テスラ研究家・新戸雅章の静かなる熱狂の日々

エジソンも好きなテスラ研究家がいろいろ勝手に語っています。

木村多江が日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をとった

2009-02-21 04:11:25 | Weblog
 木村多江が日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をとった。

 サユリスト世代としては、2作品ノミネートの吉永小百合をおさえての受賞というのがまた感慨深い。10代から主役を張り続けてきた永遠のアイドルを、セラミュや貞子からのしあがった女優が抑えて受賞したわけである。そういえば広末凉子も仲間由紀恵も、基本的に主役一直線の人たちだな。
 予定調和ではなく、こういう逆転がたまにあると、人生おもしろいなと感じてしまう。

 そういえば昔、木村多江が脇役として認知され始めた頃、2ちゃんねるのファンスレに、多江さんはカンヌやベネチアで主演女優賞をとってもおかしくない大女優になる。おまえらファンのくせにわかってないと書き込んで、ひんしゅくを買ったことがあった。
 あれは半分は酔ったいきおい、半分は本気で書き込んだのだが、この調子では案外早く実現してしまいそうな気もしてきた。

ブログ再開、テスラ、山内龍雄、江戸の科学者などのこと

2009-02-14 04:56:27 | Weblog
 昨年末から、いろいろな原稿が遅れ遅れで、編集者の皆様にはご迷惑をおかけしてしまいました。まだいくつか残っていますが、それでも大分落ち着きましたので、しばらくはまたブログにもどることにします。

 テスラがらみでも最近はいろいろとおもしろいニュースがあります。海外ではインテルが無線充電装置を発表し、MITが無線送電実験に成功したと報じられました。いずれもテスラの夢の現代版ということで、テスラファンを大いに喜ばせました。
 国内では平下治さんのご尽力で「電気の史料館」にニコラ・テスラの彫像が設置されたのもうれしい出来事でした。
 テスラ研究所としては、懸案のテスラ本の翻訳をいよいよ進めなければと思っていますし、テスラコイル・ビルダーの薬師寺美津秀さんとのコラボ企画も構想はあるのですが、このご時世、資金的な面で容易ではありません。
 しかし今夜、画家山内龍雄氏やギャラリータイムの須藤一実氏といっしょにお会いした旧知の経営コンサルタントの柳町氏もいっていました。歴史上、終わらなかった不況はないと。一年計画で、せっせと原稿を書いて、稼いでなんとか実現にこぎつけたいと思っています。

 山内龍雄氏は台湾での個展の帰りでした。ヨーロッパに続いて、台湾でも大成功を収めたようで、これもうれしいニュースです。詳しくはギャラリータイムのHPで。山内氏と須藤氏の交流を描く伝記本も今年後半までには出版予定(新戸雅章著)です。

 学研のブログ連載「江戸の科学者列伝」も張り切って書いています。これまで、志筑忠雄、川本幸民、関孝和、平賀源内と続いています。まだストックはありますので、ご期待を。
 ラインナップは江戸の科学者という以外は一見バラバラですが、どれも素晴らしい業績をあげた魅力的な人物という点では一致しています。
 江戸の科学というと、これまでは鎖国下の乏しい情報の中でがんばったけれども、その努力が本当に開花したのは明治以降だという評価でした。つまり、江戸300年は長い予備トレーニングの時代と見られてきたのです。でも、彼らの一部がすでに世界的な水準にあったことは、和算の関孝和の例などからも明らかです。
 西洋の刺激によって、学芸の世界に多くの才能を輩出した江戸後期は、江戸ルネッサンスと呼んでよいような時代でした。そうした時代と業績の紹介もこの連載の重要な要素になっています。
 ただそれ以上にわたしが江戸の科学者に心惹かれるのは、その純粋さです。上記の学者たちは、だれをとっても学問を愛し、真理を愛し、家族を思い、郷土を思い、藩や国を思い、仲間を思い、学問によって少しでも人々の役に立ちたい、救いたいという真摯な願いを抱いていました。
 もちろん彼らにも人並みの野心はあったでしょうが、学問を出世の道具と考えるようなことは少なかったと思います。そのような生き方がまかり通り、かえって礼賛される現代だからこそ、その初心に学ぶことも多いような気がします。
 そんな彼らの人間的魅力を少しでも紹介できればと考えています。

以下続く。