行政が、様々なものを購入する場合、契約がされますが、その方法には様々あります。
通常いわれる入札にも一般競争入札や指名競争入札などがありますが今回取り上げる部分は、東電の天下りが注視されている随意契約についてです。
この問題については、今回の私の一般質問の中でも触れますが、地元業者の育成により活性化を図る部分にも繋がってきています。
そこで今回は、随意契約について触れたいと思っています。
特に考えなくてはならないのは、指名競争入札で同じ催しが毎年ある場合についてです。たとえば、公園のベンチを購入する場合、通常は、経年劣化を経て老朽化したり壊れた場合のみの再購入ですが、議会広報や海外派遣生などの場合は、施策が終わらない限り毎年続いていきます。
こういったものを入札制度が合うのか会わないのか難しい局面も出てきます。
合併以来6年目を向かえ、年に1度ある同じ行為に6回の入札が行われた場合を考えるとあくまでも例ですが、たとえば、100万円の物が毎年10万の入札差額が出た場合、現在では、40万円になってしまうケースが出てくるのではないでしょうか。
これは、由々しき問題で、安かろうが、どこかに支障が出てくる状況も危惧しなくてはなりません。「関越の事故なども安さの連鎖が生んだ悲劇のようです」
そういった事も踏まえた上で、今後の入札制度も少し検討の余地あり。かも知れません。「特に小額随契の場合が重要と考えます。地元企業優先も重要です」
では、そもそもの
随意契約(ずいいけいやく)とは国や地方公共団体などが競争入札によらずに任意で決定した相手と契約を締結すること、及び締結した契約の事です。
随意契約の種類 としては、概ね三種類に分類がされます。
1、特命随契
発注者側の都合(会計法第29条の3第4項、第5項、地方自治法施行令第167条の2第1項第2号、第5号、第6号)により、特定の事業者を指定して契約を締結する方式で、別名『業者指定契約』とも言う。単に随意契約と言った場合は特命随契を指すことが多い。
競争性がないため落札率が高止まりして予算の無駄遣いとなりやすい。また、予定価格の根拠となる価格資料を契約予定者から徴取せざるを得ない場合が多く、契約予定者による価格操作が容易で、予定価格制度が形骸化しやすい。天下り先の公益法人を契約相手方とする等、官制談合の温床になりやすいとの批判もあった。法令に具体的な規程が無かったため、各省庁で拡大解釈がまかり通っていたが、平成18年度に見直しが行われ、特命随契可能な事例は大幅に制限された。競争入札へ移行できない物は、企画競争若しくは公募を行うこととしている。
- 特命随契に伴う公募
財務省通達で認められた契約以外について、要件を満たす者が一に限られることを理由に随意契約を行う場合は、事前に公募をしなければならない。ただし、初めから要件を満たす者が複数存在することが明らかな場合は、公募を行わずに、一般競争入札や企画競争を行わなければならない。公募に対して応募者がなかった場合、または、応募者の中に要件を満たす者がいなかった場合は、特命随契が認められる。しかし、要件を満たす応募者がいた場合は、一般競争入札又は企画競争を行わなければならない。
少額随契
予定価格(貸借契約の場合は予定賃貸借料)が少額の場合(会計法第29条の3第5項、予算決算及び会計令第99条第2項~第7号、地方自治法施行令第167条の2第1項第1号、地方自治法施行令別表第5)に、二以上の者から見積書を徴取して契約者を決める方式。法令上、予定価格が少額随契可能な額であっても、可能な限り競争入札を行なうように指導されている。
少額随契できる予定価格(貸借契約の場合は予定賃貸借料の年額または総額)の限度
種類 | 国 | 都道府県及び政令指定都市 | その他市町村 | 根拠条文 |
工事又は製造 |
250万円 |
250万円 |
130万円 |
予決令第99条第2号、地方自治法施行令別表第5 |
財産購入 |
160万円 |
160万円 |
80万円 |
予決令第99条第3号、地方自治法施行令別表第5 |
物件借入 |
80万円 |
80万円 |
40万円 |
予決令第99条第4号、地方自治法施行令別表第5 |
財産売払 |
50万円 |
50万円 |
30万円 |
予決令第99条第5号、地方自治法施行令別表第5 |
物件貸付 |
30万円 |
30万円 |
30万円 |
予決令第99条第6号、地方自治法施行令別表第5 |
それ以外 |
100万円 |
100万円 |
50万円 |
予決令第99条第7号、地方自治法施行令別表第5 |
- ※予決令=予算決算及び会計令
- ※各地方自治体においては、上記の金額の範囲内で各自治体の規則で定める額以下とされている。
二以上の者から見積書を徴取することで一応の競争性は担保されているが、徴取対象事業者を恣意的に選定すれば官制談合の温床になる恐れがある。とはいえ、特命随契とは違い、予定価格に制限があるため、大規模な事件になることは少ない。ただし、一括に発注すべき契約を複数に分割することで少額随契とするなど、その抜け道もある。そうした複数分割事例は会計検査で何度か指摘されている。
一方で、むやみに一般競争化することは、いたずらに小規模事業者を排除することになり、中小企業対策として好ましいとは言えない。
一般競争については、参加資格の制定を認められており(予算決算及び会計令72条および第2項、第3項)、資格を定めた場合は名簿登録事業者しか競争に参加できない。現在、物品の製造・販売、役務の提供等、物品の買受けについて殆どの省庁が省庁間統一資格名簿を利用している。
指名競争については、一般競争の名簿と兼ねる場合を除いて、参加資格の制定が義務づけられている(予算決算及び会計令第95条および第2項、第3項)。よって、参加資格名簿に登録されていない業者は一般競争にも指名競争にも参加することが出来ない。
名簿登録の資格審査には財務状況等の詳細な資料の提出が必要であり、これは、小規模事業者にとって費用対効果に乏しく、事実上の参入障壁となっている(たとえば、法人税や消費税の分割納付をしていると添付書類のうち納税証明書その3が発行されない。
そのため、名簿登録のためには一括納付する必要がある)。また、入札に係る手続きの煩雑さも、小規模事業者には参入しにくい原因となる。一方で、随意契約には、そのような決まりはなく、手続きも簡素であるため、事業者の規模に関係なく参加の余地が与えられる。