テスラ研究家・新戸雅章の静かなる熱狂の日々

エジソンも好きなテスラ研究家がいろいろ勝手に語っています。

体操の神に挑んだ内村航平選手

2011-10-19 17:18:47 | Weblog

 世界体操選手権の種目別決勝、内村航平選手は鉄棒の最終演技者として。団体や個人総合の時より難度を上げながら、見事な演技で有終の美を飾った。その前の平行棒も出来は悪くなかったが、棒下からのひねり倒立に小さなミスが出てメダルに手が届かなかった。フル出場で疲れが出ているのかなと思いきや、さすが体操界の怪物。鉄棒ではそんな懸念を払拭して最高の演技を見せてくれた。
 競技が終わってみれば、個人総合と床で金メダル、団体で銀、鉄棒で銅と、金銀銅のそろい踏みとなった。団体鉄棒の落下はあったが、それ以外はほぼ完璧な実施。種目別では床のリ・ジョンソン(後方2回宙返り3回ひねり)、鉄棒のカッシーナ(伸身コバチ一回ひねり)などの大技を入れ、最後まで攻めの姿勢を崩さなかった。
 この調子なら、ロンドン・オリンピックの個人総合金はもちろん、世界選手権の4連覇、5連覇も夢ではないだろう。
 だが、内村選手の最終目標はそんなものではないかもしれない。今回の鉄棒の演技で感じたのは、彼の相手はもはや人間ではなく、体操の神ではないかということだった。
 神に召され、どこか天空の競技会場で、鉄棒を演じる内村選手。会場には選手も審判も観衆もなく、対戦相手はただひとり体操の神のみ……。滞空時間の長いコバチや完璧な着地に陶然としながら、そんな妄想が湧いてくるのをおさえられなかった。
 内村選手おめでとう。そしてこれからも怪我にだけは気をつけて、神に挑み続けてください。
 


体操の内村航平選手に応援を

2011-10-01 20:35:01 | Weblog

 10月7日から東京で世界体操選手権が開かれるが、日本体操界に野球のイチローや競馬の武豊と並ぶ天才チャンピオンがいるのをごぞんじだろうか。それは内村航平選手である。
 内村選手は現在、世界選手権個人総合2連覇中である。その実績はかつての体操の名選手をしのぐし、アマチュアスポーツの世界では、水泳の北島康介選手や陸上の室伏広治選手にも匹敵するだろう。
 しかし体操競技はマイナースポーツで、かつてはオリンピック5連覇を成し遂げた日本のお家芸であるにもかかわらず、スポットを浴びるのはオリンピックの年だけ。従って内村選手もその才能や実績の割には今ひとつ知名度が低い。
 東京オリンピックの頃から見てきた体操ファンからすると、遠藤幸雄、加藤沢男、笠松茂、具志堅幸司、冨田洋之など、数々の名オールラウンダーを生んできた日本の体操界でも、内村選手の才能はひときわ抜きん出ている。
 技の難度、さばきの美しさ、着地のキメ、6種目そろった安定感。どれをとっても申し分ない。難度と美しさの両立というのがもともと日本体操の伝統だったが、その半世紀の伝統が生んだ最高傑作が内村選手なのである。
 顔もかわいいし、お母さんのキャラクターもよい。多くの方が彼の演技を見てこれを機にもっと人気が出てほしいと、一体操ファンとして切に願う。