中力をそぎすし、観ているものの、度肝をショットを放った。記者が、アメリカや世界にゴルフの取材で出かける情熱を切らさなかったのは、タイガーのゴルフの魅了されいたことも、パーセンテージとしては、おおきい。だから、タイガーが、マスターズ優勝で、18番に上がってくるときは、興奮のるつぼと化したステージに酔いしれた。加えて、今まで、どんな状況にあろうと、タイガーは、弱音を吐いたことがない。宮崎フェニックスで、横尾要とプレーオフをした青のシーンは、いまだ、鮮明だ。彼は、足の指を骨折していて、歩くことすら、できないほど、痛みが走っていたと思う。ジムに行くと、そんな体で黙々とメニューをこなしていた。タイガーに声をかけると、はにかむように笑顔さえ見せた。今まで、好きで興味を持っていたタイガーを、その倍以上の親しみを感じた記者であった。時々彼の父親のアールと最初のマスターズ優勝で抱き合い涙する場面を、見る。なぜか、どうしてかわからないが、独り静かに頬を濡らす。親子の愛情だけにこみ上げるのではない。追われる立場になり、いつか、いつか、その時が来るとは咀嚼していたが、このたびのインタヴューで、よわねらしい懐古の言葉が真実のような気がする。メジャー14勝、あとジャックの金字塔を破るにあは、あと5つ、と決めつけていたが、それが、無理だと分かった今、これほど、寂しいことはない。

タイガーを蝕んだ肉体の故障は、致命的かもしれない。スポーツ選手が、故障の時は、徹底した治療で復活の原動力としなければならない。タイガーは、復活へ急ぎすぎたのではないか、体を80%で充分な戦いをするには、無理が来るだろう。その理由は、試合勘を喪失するのが、怖かったかもしれない。彼は、勝つために来た。と口角を重ねてきた。でも、スポーツ選手の寿命は、そうゆるかな、単純なものではない。

彼を見て、育った選手がいま、ステージを最大に飾っている。マクロイやスピースやデイなど、トップをいく選手が2世代の傑物選手に育った。言葉を換えれば、タイガーが、ゴルフ界を、完璧に、変化させたのだ。

スポーツは、自信が最大の武器だ。その自信にひびが入った時に、選手の命は、消える。肉体が、もたらす精神的ショックは、大きいのだ。タイガーのことを思うと、記者は眠れない。(古賀剛大)

              

 

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