テスラ研究家・新戸雅章の静かなる熱狂の日々

エジソンも好きなテスラ研究家がいろいろ勝手に語っています。

テスラの実像に迫った『光の偉人 陰の偉人』

2010-09-26 23:56:38 | Weblog
NHKーBShiの『光の偉人 陰の偉人』、見た。
よくぞここまでつくってくれたという感謝の念でいっぱい。
スタッフ、出演者、協力者の皆様、どうもありがとうございました。
皆様の努力とセンスに心から敬意を表する。

それにしても、テスラをこれほど真正面から取り上げたテレビ番組は初めてではないだろうか。解説もきわめて適切だった。
これでテスラをはじめて知った方にも、彼の実像がよく伝わったと思う。
テスラに光があたりすぎて、悪役をふられたエジソンは少々かわいそうな役回りになってしまった。
しかし、これは世界的有名人ゆえの有名税ということでご勘弁いただこう。

今後は番組のシリーズ化はもちろん、地上波での放送も期待したいと思う。いや、必ずそうなるのではないか。
それほどよくできた番組だった。

発明超人ニコラ・テスラ

NHK-BSハイビジョンにテスラ登場!!

2010-09-22 15:53:43 | Weblog
 9月26日(日)午後9時放送のNHK-BSハイビジョン『光の偉人 陰の偉人』にニコラ・テスラが登場する。
 この番組は「”光の偉人””陰の偉人”が火花を散らす物語を通じて歴史誕生の瞬間に立ち会う」という歴史バラエティ。その第一弾として「光のエジソン」対「影のテスラ」の対決が選ばれたというわけである。
 タイトルは「“発明王エジソン”と“稲妻博士ニコラ・テスラ”」

 わたしは番組つくりに資料提供やアドバイスをさせていただいたほか、拙著『天才の発想力』や『発明超人ニコラ・テスラ』なども参考にしていただいたようだ。
 テスラとエジソンの熾烈な「電流戦争」を真正面から取り上げた番組で、薬試寺さんのテスラコイルもスタジオに登場する。
 掲載写真はスタジオ撮影にお邪魔させていただいた時のもの。うしろにテスラコイルが見える。

 ぜひお楽しみに。

  
光の偉人 陰の偉人
▽かくして電気の時代は始まった!発明王エジソンと稲妻博士テスラ

 本放送: 9/26(日) BS-hi 21:00~21:44
 再放送: 10/15(金) BS-hi 19:00~19:44

 出演者【キャスター】原沙知絵、浅利陽介【解説】竹内薫


 発明超人ニコラ・テスラ⇒

柴野拓美さんの思い出

2010-09-20 01:03:29 | Weblog
 先週土曜日、日本のSFとファンダムの大恩人である柴野拓美さんの追悼イベントに出席した。
 柴野さんとのご縁については、追悼出版物(「塵もつもれば星となる」)にも書かせていただいたが、中学生時代にカルト的なUFO団体にかかわった時に、柴野さんの批判文を読んで目をさまされたり、同人誌でインタビューさせていただいたり、1982年のTOKON8(第21回日本SF大会)以降、SFファンジン大賞の審査委員長をお願いしたり、日本のUFO研究についておしえていただいたりと、いろいろあった。
 考えてみれば、ニコラ・テスラというオカルトに誘惑されがちな題材を扱いながら、なんとか踏みとどまれたのも、柴野さんのCBA批判のおかげだっただろう。お世話になりっぱなしだったが、拙いオカルト批判本(『逆立ちしたフランケンシュタイン』)を上梓し、お褒めの手紙をいただけたのが、せめてものご恩返しになったかもしれない。
 追悼イベントでは、弟子にあたる酒井昭伸氏や鍛冶靖子さんが語られた翻訳家としての姿が印象的だった。

 柴野さんは下訳を一種の安全弁として使っておられた。これは翻訳には必ず間違いが出るから、安全弁を設けることでそれを極力減らすという東京工大出のエンジニアの発想だとか、物語性の乏しいハードSFは好きではなく、シェフィールドよりはクレメントを好んだとか、ニーヴンと出会うことで、翻訳家を天命と自覚したとか、ほかにもいろいろおもしろい話が聞けた。
 他のゲストの方の話も興味深く、あらためて柴野さんの大きさを感じることができた。

 生前からSF界の大先達として畏敬してきたが、物書き人生の上では「ハードSFの雄」柴野さんが、わたしのような文弱の徒と交わることは少ないと思ってきた。
 ところが故人になって思い返してみると、いかに大きな影響を受けてきたか。あらためて驚くことが多い。もっと早くわかっているべきだったと、われながら情けないが、影響というのはそんなものではないかとも思う。
 これからも物書きを続けるかぎり、どこかで柴野さんが顔を出し、叱咤してくれるにちがいない。それを励みに書き続けていこうと思っている。