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神武天皇を導いた八咫烏(やたがらす)がご祭神の八咫烏神社(宇陀市榛原)

2024年04月07日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。先月(2024.3.28)掲載されたのは〈神武東征の伝説ゆかり/八咫烏神社(宇陀市)〉、執筆されたのは奈良市にお住まいの田中孝憲さんだった。
※トップ写真は、八咫烏神社の拝殿=宇陀市で

この神社には、ユーモラスな「八咫烏像」がある。2002年の日韓ワールドカップを記念して、設置されたものだ。では、全文を紹介する。

八咫烏(やたがらす)神社(宇陀市)は、平安時代の神社一覧「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)」に記された、日本で初の八咫烏を祭神とした神社です。

古事記や日本書記によると、八咫烏は、初代・神武天皇が日向(ひゅうが 宮崎県など)から大和を目指した東征の中で吉野山で停滞する一行を道案内し、勝利に貢献したとされます。また、平安時代の古代氏族名鑑「新撰姓氏録(しんせんしょうじろく)」では建角身命(たけつぬみのみこと)が八咫烏に変身したと伝わります。

日本書記に続く勅撰(ちょくせん)の正史「続日本紀(しょくにほんぎ)」によると、705(慶雲2)年、「八咫烏の神社を宇太郡に置いた」などと記しており、この年が創始の年とされます。

正しい道に導き、勝利に貢献した神として交通安全、厄よけ、必勝祈願に御利益があるとされます。日本サッカー協会のシンボルマークに採用され、2002年の日韓ワールドカップ記念の八咫烏像が拝殿横にあります。

八咫烏は3本足の印象ですが、記紀神話に足の数の記述はなく、中国神話で3本足のカラスが「三足烏(さんそくう)」と呼ばれ、太陽にすむとされます。このため、熊野(紀伊半島南部)の太陽を神格化した「太陽信仰」の3本足のカラスと八咫烏が、ある時期に混同されたようです。このような壮大な神話の世界に思いをはせながら、お参りください。(奈良まほろばソムリエの会会員 田中孝憲)

(住 所)宇陀市榛原(はいばら)高塚42
(祭 神)建角身命(たけつぬみのみこと)(八咫烏大神 やたがらすのおおかみ)。祭神が八咫烏なのは全国初
(交 通)近鉄榛原駅からバス「高塚」で下車、西へすぐ
(拝 観)境内自由
(駐車場)あり(無料)
(電 話)0745・82・2046


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