単位

2006-05-30 | 国内業務
とある問屋さんとの商談中、どうも話しがかみ合いません。
単価がかみ合わないのです。。。

結果的にこちらは、10キロあたりの単価、先方は7.5キロあたりの単価で交渉をしていたのです。。笑

我々のような輸入会社の場合、キロ単価で価格の取り決めを行うものです。
ところがアメリカから買う場合、ポンドあたりの単価で仕入れ交渉をおこなったりします。
品物によっては箱単位、その箱も1箱18キロだったり、12キロだったり、生産者により、まちまちです。

寿司ネタ屋さんへ販売するときなど、重要なのは1枚単価(=1貫単価)。
我々は輸入価格=キロあたりの値段を寿司ネタ一切れ単価へ換算し、交渉します。
発注も、枚数で注文があります。。

その単価を「キロ」で考えるか、「箱」で考えるか、あるいは「1枚=1食」単位で考えるかで、その人がどんな業界にいるのかわかります。
昔は、「船単位」で魚を買い付け、それこそ一山いくらの世界でした。(私三流商社マンも、昔はこんな買い方-売り方をしておりました。。笑)

どんぶり勘定で儲かる時代ではありません。g単位でのせめぎ合いが今はあたりまえ。 

最近、すり身の値段が高騰して、ちくわが数センチ短くなったという話題がありましたが、内容量減らしてもも「価格」を重視する時代です。
缶ジュースも良く見ると、ときどき345gのものがあります。
気づいたら内容量が昔の半分、なんてことになっているかもしれません。。

海岸侵食

2006-05-28 | 趣味(海)
連日まるで梅雨入りしたかのような天気でしたが、今日は午後から晴れるとの予報。外房へ潮を浴びに行きました。

九十九里界隈は低気圧の影響で大時化状態、鴨川まで一旦下り、結局御宿へ戻って入水となりました。
御宿は上の写真のような砂浜が広がっています。

次の写真は鴨川のとあるポイントの写真です。



車の中からの撮影なのですが、駐車場の半分がすでに侵食されています。写真左前の大きな岩みたいなものは、駐車場の残骸です。

15年以上通っている一宮近辺もざっくりと砂浜がなくなりました。
昔はなかった突堤やテトラが、「護岸」の名目でどんどん建設されています。

海というものは、まだまだわからないことがたくさんあります。

悪名高き諫早湾の干拓とその周辺海域の漁業資源の悪化について、「科学的」な関連性をはっきりと証明することは非常に難しいようです。
しかし、証明できない=関連性がない、という論理立てがされていることが危険です。

堤防を一つ作っただけで、周辺数十キロの潮の流れが変わる、という話しをとある大先輩サーファーから聞いたことがあります。
沖合にはるか見える島に「漁港」を建設したら、対岸のクラシカルなポイントに全く波が立たなくなったというのです。

十年前まで車で入れた海岸が、歩くこともままならない状態になっています。

ある御夫婦は夕方2匹のコーギーと海岸を散歩するのが楽しみで東京から「東浪見」(一宮と台東の間)に移住されてきました。 散歩できたのは最初の3年、今は海岸を歩くことができなくなりました。

「テトラポット」ほど醜くて恨めしい建造物はありません。。

フリーズドライ

2006-05-27 | 国内業務
フリーズドライ の食品工場を見学してきました。

普段は、カップラーメンの具 ぐらいしか思いつかないものですが、注意深く見ると、世の中フリーズドライ製品があふれております。
水産物も例外ではありません。
身近なところでは、「鮭茶漬け」の袋に入っている鮭は、フリーズドライものです。

常温で流通できる、重量が軽いので輸送コストがかからないというメリットだけではなく、フリーズドライは「香り」が現物に近い形で再現(業界用語で復元というそうです)できるそうです。

仕組みは、
凍結→真空状態にて加熱(=沸点が低くなるので、50度ぐらいで水分が蒸発を始めるそうです)→水分除去
ということですが、水分を除去するため、重量は極端に減少してしまいます。
我々の言葉で「歩留まり」が悪い&手間がかかる=加工賃が高い ということになります。
100キロの鮭(身の部分のみ)をフリーズドライ加工すると、50キロぐらいになってしまいます。
(頭、内臓付き=ラウンド 状態から計算すると、20-25%程度でしょうか)

現在ではやはり単純なフリーズドライは、「中国加工」が主流だそうです。
日本の工場で伸びているのは、「健康食品」。中国製ではイメージ悪いし、健康食品は、高くて当たり前の世界ですので、コスト競争に強いといえます。

鮭の工程を見てきましたが、水分除去工程前にしっかりと味付け&着色をし、それからフリーズドライ工程に入ります。
つまり、もともと身の色が「真っ白」になった「品質不良」の鮭を原料とし、価格を抑えていたのですが、それも「中国の買い」で安物の底値が支えられ、その影響から「鮭茶漬け」用の鮭が確保できなくなっているようです。

こんなところにも影響が出ていました。。


おせち

2006-05-25 | 国内業務
ファッションショーなんかは、まだ寒いころから、「水着」で「サマーコレクション」なんかやっています。
我々にも似たようなところがあります。

先日、他部署が「おせち料理」の提案の準備をしていました。 
おせちは特に特殊ですので非常に早く商談が開始するようです。
おせちは早いとしても、すでに、「夏休み」「お盆」の商談も佳境です。

これだけ海外との競争が激化し、原料手当てもままならない中、半年先の売値を決めなければならないこともあります。。。。特に最近は油代金の影響などあり、我々の予想以上の速さで相場が上がる魚も多く、長期的な価格の取り決めはできる限り避けたいのが輸入業者側です。。。

このあたりのせめぎ合いは、当事者にしかわかりません。。。



二日続きで新聞ネタです。今朝の朝日新聞より。。

2006-05-24 | 国内業務
二日続きで新聞ネタですみませんが、少々気になりますので。。

今朝の朝日新聞 社会面に、

「イワシ今や1匹 1150円」  不漁響き超高値

という話題がでておりました。

* 環境要因が影響して、今後も沿岸のイワシは少ない見通し・・
* マイワシは今や貴重な存在
* イセエビ並み

といった話しでした。

近海のイワシは減少傾向ですが、鯖や秋刀魚はどうなっているのか??
昔聞いた話しですが、イワシ・鯖・秋刀魚の3魚種の漁獲は相関関係があるとかないとか。。(知っている方いたらご教示ください。。)

イワシを海外から輸入する場合、「輸入枠」が必要になります。
すなわち、「政府から許可」をもらった業者が、「許可」された数量だけ輸入していい、という話しです。

これがまたインチキなのですが、「アメリカ」から入るイワシも、一応「枠」がありますが、いくらでも発給されます。

しかし、アメリカのイワシを中国で加工すると、(中骨までとった加工) 原産地が中国となり、アメリカ枠が使えなくなります。
アメリカ以外の国から輸入する場合の「枠」は、なかなか手に入りません。

シロウトから見れば、まさに牛肉同様、「アメリカ様」の圧力の下、「日本はアメリカのものを輸入せい!」という構図が見えて仕方ないいのです。。


本件につきましては、私三流商社マンの憶測が多分に含まれていること、ご了承ください。。。

日経新聞によると。。

2006-05-23 | 国内業務
昨日(22日、月曜日)の日経朝刊にでかでかと、

「世界の需要で高級食へ ~輸入魚の値上がり続く~

という記事が出ていました。

日曜日の紙面ならともかく、月曜からこんな記事が全国版に踊るのですから、まんざら私三流商社マンが唱えている話しも嘘ではないと、自画自賛。。。??笑

水産業界では超一流会社の方々のコメントもでておりました。

「世界で突出した魚消費国の日本はこれまで各国から好きなように買い付けすることができたが、そうした環境はもう過去のものに・・」

「世界の工場である中国が。。。稼働率を上げるため、高値でも買い付けている」

「白身魚は乱獲の結果、資源そのものが減少・・・」

「新たな高級食材として魚を求める新規参入国を前に、日常食として低価格が求められる日本企業はかつての価格主導権をうしないつつある」

「白身魚は、品質には厳しく売値は安い日本向けだけでは採算にあわない・・・」

「世界に魚は高級食という認識が広がる中で、日本の 魚は日常食 の意識が変わらなければ、調達量の減少は避けられない」

「海外からの魚の買い付け価格の上昇はまだ店頭価格にはそれほど反映されていない。しかし、いずれは水産会社などもコストを吸収しきれなくなる」

抜粋ばかりとなりましたが、さすが新聞はプロフェッショナルですね。。私が伝えきれないことを、端的に代弁していただきました。
こういった認識が世間に広まると、「当ブログ」の存在価値も下がってしまいます。。笑 



横浜港カッターレース開催 

2006-05-21 | 日常雑談
第23回横浜港カッターレースが本日、山下公園前海面にて開催されました。

毎年1回行われる市民レースですが、年々規模が大きくなり、今年は175チームが参加するほどの大賑わいでした。
会場の岸壁には、各チームを応援するのぼりや垂れ幕が掲げられています。



参加チームは、海事関連会社や水産会社、食品会社の職場チームから、現役の水産高校のカッター部、大学のOB会に、流行の現役「海猿」や「自衛官」など、とにかく各方面からの参加があります。

今日は天気が非常に良く、会場から眺める山下公園もまた格別。



レースは公園の左側に設置されたスタートラインから氷川丸に向かって180メートル漕ぎ回頭、そして180メートルもどってゴールという、合計360mのタイムで速さを競います。

スタート地点から見た回頭ブイ方面はこんな感じ。氷川丸の大きさが伝わります。
行って帰って、2分半から3分が標準的なタイムでしょうか。。




年一回「全日本カッターレース大会」というものが開催されています。公式レースでは、2000m、この大会は360m。 特に学生時代や訓練でカッターを漕いだ経験のある人たちにとって、360mはすごく短く感じられるはず。ところが今となってはその2分半がまさに耐えられないほど体力が落ち込んでおります。。笑

氷川丸なんて見ている余裕などありません。。




というわけで今年もあえなく惨敗。。 屁理屈はやたらと出るのですが、肝心なパワーが出なくなりました。
もはや「昔とったナントカ。。」で勝てるわけもなく、残念ながら早々と公園を後にしたのでした。。。 

カッター大会で大盛り上がりの山下公園と思っていたのは当事者たちだけで、
氷川丸の脇、まさにクルーにとっては一番しんどい回頭ブイ近辺では、生ライブやって盛り上がり、



その隣では今挙式を挙げたばかりのカップルが記念写真。
まさに天気に恵まれ、公園はとにかく大賑わいでした。



さ、今から気持ちを切り替え、また明日からの現実に備えなければなりません。(今日も現実といえば現実なのですが。。)
年々筋肉痛が出るタイミングが遅くなり始め、いやでも衰えを認めなければなりません。。
毎年レース直後には「筋トレ」「基礎体力増強」「めざせ20代の身体」と思うのですが、実行に移せないところが情けない、なにをやっても三流です。。

買えないもの・買わないもの

2006-05-20 | 海外雑談
行く先々で、日本では滅多にお目にかかれないようなアイテムを手に入れることがあります。

イースター島の彫り物や、グリーンランドのソープストーンで作った人形、ビンの内側から絵を描いた、中国の香瓶に、南米で手に入れた化石の大きな歯。。。

久しぶりに掃除をした家の中から色々なもの(=ガラクタ??)が出てきました。
「日本じゃ買えないなー」なんて思って買ってくるのですが、持ち帰ると置く場所がありません。
最近仕事で行くベトナムの某所は、有名な「石」の産地。彫り物の土産もたくさんあります。
先日、石でできた「馬」を買ってきました。



これも日本じゃこんな価格じゃ買えないなーなんて、重い思いをして持ってきたのですが、正確には、

「日本じゃ買わないよなー」

というものばかり。
仕事を始めかれこれ十数年。気づくのが遅かったみたいですが、この癖は直りそうにありません。。。笑



コーシャー Kosher (清浄食品)

2006-05-19 | 国内業務
食品につけられているマークには色々なものがあります。
アメリカ向けに商品を販売する際、
Kosher マークが付いてあるもの と指定されることがあります。

Kosher・・・ ユダヤ教のうち、食べ物に関する定め(律法)に合致した作り方をしたものを言うそうです。

律法では、基本的には「豚と貝類・甲殻類は禁止。禁止されていない牛肉と鶏肉は、掟にかなった方法ー生きているうちに殺して血を注意深く出すなどの手順ーで儀式的に処理されたものでなければ食べられない・・・・」そうです。

三流商社で生産している「ツナパック」をアメリカに輸出する際、その商品に、「Kosher」マークが付いていることが条件になったことがありました。

「Kosher」マークを取るためには、工場が認定を受けなければなりません。そのため、ユダヤ教の「ラビ=お坊さん」といわれる方に依頼をし、工場に来てもらい、検査をします。 上記律法に違反していないかどうかの確認です。

三流商社の経験では、「ラビ」さんには超一流ホテルの豪華な部屋をアレンジし、リムジンで工場の送り迎えを強要されます。その上、最高級料理を手配し、お土産まで要求されます。 それをしないと「Kosher」認定がとれないそうです。

三流商社が出会った「ラビ」さんが特殊な方だったと信じたいものですが。。


ウラジオストックの工場

2006-05-17 | 海外雑談
昨日、ベトナムから来日した取引先と食事をしていたときに、工場の「衛生」の話しになりました。

以前ブログでも書きましたが、工員さんたちが工場に入る前手を洗いますが、

石鹸洗浄⇒爪内ブラシ掃除⇒消毒液漬け込み⇒アルコール噴霧⇒手袋装着⇒さらに手袋を石鹸洗浄⇒消毒⇒アルコール噴霧

という作業をします。
そして、マスクに頭ネット、髪の毛が外に出ないように細心の注意を払い、コロコロでごみ取りをします。

取引先曰く、「残念ながら、実際になんのためにこれだけ消毒等をするのか理解している工員はほとんどいない」とのこと。 
何事もそうですが、「なぜ」この作業をおこなうのか、意味が分からずやらされているだけだとすれば、結局はトラブルの元です。

写真はウラジオストックの貝の工場です。女工さんが日本人の訪問に合わせ、ネットを装着していました。おしゃれですね。。笑



そしてご覧のとおり、ドアは開けっ放しで、女工さんの脇を普通の格好をした人間がうろうろしています。。。笑ってしまいました。。

海外の工場で働く工員さんたちの中には、十分な教育も受けられず、ごくごく一般的な衛生観念も持ち合わせていない方も多いとのこと。
(写真のウラジオ工場がそうだと言っているわけではありませんのであしからず)
日本から乗り込んだ「ものづくり」のプロの方々がこういった事実を知らないため、トラブルが起こることもしばしばです。「常識」が違うことをまず理解しないと、結局は不幸な結末を迎えます。。