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町家の雛めぐり(高取町)高齢化で最終回…復活祈り(毎日新聞「見聞録」2024)

2024年03月16日 | お知らせ
先日、〈「町家の雛めぐり」(高取町土佐街道)、今年が最後の開催に!〉という話を当ブログ(2023.3.12付)で紹介した。奈良新聞に載った記事を掲載したものだ。このブログ記事をFacebookに転載したところ、149人の「いいね!」と、26件のコメントをいただいた。
※トップ写真は、毎日新聞の記事サイトから拝借

その話が今度は毎日新聞奈良版の「見聞録」欄(2024.3.13 付)に、大きく取り上げられた。そこでは、代表の野村幸治(ゆきはる)さんが、ご病気で自宅療養されていることや、病床での「終了は残念だが、いつか若い人が行事を復活してほしい」というコメントも掲載されていた。この記事も紹介するに十分な価値があると思うので、以下に全文を抜粋する。

町家の雛めぐり(高取町)17段500体中心に 50軒が展示 高齢化で最終回…復活祈り
高取町の活性化のため、住民が2007年に始めた「町家の雛(ひな)めぐり」。高取城の城下町・土佐街道沿いの約50軒の商店や民家が1カ月間、家の人形を店先などに展示する催しで、過去には最大約5万人を集めた。しかし、この名物行事が2024年で終わると聞き、出掛けた。背景には、主催者のまちおこしグループ「天の川実行委員会」の中心メンバーの高齢化があり、存続が難しい事情が見えてきた。【皆木成実】

イベントでは、主会場の「雛の里親館」(同町上土佐)で、ひな壇17段に500体を飾る「天段の雛」の迫力に圧倒される。最初は数がそろわず、先進地である徳島県勝浦町の開催団体から人形の「お裾分け」を受けたが、毎年、高取町民から寄贈を受け、立派なひな壇に。会場名の「里親館」は各家の大事な人形を預かっていることに由来している。

主会場だけでなく、城下町の町家や店舗に自慢の人形が並ぶのが雛めぐりの魅力だ。化粧品店経営の女性(77)は、母から受け継いだひな人形を店頭に飾り、「愛着ある人形を観光客に褒めていただくのは、うれしい」と話す。

また、近くの壺阪寺(同町壺阪)も、ひな人形を並べる行事「大雛曼荼羅(まんだら)」を開催中。13年から「雛めぐり」の協賛行事として始めたが、今年は約4000体に増え、「本家」をしのぐ。雛めぐりが終了した25年以降も、寺独自で続ける予定だ。

雛めぐりは、天の川実行委の野村幸治代表(81)が勝浦町の「ビッグひな祭り」にヒントを得て始めた。野村さんは大手証券会社を経て系列会社を退職後の02年に高取町に帰郷。古里に、かつてのにぎわいがなくなったと感じ、翌03年「町観光ボランティアガイドの会」を結成した。

まず町のシンボル・高取城跡が「日本三大山城」と呼ばれるにもかかわらず、知名度が低いことを問題視。奈良産業大(現奈良学園大)の学生らの協力で07年、城をコンピューターグラフィックス(CG)で再現した。

合わせて06年、「天の川のように高取を輝く町にしたい」と天の川実行委を設立。翌07年春から雛めぐりを主催し、09年秋には同じ土佐街道を舞台に「高取かかし祭り」を始めた。しかし、近年は中心メンバーが高齢化したため、かかし祭りは23年10月に終了し、雛めぐりは24年3月で最終回とした。

野村さんは昨年5月、病に倒れて、自宅療養中で、副代表の妻美千子さん(74)が行事を仕切っている。私(記者)は過去に野村さんを取材した経験があり、自宅に見舞いに行った。野村さんは病床で「終了は残念だが、いつか若い人が行事を復活してほしい」と話した。その願いは将来、かなえられると私は信じたい。


第18回町家の雛めぐり
31日までの午前10時~午後4時、高取町の土佐街道沿いの町家や店舗で開催。無料。観光案内所「夢創舘」(0744・52・1150)。協賛行事「大雛曼荼羅」は4月18日まで、同町の壺阪寺の礼堂(らいどう)(重要文化財)と大講堂で開催。拝観は午前8時半~午後5時。入山料は一般800円など。同寺(0744・52・2016)。


毎日新聞奈良版(2024.3.13付)
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