テスラ研究家・新戸雅章の静かなる熱狂の日々

エジソンも好きなテスラ研究家がいろいろ勝手に語っています。

映画「プレステージ」がおもしろい、テスラコイルも最高!!

2007-03-16 19:53:35 | Weblog
 タイトルが「イリュージョンVS」から原題にもどった映画「プレステージ」のマスコミ向け試写を見てきた。お目当てはもちろんテスラだったが、冒頭から作品自体にぐいぐい引き込まれた。
 19世紀ロンドンを代表する二大奇術師。その天才マジシャン同士が命を削るマジック対決を演じる。ミステリアスでSFチックで、テスラチックなストーリーは最後までドンデン返しの連続で、息もつかせない。まさに世紀のイリュージョン対決である。

 もともと19世紀ロンドンでは、マジックショー、心霊術、科学パフォーマンスは、見世物として一体化していた(R・D・オールティック「ロンドンの見世物」)。近代奇術の父ロベール・ウーダン、マスキリンなどの奇術、霊媒の交霊術、D・D・ホームなどの超能力、そしてテスラの放電マジックは同じような神秘と驚異をもって市民に受け入れられていたのである。その当たりの世紀末的雰囲気はこの作品でもよくとらえれていた。(原作のプリーストの功績も大きいだろう)
 拙著「逆立ちしたフランケンシュタイン」でもふれたが、わたしはもともとこういう混沌としたアンダーグラウンド世界が大好きなので、興味もひとしおだった。

 で、肝腎のテスラ=デヴィッド・ボウイはどうだったか。もともとボウイはどことなくテスラに風貌が似ているし、クールな天才科学者のイメージによく合っていた。演技も悪くない。ただ、本物のテスラなら、自分の発明についてもう少し情熱的に語ったことだろう。このころはテスラの生涯の絶頂期だったし。でも、大スクリーンでテスラを拝めただけで大満足。
 それになんといってもコロラドスプリングズの実験施設を再現したセットがすばらしい。フェンスで囲われた巨大なテスラコイルは、テスラファンならずとも一見の価値があるだろう。原作者のクリストファー・プリースト、主演の二人、瞬間移動マジックやキャビネットのことなど書きたいことはまだまだあるが、それはまたおいおい。

 ともかくSFファン、ミステリーファン、テスラファンのみならず、映画ファンなら間違いなく満足できる作品に仕上がっている。タイトルの変更騒動(昔なら「大いなる幻影」とか「名声と威信」みたいな渋いタイトルがついたんだろうな)を厄落としに、大ヒットを祈願したい。

映画「プレステージ」6月スカラ座他全国東宝洋画系にてロードショー。

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日本SF大賞授賞パーティ

2007-03-04 23:45:54 | Weblog
 先週金曜日、日本SF大賞の授賞パーティに出席。
 授賞式前に開かれた日本SF作家クラブの総会で、旧知の難波弘之氏(推薦人)と巽孝之氏によって会員に推挙された。この10年以上SFから遠ざかっていたので、あまりお役に立てそうもないが、現会長の谷甲州氏とは昔からのご縁だし(神保町コネクション)、ワールドコンのテスラ企画もあるので、よい機会に入会させていただいたと思う。
 ありがたい。
 授賞パーティでは難波氏に菊池誠氏(大阪大学教授、テルミン奏者)もまじえてテスラコイル談義に花が咲く。ワールドコン主催者にも挨拶し、テスラ企画について賛同をえる。やる気倍増。薬試寺美津秀さんの最新テスラコイルによるパフォーマンス写真をみたら、やらざるをえないよ。
 パーティ後、SF乱学者大宮信光氏とホテルの喫茶室で打ち合わせ。相変わらず旺盛な知の冒険者(野蛮な知性?)ぶりに圧倒される。お若い。ロボットと知性の問題について斬新な意見をお聞きし、また刺激を受けた。
 収穫の多い1日だった。