10月7日から東京で世界体操選手権が開かれるが、日本体操界に野球のイチローや競馬の武豊と並ぶ天才チャンピオンがいるのをごぞんじだろうか。それは内村航平選手である。
内村選手は現在、世界選手権個人総合2連覇中である。その実績はかつての体操の名選手をしのぐし、アマチュアスポーツの世界では、水泳の北島康介選手や陸上の室伏広治選手にも匹敵するだろう。
しかし体操競技はマイナースポーツで、かつてはオリンピック5連覇を成し遂げた日本のお家芸であるにもかかわらず、スポットを浴びるのはオリンピックの年だけ。従って内村選手もその才能や実績の割には今ひとつ知名度が低い。
東京オリンピックの頃から見てきた体操ファンからすると、遠藤幸雄、加藤沢男、笠松茂、具志堅幸司、冨田洋之など、数々の名オールラウンダーを生んできた日本の体操界でも、内村選手の才能はひときわ抜きん出ている。
技の難度、さばきの美しさ、着地のキメ、6種目そろった安定感。どれをとっても申し分ない。難度と美しさの両立というのがもともと日本体操の伝統だったが、その半世紀の伝統が生んだ最高傑作が内村選手なのである。
顔もかわいいし、お母さんのキャラクターもよい。多くの方が彼の演技を見てこれを機にもっと人気が出てほしいと、一体操ファンとして切に願う。
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