ここのところの日韓の状況をして、安住淳財務相は23日午後の衆院予算委員会で、公明党の東順治氏への答弁として。
拡大措置は今年10月末で期限が切れるが、安住淳財務相は「10月以降どうするかは白紙で考えざるを得ない」と強調した。
これに関連し、財務省幹部も同日夕、昨年10月に来日した韓国の財政当局の幹部が財務省を訪れ、通貨交換協定の拡大を要望したと説明。「韓国側の申し出ががなければこちらから申し入れる話ではなかった」と述べた。
通貨交換協定は通貨危機などの緊急時に外貨を融通し合うもので、昨年10月の日韓首脳会談で、限度額を従来の130億ドルから700億ドルに拡大した。日本としては、欧州債務危機でウォン急落が懸念される韓国を支援し、アジア経済が不安定化することなどを防ぐ狙いがあった。
といった報道がされていますが、そもそもの日韓通貨スワップ協定について確認しておきます。
欧州情勢等グローバル経済が不安定な中、日韓両国は、金融市場の安定のため日韓における金融協力の強化の観点から行うものであり、これにより、金融市場の安定が図られるとされ、建前上は日韓両国経済が共に安定的に成長していくことを目的としている。しかし、実質は日本の韓国に対する経済支援の面が強い。またそのため、2012年に大韓民国大統領の李明博による竹島上陸、今上天皇への謝罪要求などの一連の言動を鑑み日本国政府は、2012年10月末の期限延長を取りやめることを検討しているようです。
2011年10月19日の財務省の発表によると、限度額が総額130億ドルから総額700億ドルへと増額が決定された。
当時の為替レートでおよそ5兆5000億円。
日韓通貨スワップ協定って。
日本銀行と韓国銀行(中央銀行)が結んでいる円と韓国通貨ウォンを相互に融通し合う通貨スワップ協定。2005年締結。
2008年12月、リーマン・ショックにより韓国で外貨流動性問題(韓国通貨危機)が浮上したため、引出限度額を30億ドル相当から200億ドル相当に増額。
2010年4月末、為替市場が安定化したとして増額措置を終了、30億ドルとする。
2010年6月、日韓通貨スワップ協定の期限を3年延長し、期限を2013年7月までとする。
2011年10月、欧州金融市場の不安定化の中、引出限度額を30億ドル相当から300億ドル相当に増額。2012年10月末までの時限措置。
日韓通貨スワップのメリットとデメリット
日本側のデメリット として考えられる部分は。
協定上は日本が韓国から通貨スワップを受けることも可能となっているが、ドル資金については日米スワップ協定が継続的に実施されておりあくまで形式的なものである。
デメリットは韓国政府の介入政策の如何によってはドル売りウォン買い介入などにより消尽してしまう可能性があり、この場合700億ドルのスワップ資金が返済されないリスクがある。
韓国側のメリットとデメリットとして考えられる部分は。
韓国は1998年以降は一貫した貿易黒字であるが、2011年は外貨準備高3033億8千万ドル、決済用短期資金として236億9000万ドルに対し、対外債務は3980億ドルであり純債務国である。 また、韓国の外貨準備高の発表については、1997年のIMF介入前では流動性のある外貨準備金は223億ドルであったが、介入後の調査で約30億ドルしかなかったことが明らかにされている。 現在の外貨準備の運用では、低リスクの米国債(272億ドル)など以外にも、CDOなど高リスクの積極商品が組み込まれているとされ、金融市場の動向により外貨準備が影響を受けやすいとされる。2011年10月には、韓国クレジットデフォルトスワップ(CDS)プレミアムの数値が2%を超え、ドル=ウォンレートもウォン安の1ドル=1200ウォンに肉薄した。 2011年下半期には「ドル枯渇」や「債務返済能力の低下」が叫ばれ、政府による外貨獲得政策の一環としての「通貨スワップの常設化」や「既存のスワップの拡大」がより求められた。
韓国にとってのメリットは韓国通貨の安定や、それに伴う韓国内の物価安定と外貨建て債権の返済負担軽減などであり、急激なウォン安による対韓民間融資債権のデフォルトを防止する効果がある。また、中韓スワップ返済等の債務の返済である。
韓国にとっては大きなデメリットはない。
といった内容ですが、もっと両国の話し合いが出来ないものか。外交の手腕が問われる場面ですが。