テスラ研究家・新戸雅章の静かなる熱狂の日々

エジソンも好きなテスラ研究家がいろいろ勝手に語っています。

親友の結婚披露パーティ

2011-09-29 13:09:10 | Weblog

 日曜日に中学校時代の同級生で、銀座で画商を営む親友の結婚披露パーティに出席した。画家の奥様も以前からぞんじあげているが、才能豊かで、よく気の付くたいへんすばらしい女性である。
 最近はやりの年の差カップルだが、これ以上のお似合いのふたりはいないとお見受けした。ともかくめでたい。


「遊行の盆」でひと踊り

2011-09-29 13:04:27 | Weblog

 先週の土曜日は「遊行の盆」のコンテスト。作業所の職員、メンバー、花柳輔礼乃先生のグループとともに「踊りポトピーズ」で参加した。
 今年からコンテストは市民まつりの中に組み込まれたが、会場は例年通り、遊行通りだった。参加チームも昨年とほぼ同数。もっと参加者がふえて、盛り上がってほしいが、5年たって少し息切れしてきたか。
 昨年は準優勝をいただいたが、今年は残念ながら賞とは無縁だった。それでも楽しく踊ることができ、気分は上々。加えて、福祉まつりでご縁のあるジャズ・ダンスグループ「ジャジャサークル」(小学生中心)が、見事、優勝に輝いたことが、わがことのようにうれしかった。
 疲れたので打ち上げは次の機会ということになったが、東京から遊びに来てくれた「遊行の盆」の作曲者J・A・シーザーと有志で遅くまで飲んだ。


昨日、テスラの夢を見た

2011-09-14 20:17:23 | Weblog

 きのうテスラの夢を見た。

 気が付くとわたしは大きな会場の奥にすわっていた。場内は聴衆で満員。どうやら電気の専門家が集まっているらしい。
 油断していると、突然、議長に指名された。
「会場に新戸さんがきているから、テスラについて3分間で話していただこう」
「ええっ?」
 準備も無ければ、時間もわすか3分。いったいどうやって。
 そうかノートパソコンの中に原稿がと気付いて、あわててバッグを探ったが、みつからない。困惑しているうちに、演壇のうしろに立たされていた。
 目の前には絶叫する女性講演者。熱弁をふるうも、野次とブーイングの嵐にかき消されてしまう。最後は司会者に足をつかまれて引きずり下ろされた。
 なんとか考えをまとめなければ、あせっているうちに自分の番がきた。
「テスラとは……」
 第一声をあげたものの、頭は真っ白。次の言葉がどうしても出てこない。
 ふとひらめいて、もっていたマーカーで鼻の下にひげを描いた。
 ひげをはやしていた頃、一度だけ、テスラに似ているといわれたことを思いだしたからだ。
「これがテスラです」
 顔をあげて大見得を切ったが、みなポカンとして見上げている。
 あわてて、今度はうしろのホワイトボードにテスラの似顔絵を描いた。
 意外にうまく描けたつもり。
「これがテスラです」。
 しかし会場からは相変わらず反応がない。そのうち、奥のほうがざわついてきた。やむをえず講演にはいったが、考えがまとまらないせいか、うまく言葉が出ない。
 そこへ専門家らしい男がチャチャをいれてきた。
「交流の周波数がああだらこうだら、関東と関西がどうたらこうたら、ゼネラルエレクトリックとウェスティングハウスがうじゃうじゃ……」
 わたしはいらつきながら答えた。
「そんな些末な話はどうでもよろしい」
 それでも、まだしつこくからんでくる。
「直流送電と交流送電がうんたら、かんたら……」
 場内は野次と怒号で、声もかき消されるほど。
 わたしのいらいらは極に達し、ついに爆発した。

「いいか、君たち。東北大震災や原発事故で問題になっている電力システム、その基礎をつくったのはだれか。ニコラ・テスラだろう。しかし彼の名前は歴史から消されてしまった。これは君たち専門家が怠慢だったからじゃないのか」
 怒りの余りわたしはほとんど絶叫していた。
「それだけじゃない。電力利権と一体化した君たちは、無線電力システムを推進しようとしたテスラを抹殺しようとしたではないか。今日の原発事故はその私利私欲の帰結だろう。ちがうのか」
 言い終わると、場内は一瞬にして水を打ったよう。
 それから割れんばかりの歓声、拍手が起こった。
 わたしは聴衆を見回し、静かに一礼して演壇を降りた。
 ここで目が覚めた。

 夢の中の科学者への怒りは、おそらくわたし自身への怒り。テスラの名を広められない不甲斐ない自分への怒りでもあっただろう。
 あるいは、そんなわたしへのテスラからの叱咤激励だったかもしれない。

 芝居で滞っていたテスラ本(「天才の発想力」)の電子出版化と「テスラ研究」の編集を急ぐことにしよう。


「さんせう太夫」公演、無事終了

2011-09-14 20:01:27 | Weblog

 9月11日(日)は「さんせう太夫」の楽日。
 公演前に恒例、本堂でのパネル・ディスカッション。
 パネラーは地元在住の作家佐江衆一氏、愛知学院大学教授で、国際寺山修司学会の創立者清水義和氏、遊行かぶきの創始者で「さんせう太夫」演出の白石征氏の三氏、そして司会は不肖わたくし、テスラ新戸(笑)。
 半年前の東北大震災を踏まえながら、今回の芝居を軸に、中世、別離、漂泊、孤独、家族、共同体、芸能などのテーマについてたっぷりと語っていただいた。
 パネラーとの縁で、寺山修司の短歌が語られたかと思えば、遊行寺つながりで一遍の歌に及び、震災、津波、原発事故などの災害から、戦争と破壊、科学と近代文明、日本人強制収容所、満州などへ話題は飛んだ。
 司会の力を超える場面も多かったが、主題を大きく踏み外さずにすんだのは逆境に立ち向かう日本人に寄せるパネラーたちの深い信頼と共感があったから。それは引き裂かれながら、なおも家族再会を信じる安寿と厨子王の魂とも相通じるものではないか。そんなことを考えながらお話をうかがっていた。
 
 この後の公演は大成功。出演者一同全力を出し切った満足感にひたりつつ、打ち上げに突入した。
 制作サイドの一員として、出演者、スタッフ、そしてなにより残暑厳しい中、3時間の長丁場におつきあいくださった観客の皆様に厚く御礼申し上げたい。

 


芝居のご縁で楽しいひととき

2011-09-12 23:58:04 | Weblog

今日は「さんせう太夫」2日目。芝居を観に来てくださった科学書評家の猪野修治さん、東京大学出版会編集局長の竹中英俊さん、工作舎社長の十川治江さんと居酒屋「宗平」で打ち上げ。
東大出版会といえばその名の通り知的権威の牙城。片や工作舎といえば1970年代、80年代に一世を風靡した反権威の象徴。そのトップ同士が居酒屋の片隅で酒を酌み交わすというのも、なかなか乙なもの。
イデオロギーや理論とは無縁な四方山話で愉しい時間がすぎた。


今日は「さんせう太夫」公演の初日

2011-09-12 23:54:36 | Weblog

今日は「さんせう太夫」公演の初日。J・A・シーザー、三上宥紀夫といった天井桟敷ファミリーも加わって、恒例「いろは茶屋」で初日の打ち上げ。
舞踏論から数学論まで、楽しく語らっているうちに最後はわたしと矢野さん、賀来さんという藤沢組だけが残った。残りものをつまみながらうだうだ話を続けて、ようやくお開き。
初日からちょっととばしすぎた。


『さんせう太夫』初日まで一週間を切った

2011-09-05 00:32:32 | Weblog

遊行舎の『さんせう太夫』初日まで一週間を切った。
今日が公民館最後の稽古。
明日からは舞台を遊行寺本堂に移して、舞台設営と本番に向けた転換稽古・通し稽古にはいる。

毎年、素晴らしい舞台にかかわれる幸せをかみしめているが、今年も老体に鞭打って少しでもお手伝いしたいと思っている。

藤沢・湘南の皆様、藤沢にはこんにレベルが高いオリジナリティあふれる演劇があるんですよ。東京や横浜に出かけている場合ではありません。
東京・関東、いや日本全国の皆様、ぜひ遊行かぶきを見に藤沢においでください。

遊行舎ホームページ


『テスラ─発明的想像力』の増刷について

2011-09-05 00:16:08 | Weblog

 

  2003年に刊行した拙著『テスラ─発明的想像力の謎』(工学社)が、このほど増刷されて第3版となった。この出版不況の中、わずかずつでも増刷され、出版が継続されているのはありがたいことだ。
 本書はテスラの発明的な想像力を軸に、科学史、技術史、文学、神話、心理学などの知識を援用しながら、オカルトと技術の接点にあるイメージの起源に迫ろうしたものである。取り上げた話題も、UFO、電磁波、地震兵器、殺人光線といったあやうい話題から、電球、写真技術、航空機まで幅広い。
 わたしは1980年代からSF評論などに取り組むかたわらニコラ・テスラの研究・紹介につとめてきたが、その際、オカルト的・技術的イメージの考古学を隠れテーマとしてきた。本書はその部分を全面的に展開し、裏文化の正統的評価を企図したもので、表文化の裏面史的な前著『逆立ちしたフランケンシュタイン』とは対をなしている。
 何分浅学非才ゆえ、充分に論を尽くせたかどうかはこころもとないが、大筋の意図は貫けたのではないかと思っている。 「アマゾン」に掲載さている2つの書評は点数も評価も異なるが、どちらもあたっているように思える。
 妖しく、怪しく、奇しい想像力に興味がおありの方は、上記、書評などを参考に一度お手にとっていただけるとありがたい。

『テスラ─発明的想像力の謎』
新戸雅章
工学社
2003年
1800円


一二三の「うひょー」②

2011-09-02 18:40:07 | Weblog

 念願の名人位を手にした加藤は、翌年、22歳の谷川浩司の挑戦を受けた。今度の予想は加藤名人有利。いくら次代の覇者と目される谷川でも初陣では荷が重いというのがその理由だった。しかしやはり勝負はふたを開けてみるまではわからない。
 谷川の勝利で始まった第41期名人戦は、谷川優位に運び、5戦闘って3勝2敗。若き挑戦者が名人位に王手をかけた。そして迎えた6局目。

 この対局を、わたしは新宿駅西口の大盤解説で観戦した。念願のタイトルを手にした中年の星加藤名人への同情と、実際にご本人を見かけて、親しみを感じていたこともあって仕事帰りに立ち寄ったのである。
 当日の大盤解説は因縁の大山康晴15世名人だった。この戦いも谷川の有利に運び、加藤が駒を投じた。
「新しい名人の誕生ですね」。谷川の勝利を確認した大山の声がやけにうれしそうで、少し憎らしい感じがしたものだった。

 この後、加藤に名人挑戦のチャンスはめぐって来ず、獲得は一期限りだったが、神武以来の天才の名人位をかけた死闘16番は「うひょー」とともに永遠に語り継がれることだろう。


遊行かぶきの季節がやってきた

2011-09-02 14:48:34 | Weblog

 

 

わたしはこの十五年、湘南・藤沢演劇の中核をになってきた遊行かぶきをずっと応援してきた。その遊行かぶきの季節がまた近づいてきた。
 遊行かぶきは藤沢在住の演出家白石征さんが提唱している中世説教節に材をとった作品群である。これまで『小栗判官と照手姫』『一般聖絵』、『しんとく丸』などを世に問い、中世と現代をつなぐ地霊の演劇として絶賛を博してきた。昨年は説経節の代表作『さんせう太夫』に挑み、遊行かぶきの集大成を見せたが、好評に応えて、今夏もその続演が決定した。
『さんせう太夫』は、近世では近松半二や竹田出雲などによる歌舞伎や浄瑠璃の演目となり、近代では森鴎外の小説によって一躍有名になった。名匠溝口健二による映画化(田中絹代、香川京子ら)も高い評価を受けている。
 今回も、わたしは文芸・制作手伝いとして、稽古からおつきあいさせてもらっているが、その熱気を見る限り、昨年をしのぐ舞台になるのは必定。遊行かぶきのエッセンスを凝縮したこの中世演劇の傑作を、ぜひ多くの方にご堪能いただきたい。

さんせう太夫 ─母恋い地獄めぐり

 闇に聞こえる「鳥追い歌」に導かれて再会を果たす母子。その一途な思いに、日本人が忘れてきた〈幸福のかたち〉が

白石 征/脚本・演出 寺山修司/短歌 J・A・シーザー/音楽
◎期日:2011年9月9日(金)・10日(土)・11日(日)
◎会場:遊行寺本堂
◎期日:2010年9月9日(金)17:30開演/10日(土)15:30開演/11日(日)13:00無料シンポジウム、15:30開演  ※開場は各30分前

●料金
当日 3,500円、前売 3,000円、学生 2,000円 全席自由
●チケット取扱い
有隣堂藤沢店 0466-26-1411(代)
藤沢名店ビル2階サービスコーナー
電子チケットぴあ pia.jp/t(Pコード 412-802)0570-02-9999
●お問い合せ・電話予約
遊行舎 TEL 0466-34-9841