tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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西方極楽浄土をイメージした円成寺本堂/毎日新聞「やまと百寺参り」第

2020年02月28日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。本年(2020年)2月13日付で掲載されたのは「西日差す本堂 法悦の時/円成寺(えんじょうじ 奈良市)」、執筆されたのは同会会員でアーティストの藤井哲子さん。
※トップ写真は、阿弥陀如来坐像を安置する本堂=奈良市忍辱山町の円成寺で

多芸多才な女性で、ご本人からいただいたプロフィールには「ピアノ・電子オルガン講師を経て心象風景を絵(油彩・アクリル・墨・CG)や音楽(コンピューターで多重録音)で表現 自主制作 CD8 枚 講演活動(奈良まほろばソムリエ)」とある。今は奈良テレビ放送の「ゆうドキッ!」(木曜日)の「お出かけ情報」を友松洋之子(ともまつ・よしこ)さんと交代で担当されている。私は「ソムリエの会の女神」というニックネームをつけた。

藤井さんは『奈良百寺巡礼』でも円成寺を書かれたが、そちらは運慶の大日如来坐像(国宝)の話が中心だった。新聞ではがらりと視点を変え、本堂を紹介された。お寺のHPには《本堂内陣母屋四本柱には、本尊阿弥陀如来に従うように観音菩薩、勢至菩薩をはじめ、様々な楽器を演奏し舞い踊る諸菩薩が極彩色で描かれています。阿弥陀二十五菩薩来迎の構成を意識したもので、本尊阿弥陀如来と一体となった空間構成をつくることを考慮にいれて制作されたものだと思われます》とある。では記事全文を紹介する。

春日山原始林の東方に位置する円成寺。少し陽が傾き始めるころ、本堂に一歩足を踏み入れると、西側の障子からの柔らかな日差しに、本堂の中は格別の空気に包まれます。湧(わ)き雲の白が鮮やかな内陣の柱が、参拝者の視線をいざないます。

描かれた二十五菩薩(ぼさつ)が楽器を奏でながら飛翔(ひしょう)する姿は、さながら浄土の音色が舞っているようです。持国天と多聞天の間から見上げる本尊、阿弥(あみだ)陀如来坐像(ざぞう)(重文)の横顔は、柔らかな黄檗色(きはだいろ)の輪郭を帯び、いっそう優しく浮かび上がります。

「仏の本様」と称(たた)えられる定朝様式の調和のとれた温雅な様相が、波動となって参拝者にとびこんでくるようです。宝相華(ほっそうげ)唐草文様の光背に残る金箔(きんぱく)を目にすると平安時代後期の造立当時の煌(きら)びやかさに思いがめぐります。

本堂の階段を下りる時、そのアングルからしか目にできない楼門の門と三つの窓がかもしだす四つの額の絵のような光景に、また心ときめくのです。(奈良まほろばソムリエの会 会員 藤井哲子)

(宗 派) 真言宗御室派
(住 所) 奈良市忍辱山(にんにくせん)町1273
(電 話) 0742・93・0353
(交 通) 近鉄奈良駅からバス「忍辱山」下車徒歩2分
(拝 観) 9時~17時、大人500円、中高生400円、小学生100円
(駐車場) 有(無料)


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