無理難題

2006-04-30 | 国内業務
某超有名レストランチェーングループと商談をしています。

課題はシーフードミックス。 シーフードカレーなんかにトッピングとして入れるものです。今回は、俗に言う「コンペ」となりました。

○月×日までに、サンプルを提出するように (まるで役所です)

との号令のもと、納入業者はサンプル品を手配します。日本国内で作れば当然高くつき、価格競争で負けます。
海外から持ってくると、(特に急ぎの場合)時間的に間に合わず、十分なものが作れません。

シーフードミックスは、本当に小手先でいくらでもゴマカシのできる商品です。

※ 保水剤を使ってエビに水分をしみこませれば重量アップ!
※ グレーズ(鮮度保持のため、凍結した魚を水に一瞬通すと氷の膜ができます)
を厚くすれば重量アップ!
※ 養殖場でマビキした「くずエビ」を使えば、コストダウン!
※ たこ焼きやイカリング加工品の端材を使ってコストダウン!

てな感じです。

貝は「砂噛み」が多く納入する我々は使用したくありません。(X線でもあれば別ですが。。。笑)

さて、海外はメーデー休みをしっかりとります。日本もGWです。そんな中、猶予一週間でサンプル提示の依頼がありました。

海外で作って空輸して。。。現地もこちらも休み期間。。。
まず間に合わないタイミングでのサンプル依頼です。

私企業ですから、賄賂なんかは犯罪になりませんが、納入業者と仕入れ担当者が相当懇意にやっておれば(=まっ、賄賂ですな)こういった情報を先に入手できます。
今回は一社以外は完全に「ハメラレた」感じです。。。
ライバル会社はすでに諦めたところもあります。

黙って引き下がるのも腹が立つので、意地でもサンプル出ししてやるつもりです。。  

しかし、価格訴求ばかりしていると、何食わされてるがわかりません。
良いものは高い、これは事実です。だからといって、安いものは悪い、ことにはなりませんが、可能性は高いです。




トリビアの泉 様 感謝です

2006-04-27 | 国内業務
今日のトリビアの泉で、骨なし魚 が取り上げられていました。

我々にとってはあたりまえな話しも、やっぱり一般の方々の認知度は低いようです。
今日は、「大冷」さんの工場がでていました。

骨抜くとこから、結着剤ふりかけ、X線検査まで、しっかりと放映されていました。

少々ブログ検索したところ、反響結構出ています。。。それもマイナスイメージが
。。。

※ X線は身体に悪くないのか??
※ 変な粉を振りかけていた。。

そうなんです。早くみなさん気づいてください。
骨なし魚は、あなたの知らない「中国やベトナムの女工さん」がべたべた触り、一本ずつ骨を抜いたものなのです。。魔法で骨が消えたわけでも、薬で溶かしたわけでも(それも怖いですが)、また、もともと骨が無いわけでもありません。

それをチェックするために、X線(=レントゲン)に通しています。

そういえば、約半年前このブログを立ち上げたときも、この話しから始めたのでした。。。


だから一本骨が出たぐらいで、クレームにしないでください。。。

愛に恋

2006-04-26 | 海外雑談
コテコテの飲み屋さんの名前ですが、これは、中国、「煙台」の四つ星ホテルのロビー脇にある「掲示板」です。

中央右上で、「結婚報告」をしている人が店のオーナー、若干29歳で独立しています。
店舗は2件、改装費用に合計2000万円近く、かかっています。

前職は、なんと、「日系水産加工会社の中国工場管理者」。
特に資産家の息子というわけでもなく、20歳ぐらいから工場勤務⇒日本語を覚え⇒幹部に登用⇒副業で飲み屋開業⇒完全独立 となったそうです。

その間、たった7年。日系企業とはいえ、給料が日本人並みにもらえるわけがありません。
そこが、中国流「グレーゾーン」でコツコツ資金を貯め、独立までこぎ着けたみたいです。

取引をしている中国、台湾などアジアの連中には、私と同じような立場から独立し、同じ業界で輝かしい成果を挙げている連中が山ほどいます。
いったい何が違うのか。。。



ほとんど日本語をしゃべれないにも関わらず、日本行きを夢み、働く女性たちがいます。大学で日本語を専攻し、将来は日本に留学したいそうです。

中国の格差社会は日本の比ではありません。
目の前で、自分の月給以上の飲み代を財布から出し、簡単に支払っていく日本人を見ていたら、日本に行きたくなるのも当然かもしれません。。


サバの流通

2006-04-25 | 国内業務
昨日の「ヤケ鯖」に関連して。。

日本近海でも鯖はたくさんとれますが、脂ののりはあまり良くありません。
鯖といえば、北欧産が業界ではメジャー産地です。
ノルウェーやデンマーク、スコットランド、アイルランド、そして、大西洋を抜け、カナダの東海外あたりが、脂ものの鯖のふるさととなります。

昨日近所のスーパーにて販売されていた鯖の味噌煮の袋詰めです。
お湯で温めればそのまま食べられます。

表示から製造者さんの苦労がうかがえます。



※ さば(ノルウェーまたは、デンマーク)・・・ 産地表示が厳しくなったため、原産国表示には気を使います。
原料は一箇所から買い付けるわけではなく、たぶん2箇所の表示となったのでしょう。

余談ですが、たとえば今年は、アルゼンチンの松イカが大豊漁です。しかし、現状、イカ製品を日本産マイカで作っているとすると、仮にアルゼンチン物が品質良く、安価だとしても、アルゼンチンを使ったら、表示をすべてやりかえなければなりません。すでに作ってある箱やらステッカーを作りなおし、納品先には、製品規格書を作り直して提出しなければなりません。
そんな手間を考えたら、高くても日本のマイカを使用し続けたほうがいい、という判断になります。

※ 原産国名 : 中国
欧州で買い付けた鯖を中国へ送って加工したようです。
中骨がついたままの加工ですと、いくら中国で加工しても、「ノルウェー産」となり、中骨をとると、「中国産」に変わります。

本品は、中国で味噌で煮込み、それを袋に入れ、冷凍したと思われます。
そして表側にも表示がありました。



保存温度変更者: 冷凍品を解凍し、チルド出荷しているのでしょう。店先では、チルド状態で販売されていました。

こういった商品の流通が増えています。単価もおのずと高くなります。

日経新聞をみると、スーパーは、主力の食料品の売上が落ち込んでいるそうです。
経費がこれだけ上がっているのに、売上が下がっている。。いったい日本人は何を食べているのでしょうか??



やけ鯖(さば)

2006-04-24 | 国内業務
焼き鯖ではありませんので、念のため。。

脂の多い魚は、長期間保管していると、脂が黄色く変色してきたりします。これを、「やける」とか、「脂やけ」とか言います。
いくら温度管理のしっかりした冷蔵庫に保管していたとしても、品質が変化してしまうことはしばしばあります。
こうなると、投げうるしかなくなります。

ばっくり口を開けて待っているお客様もいらっしゃいます。。。



この鯖は、ヨーロッパで漁獲され、中国で骨とり加工をされ、某お客様に一回納品された品物です。
ところが、搬入当時、「脂ののりが悪い」というクレームがあり、返品されてそのまま、文字通り「お蔵入り」していた貨物です。
以前は、検品する人の感覚で「脂がある」とか「ない」とか判断していました。相場が良いときには、ちょっとぐらい品質が悪くてもOK.逆に相場が悪いときは、ちょっとした品質不良も「こりゃ駄目だ~」となります。

最近では科学的分析を施します。分析センターに出し、脂の比率を科学的に計測します。○○%以上との取り決めに対し、ほんの少し足りないだけで、はじかれました。

予定では、すでに、「焼き鯖」として消費されているはずの商品が、「やけ鯖」となって残っています。私も「ヤケ売り」してしまいそうな気分です。。



ツナマヨ(シーチキン)

2006-04-23 | 国内業務
好きなコンビニおにぎりランキング (gooランキング) - goo ニュース

好きなコンビにおにぎりランキングで、「ツナマヨ」が1位だったそうです。

一昔前は、「シーチキン」という名が一般的でしたが、これは某社の商標登録。
某社さん以外の「ツナ」を使った場合、「シーチキン」とはうたえません。
(シー=Sea=海、チキン=Chicken=鳥。まさに、海の鶏肉とはいい名前をつけたものです) 

コンビニで「シーチキン○×」という名称があったら、それは特定の会社のツナを使用しています。我が三流商社も、同じ製品を同じようにコンビニエンスストアへ販売しています。



原料となる鮪は 西太平洋やインド洋でまき網船によって漁獲されたもの。まき網船は、とにかく大量に漁獲していきます。日本伝統的な延縄とは全く異なる漁法です。まき網の原料→缶詰用、 延縄の原料→刺身用 といったところです。
同じ魚も処理ひとつで値段が大きく異なります。

台湾船や韓国船が漁獲した原料が、タイに運ばれ、加工されています。それが日本へ入り、販売されていきます。
お気づきの方も多いと思いますが、猫用のペット缶詰餌は、タイで生産されているものが非常に多いです。これは、タイの鮪加工(缶詰)と関連しています。
人間があまり食べない「血合肉」なんかを捨てないで、ペット用に加工しているのです。 

タイの鮪加工は、主要客先は日本ではありません。ツナ缶はそれこそ全世界で消費されています。(ヨーロッパでも消費されますが、元植民地だったアフリカ各国の製品を優先的に扱うような政策がとられています。 タイ産の製品には法外な税金が課されます。。余談ですが。。)

日本は味にうるさく、「黄肌鮪」の製品がほとんどですが、海外ではもっと安い「カツオ」原料を使用した製品が主力です。 これだけ油代が高騰してくると、原料価格も軒並み上昇。そろそろ日本も「カツオ」製品を使う時期ではないでしょうか???


魚は割高??

2006-04-22 | 日常雑談
「魚は割高」と消費者 水産白書、意識のずれ指摘 (共同通信) - goo ニュース

水産白書の指摘だそうです。
消費者は高いと思い、生産者は安いと感じている。。。

昨年、産地では秋刀魚は1キロあたり、10円を切った価格で取引されていました。
鯖は、中国や韓国にがんがん海外に輸出されていきました。
秋鮭を狙ってアジアの各国が日本へ買い付けに押し寄せてきています。

「魚が高い」わけではないのです。
わざわざ高くしているのが、「流通」なのです。「規制」なのです。

サイズの揃った魚しか並んでいないスーパーを不思議に思わないのか??
「骨の無い魚」しかたべられなかったり、切り身の姿しか見たことのない子供が増えているのは、なにかおかしくないか?

アルゼンチン沖でイカが豊漁です。しかし、イカの輸入は、「枠」すなわち、政府から「特権」を頂いた企業しか輸入できません。
そして、その「枠」は政府から無償で発給されているのも関わらず、売買されています。政府の見解は「そんな事実はまったくない」ということ。
わざわざ、政府から「特権」を受けた会社に「お金」を払い、あくまでみせかけ上、「輸入者」になってもらい、貨物を搬入させます。
とうぜん、その会社には、「謝礼」を払います。なにもしていない会社が、がっぽり儲けます。そのお金が政治献金になっています。 


トリビアの泉で、「骨なし魚の骨は一本ずつ手で抜いている」なんでのが「トリビア」として取り上げられる時代です。
究極の安全・安心は、なにも手を加えないこと。骨をとることが安全ではないのです。。。 自己矛盾に陥ります。。。




交通ルール

2006-04-20 | 海外出張
とある中国の工場にて。

写真は間違いなく、工場の敷地内なのですが、工員さんたちは、歩行者ラインの内側を歩いています。
日本の工場でもこういったルールがあるところもあるようですが、水産工場ではまだまだここまでやっているところは少ないはずです。
少々気になったので、振り向いて見て見たのですが、やっぱり守られています。




こういった工場で優秀な工員さんを見つけると、日本へ連れて行きたくなるものです。特に、加工場の経営者さんたちは、自分の工場で働かせたくなるものです。
あまり法律のことは知りませんが、こういったいわゆる「単純労働」のため、日本へ連れてくることはできないようです。

そこで、「研修生」制度なるものがあります。日本の技術を学ぶため、とかいう名目で、工員さんたちを日本に派遣できます。
とはいっても、「身元」がしっかりしていないと、出す工場側も受ける日本側も問題が起きます。

ところが、「優秀」な工員さんたちは、山の奥地から出稼ぎに来ている、いわゆる「身元がはっきりしない」連中が多いようです。
日本の加工屋さんが指定した工員さんではなく、包丁も握ったこともないような、「社長の親戚の娘」とか、「総経理の奥さんの友達の知り合い」とかいうのが紛れ込んでくるようです。





通訳

2006-04-19 | 海外出張
取引先に勤務する日本で仕事をしていた経験のある女性2名が食事の席に同席しました。
通訳といっても、通訳のための特別な訓練を受けているわけではありません。いわゆる「日本語が話せる中国人」の方々です。
仕事柄、現場では専門用語が飛び交います。
「歩留まり」や「デブロク」、「PBとり」やら「漬け込み」、「金探」など、日常生活では使わない単語が頻出です。

その通訳役(あえて 役 を付け加えています)の女性陣は、なにかわからない単語があると、すぐに「電子辞書」を持ち出し、調べます。
我々日本人同士の商談が終了するタイミングを見計らって、質問が飛んできます。

食事の席でも熱心なもので、頭が下がります。
「明日、ランダムにサンプル出して。。。」といったとたん、「ランダム」という、「日本語」の検索に入りました。。笑



調べた後は、熱心にメモを取っています。
「単語」だけじゃなく、生産管理やら原価計算やら、難しい知識もどんどん吸収していきます。
私が一生懸命アウェーゲームで白酒空けている脇で、一生懸命勉強しています。。
こちらの冗談なんかも手帳に書いてます。
あまりにもメモするんで、ちょっと中身を見せてもらいました。



同席したお客様と、「○○さん、よくクレームを受けてるけどめげないよねー」、という話しから、「M系な人はクレームも嬉しいかもしれない。。」なんて他愛もない冗談を言っていたところ、しっかりと、メモされていました。。

これじゃ、勝ち目ありませんよねっ。 中国恐るべし。





出迎え

2006-04-19 | 海外出張
チンタオ空港の到着し、外に出ると、ご覧のとおり出迎えの人たちの山が目に飛び込んできます。
手に手にボードを掲げ、お目当ての客人が出てくるのを待っています。
不慣れな場所に一人で出張したときなど、あのボードがいかに心強いか。。

しかし今回、他の取引先(今回の出張とは何も関係ありません)の 会社名と、名前のボードを見つけてしまい、思わず同行したお客様と顔を見合わせてしまいました。。

狭い業界です。別に秘密にしてどうなる話しではないのですが、あの、「会社名」+「個人名」、場合によっては、プラス「出迎えに来た会社名」を「これでもかー!!」と掲げるのは、あまりよろしくないかもしれません。

誰がどこにいるかわかりません。 個人的には気分いいものなのですが、今後、ボード出迎えは、遠慮することにします。