tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

大阪の水道水

2006年04月22日 | 日々是雑感
子供の頃、親に連れられて大阪へ行くときの最大の楽しみといえば、高島屋(難波)大食堂のソフトクリームだった。甘いアイスもパリパリのコーンもとても美味しくて、感激しながら食べたのだが、不思議だったのはコップの水の味だ。

田舎の水道水や井戸水と違い、病院の空気のような塩っぱい味がついている。お茶も同じだった。ソフトクリームのあまりの美味しさと、水のあまりの不味さのコントラストは、子供心に深く刻まれた「浪速の味」だった。

その先入観はあとあとまで尾を引いた。最近私は時々大阪へ出張する。夏などとにかく大阪は暑いので、駅の冷水器などで水をがぶがぶ飲む。幼い頃に覚えた味を思い出し、最初はこわごわ口をつけたのだが、意外にも不気味な味は消えていた。

「冷たいから美味しく感じるのかな、それとも味覚や嗅覚が衰えたのかな」と軽く流していたのだが、先日、新聞を読んでその疑問が氷解した。朝日新聞夕刊1面トップに出た「大阪の水『まずくない』 高度処理 質OK」という記事だ(06年4月17日付 大阪本社版)。

漫画家の西原(さいばら)理恵子が、センバツに出場する八重山商工高校の選手に「大阪ってさあ、水と空気が日本一まずいじゃない」「水道水、飲んじゃだめよ」と声をかけ、それがNHKでオンエアされた。これに発憤した府の水道部は水道水を詰めたボトルを送った。西原はこれを現地で確かめるため、NHKのスタッフと守口市の浄水場を訪ね、市販のミネラルウォーターと飲み比べて取り違えたという。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200604170019.html

ミネラルウォーターと間違うほど、水道水の味が劇的に改善していたとは、素晴らしい。大阪も、なかなかやる。思えば大阪は古くから水の都(水都)と呼ばれてきた。見事な水都復活に、エールを送ろう!

※写真は西梅田・オオサカガーデンシティの地下街(06年1月16日撮影)。そういえば泉の広場といい阪急三番街といい、大阪の地下には水の流れる装飾が多い。写真の赤い円柱も土管に見える。これも水都のシンボルか。
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ならまち(奈良町)の観光活性化策

2006年04月18日 | 日々是雑感
昨日(4/17)、ならまち振興に取り組む有志の集いで、ならまちの観光活性化についての講話(報告)があった。(社)中小企業診断協会奈良支部(西野宗治支部長)が、05年度に取り組まれた調査・研究事業の報告会だ(調査実施は9月)。

この日は、支部長と調査主担当の石川史雄氏からご説明いただいた。
※報告書の全文は、以下のサイト(05年度の調査研究事業・奈良支部の欄)ご参照。
http://www.j-smeca.or.jp/

なお、ならまちとは元興寺(がんごうじ)の門前町として発展し、江戸時代には奈良の中心地として栄えたところで、レトロな「むかし町」として今や人気の観光スポットだ。私もかつて紹介記事を書いたことがある。
※奈良町の見どころ、食べどころ
http://www.janjan.jp/area/0511/0511064814/1.php?PHPSESSID=25

今回の報告会の概要は以下のとおりだ。なお「 」内はこの報告書(「調査の概要と提言」ページ)からの引用である。

「1.『ならまち』は世界遺産や観光施設の集積、町家が保存された町並み景観が好まれ、年間100万人が訪れる観光地」。
奈良市を訪れる観光客は年間1300万人というから、うち約8%はここへ来た人だ。

「2.来街者は他府県からはじめて来た人が多い」
52%は初めて。しかも全体の64%が奈良県外から。来街者の69%は女性で“DISCOVER JAPAN”の昔から、小京都(むかし町)を訪ねるのは圧倒的に女性なのだ(私も大好きだが)。

「3.来街者にとって『ならまち』はアクセスが悪く、案内表示も不足しており不便」
近鉄・JR奈良駅、JR京終(きょうばて)駅から遠くはないのだが、やはり分かりにくいようだ。私も最初は迷った。道の案内板も少ないし、ならまちに入ってからも分かりにくい。

「5.『ならまち』について各種メディアで取り上げられる機会は増えているが、『ならまち』からの発信、紙情報などのPRはまだまだ不足」
これは私も紹介記事を書く時に実感した。ホームページを持っているお店は、ごくわずかだ。ちゃんとPRしなければ、お客は来てくれなくなる。

「7.来街者のみやげ物購買率は3分の2」
意外に多いなぁ。買い物予算は1~3千円だそうだから、平均2千円として、2000×100万人×2/3=13億円も売り上げている、立派なものだ。

「8.商店側で『みやげ物』と考えていない商品を来街者は『みやげ物』として買い求める。9.みやげ物として来街者が期待するものは『他では手に入らない』物」
これは納得。私もお米屋さんで県内産の黒米を買ったり、酒屋さんで地酒を買ったりしたことがある。そういう観光客の心理を突くものを並べなければ。

「10.新しいみやげ物開発を進めることが望まれる。例えば『ならまちブランド』として『シルクロードの終着駅』を取り上げることなど」
奈良は天平の昔から世界の文物が行き交った都。今でも大陸由来のもの(お香、中国茶、とんぼ玉など)が売れているようだが、この辺をテーマにすれば、他のむかし町とは差別化できるだろう。

というわけで、大変参考になる調査報告であった。これらを切り口に、ならまちの、そして古都・奈良の観光振興策を編み出さなければ。2010年(平城遷都1300年)も迫っている。

※写真はならまちのど真ん中、漢方薬・菊岡さん前。お隣は奈良町物語館。
(05年11月3日・文化の日に撮影)
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法華寺おりおり(3)菊桃

2006年04月16日 | 写真
菊池桃子、略して「菊桃」、ではない。写真は、江戸時代からある桃の園芸品種で、花が菊のようになるのでキクモモ。ハナモモ(花桃)ということもある。中国北部原産、バラ科の落葉樹だ。

昨日の4/16、法華寺(奈良市法華寺中町)を訪ねると、この花が咲き始めていた。つぼみもたくさん付いているので、満開になるとさぞ賑やかなことだろう。

この日の奈良盆地は天気予報どおり、雨のち曇り。法華寺を訪ねた時は小雨が降り、気温も低くてほとんど人がいない状態だった。東庭園では山桜や桃、水仙や椿が満開だったのに、もったいないことであった。

ところで、いよいよこの日の午後4時、京奈和自動車道の一部(郡山IC~橿原北IC)が開通した。これまで渋滞がひどかった区間なので、大幅な時間短縮となる。22日には五条道路の一部も開通する。

私も来週はこの道を通って明日香村へ行く予定だ。花の写真もたくさん撮るぞっ。中南部の方は、ぜひ奈良市へお出ましを。



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クローンな花見

2006年04月15日 | 日々是雑感
今年も大阪造幣局の「桜の通り抜け」が始まった(4/12~18)。公式サイトにあるとおり「大半は遅咲きの八重桜で、満開時の美しさはたとえようもなく(中略)浪速の春を飾る風物詩として、人々に愛されています」。
※造幣局の公式サイトhttp://www.mint.go.jp/

写真は昨年撮ったもの(05.4.16)。大手毬(おおてまり)、紅手毬、松月、楊貴妃など、優雅な名前の約120種・370本の桜が咲き誇り、まるで桜の見本市だ。私も初めてここの桜を見たときは、「人生いろいろ、桜もいろいろだなぁ」と驚いたものだ。

かつて堺屋太一氏は、桜は淡泊な色彩で、一斉に咲いて一斉に散る。それが集団主義的な日本人の発想・生き方に適合していた、と書いていた。しかしよくよく考えれば、それはソメイヨシノ(染井吉野)の話だ。

ソメイヨシノは、すべてクローンである。この桜は江戸末期、染井村(東京都豊島区)の植木屋さんが「吉野桜」として売り出した園芸品種だ。オオシマザクラとエドヒガンの雑種で、同じ木から実をつけることができないので、接ぎ木や挿し木で増やす(なお吉野山の桜は、ソメイヨシノでなくシロヤマザクラ。さくらんぼの種を植えれば木になる)。

一本の木から生まれたクローンなので、当然、同じ土壌・同じ気象条件なら一斉に咲いて一斉に散る。これに対し通り抜けの桜などは、色も形も様々で、咲く時期も散る時期もバラバラである。

今春の関西地方は、こないだの土日(4/8~9)は黄砂で曇り、この土日も雨のち曇り、とサエない天気が続くが、八重桜(ぼたん桜)や山間地の山桜などこれから見頃を迎える桜も多い。

「花見ができない」とガッカリせず、これから見頃となる桜を探し求めるのも、4/9のブログに書いた「陽気な桜の楽しみ方」だと思うのだが。
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Web2.0 というニューウェーブ

2006年04月12日 | 日々是雑感
4/11の日経金融新聞「この本売れてます」欄(八重洲ブックセンター調べ 2/26~3/25)ビジネス書のトップは、梅田望夫著『ウェブ進化論』(ちくま新書)だった。

堅いこの本がトップとなったのには驚いたが、同書が広めた「Web2.0(うぇぶ・にーてんぜろ)」という言葉はもはや流行語となり、gooブログを初め、ネット上のあちこちで飛び交うようになってきた。

この言葉、名付け親は米国出版社の経営者ティム・オライリー氏らで、企業や専門家主体の「1.0」と区別してそう呼んだという。

同書ではWeb2.0を「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者でなく能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢」と定義づけている。
※書評:「『ウェブ進化論』で読み解くWeb2.0の世界」
http://www.janjan.jp/business/0604/0604041908/1.php
(インターネット新聞『JanJan』に掲載)

朝日新聞は「Web2.0 広がる参加型ネット」(06.4.3付)という記事で、Web2.0の代表例として、
1.ブログ
2.SNS(mixiなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス)
3.口コミ・知識集約サイト(Wikipedia、はてな など)
4.検索サービス(google、technoratiなど)
の4つを紹介している。

最近では「ビルコレ」という「お買い物を楽しむSNS型クチコミサイト」まで登場した。ネット上での口コミを商品購入につなげる新サービスで、自分の推薦した商品が購入された場合、購入者と推薦者に2:1の割合でアフィリエイトポイントが付与される。
※ビルコレのサイト
http://bilcolle.com/

この流れに焦っているのが、例えばYahoo。米国Yahooの創業者で取締役のジェリー・ヤン氏は「当社のことを(Web2.0の流れに取り残された)恐竜と言う人もいる。だが、いま我々はWeb2.0に対応できるように生まれ変わろうとしている」と語っている(Yahoo!JAPAN 10周年記念の記者会見 06.3.28)。

朝日の記事は「本質を見極めないままの投資もある。かつてのネットバブル前の雰囲気」を思わせる、というコメントもあわせて紹介している(伊藤忠テクノロジーベンチャーズ・中野慎三取締役)。

確かにこのニューウェーブが、ビジネスとしてどう展開するかは未知数だろうが、私たち利用者にとって大福音であることは間違いない。うまく波に乗って行きたいものだ。

※写真は本物のWeb(蜘蛛の巣)。05年8月に明日香村で見つけたもの。
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