9月11日(日)は「さんせう太夫」の楽日。
公演前に恒例、本堂でのパネル・ディスカッション。
パネラーは地元在住の作家佐江衆一氏、愛知学院大学教授で、国際寺山修司学会の創立者清水義和氏、遊行かぶきの創始者で「さんせう太夫」演出の白石征氏の三氏、そして司会は不肖わたくし、テスラ新戸(笑)。
半年前の東北大震災を踏まえながら、今回の芝居を軸に、中世、別離、漂泊、孤独、家族、共同体、芸能などのテーマについてたっぷりと語っていただいた。
パネラーとの縁で、寺山修司の短歌が語られたかと思えば、遊行寺つながりで一遍の歌に及び、震災、津波、原発事故などの災害から、戦争と破壊、科学と近代文明、日本人強制収容所、満州などへ話題は飛んだ。
司会の力を超える場面も多かったが、主題を大きく踏み外さずにすんだのは逆境に立ち向かう日本人に寄せるパネラーたちの深い信頼と共感があったから。それは引き裂かれながら、なおも家族再会を信じる安寿と厨子王の魂とも相通じるものではないか。そんなことを考えながらお話をうかがっていた。
この後の公演は大成功。出演者一同全力を出し切った満足感にひたりつつ、打ち上げに突入した。
制作サイドの一員として、出演者、スタッフ、そしてなにより残暑厳しい中、3時間の長丁場におつきあいくださった観客の皆様に厚く御礼申し上げたい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます